慢性のひざの痛み｜げんきＤＡＳで治そう！００２
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慢性痛のひざをかばいながら、伊丹さんはえだね先生の治療院に行きました。
ケガの痛みと同じように治療しても、ひざの痛みはとれませんでした。
でも、同じような治療器でも、神経にそって治療すると…？
患者さんにも、柔道整復師、鍼灸師の先生方にも楽しんで読んでいただけるように、「そこだけ先生とえだね先生」の話として、なるべくわかりやすく工夫しています。
各ページは、４～５分で読める文章量でまとめています（文庫本２ページ分くらいの文量です）。
それぞれの章は読み切りになっていますが、順番に読んでいただくとさらにわかりやすくなると思います。
えだね先生の治療院に、伊丹のおばあちゃんが来ました。
ひざの慢性痛を治してもらいます。
コンピュータで測って、ひざと違うところを…？
えだね先生の治療
えだね先生の治療は、難しいものではありません。
げんきＤＡＳの表示どおりに、低周波や温熱の治療器を当てるだけです。
患者さんには、違いがわかりづらいでしょう。
代謝の不調を起こしている「神経の枝」は、げんきＤＡＳが推測してくれるので、画面のとおりに治療器を当てるだけです。
伊丹さんのひざ
伊丹のおばあちゃんのひざは、階段の上り下りや正座で痛くなります。
りんご農家なので、脚立（きゃたつ）に上ることが多いのですが、疲れてくるとひざを動かすたびに痛みます。
げんきＤＡＳで測ってみると、ひざっこぞうにつく、太ももの前側の筋肉にそって、青い線が出ていました。
前の図のような、治療点の候補も出てくるので、ひざっ小僧のすぐ上と、神経の根もとにあたる腰に、低周波治療器と温熱治療器の導子を当てました。
治療を受けるとラクになるので、そこだけ先生に教わった、イスに座ってひざを伸ばす運動を毎日３０回続けるようにしました。
えだね先生はこんな人
えだね先生は、農家の長男です。
江田根家の家訓である「枝根（えだね）茂れば実りよし」から、茂という名前をつけられました。今年で開業１０年、３８歳で母親と二人暮らしです。
農作業のかたわらにできる仕事はないかと思い、治療院を始めました。
江田根家のお祖母ちゃんも、いつも腰が痛いといっていたので、伊丹のおばあちゃんの気持ちがよくわかります。そんな患者さんを治そうと、治療家になったのです。
神経の枝にそって代謝が悪くなったら、痛みなどの不調が出るという考えが、家訓に通じるものがある気がしたので、げんきＤＡＳを使うようになりました。
代謝ってなんだね？
「代謝が不調になると、痛くなるんだよ。」
えだね先生がそう説明すると、伊丹のおばあちゃんは、「代謝って何だね？」と訊きました。
「りんご畑に、スプリンクラーがあるでしょ？あのホースの一つが詰まったら、どうなりますか？」
えだね先生がたとえ話でいいました。
「そのホースがつながったスプリンクラーで水が出ないから、その周りのりんごの木が痛んでしまうよ。」
伊丹のおばあさんが答えます。
「それと一緒です。身体の中も、水が流れ続けてるんです。血液やリンパとか、ぐるぐる流れているんです。それが代謝ですよ。」
「代謝を管理している神経の調子が悪くなると、水が流れなくなって、その周りが痛くなったり、働かなくなったりします。」
代謝をよくする治療
「神経の枝や根もとに治療器を当てるのは、ホースの流れを良くするようなもので、神経にそって水がちゃんと流れるようにするんです。」
えだね先生の説明は、同じ農家の伊丹のおばあちゃんには、とてもわかりやすく感じました。
でも、わからないことがもう一つあります。
「痛いところ、ひざに治療するだけじゃ治らないのかね？」と、えだね先生に訊いてみました。
慢性痛は何が悪い？
「痛いところだけ治療するのは、スプリンクラーを直すのと一緒だからですよ。」
「スプリンクラーだけ壊れたのなら、それでもいいんですけどね。」
「ケガで痛いなら、出血や炎症がひけば治ります。」
「でも、慢性痛って、出血や炎症はないけど痛んだり、なんとなく腫れているけど、いつまでも治らないんです。」
「それは、水の流れが悪くなって、身体の中の栄養が足りなくなったり、汚れがたまったりしたままだからなんです。」
伊丹のおばあちゃんは、若いころのねんざと、今のひざの痛みの違いが、ようやくわかった気がしました。
そして、近所のそこだけ先生は、どうしてこういう治療をしないのか、不思議に思いました。
（2018年08月14日 公開）
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