ACT.96 新世紀の問題 (2001.01.01)

「どうもおめでとうございます」
「いきなりなんだよ」
「新年一発目だから、挨拶してるんじゃないかよ」
「て、お前誰だよ」
「相方に向かって誰だよはないだろ。新年最初からそんなのかよ」
「で、今日は何?」
「今日は何?じゃないだろうが。漫才だよ漫才」
「見るの?」
「見てどうするんだよ。俺らがするの」
「なんで?」
「何でって、俺らは漫才師だろうが」
「そうなの?」
「そうなのって、お前今まで何してたんだよ」
「とまぁ、去年の内容をコピーアンドペーストしたところで始めましょうか」
「楽してんなよ!」
「にしても、まさか2年連続で私たちが登場することになろうとは思いませんでした」
「あ、それはそうだね。前回の結構好評だったらしいよ」
「なのに、まだギャラもらってないんだよなぁ」
「そんな、生々しい話はいいんだよ」
「で、遂に新世紀になっちゃったね」
「そうです。21世紀ですよ」
「俺らが子供だったころなんて、21世紀なんてものすごい未来ってイメージがあったよな」
「それは言えてる。21世紀なんてマンガとかアニメでのイメージしかなくてね」
「だから、ものすごく文明や技術が発達していて、便利な世の中になってるっていう印象が強いんだよな」
「そうそう。車にタイヤは無くなってて、チューブの中を走ってたり、宇宙旅行なんかは普通になってて、ロボットが普通に実用されていたりしてね」
「何、夢見てんだよ。子供かお前は」
「いきなり、現実に引き戻すのかよ!」
「だいたい、お前が言ったのはマンガそのまんまのイメージじゃねぇかよ。もう少し、高尚なイメージとはなかったのかよ」
「高尚といわれても、子供のころはあまりマンガ以外の本とかは読まなかったからなぁ」
「だから、だめなんだよ。その点、俺は昔から本の虫って呼ばれてたからな」
「へぇ、そんなに本を読んでたんだ」
「教科書とか開くと、いろいろな虫が挟まれてて、それを見た友達が指差しながら笑うんだよ」
「それ、単なるいじめじゃねぇかよ!」
「ともかく、本を読むのが好きだったのはほんとの話で」
「それは本当です」
「中でも、源氏物語とか今昔物語とか古事記なんかが好きでね」
「全部古典じゃねぇかよ!新世紀にこれっぽちも絡んでねぇよ」
「新世紀のイメージといえば映画から受けたので強く印象に残ってるのもあるな」
「ああ、2001年宇宙の旅とかだね。あれは名作だったよね」
「俺が強く印象に残ってるのはやっぱり七人の侍だな」
「思いっきり過去が舞台じゃないかよ!」
「何言ってんだよ。黒澤明監督が世界の映画監督に与えた影響はすごかったんだぞ」
「それはそうだけど、21世紀とは関係ないだろう」
「本当にお前は馬鹿だな。その影響を受けた監督が様々な未来を描いた映画を作り上げてるわけだろ」
「それはそうだよ」
「つまり、21世紀は黒沢明監督の世紀だってことだよ」
「だから、何でそこまで話が飛ぶんだよ!」
「それにしても20世紀は大きく世の中が動いた世紀だったよな」
「そうそう。いろいろな分野で大きく技術が進歩した世紀だったね」
「その中でもコンピューターの技術の進歩には本当に目を見張るものがあった」
「それは本当だね。コンピューターがこの世に生まれて高々数十年。特に最近の進歩の速さには正直ついていけないぐらいだよ」
「それはお前が馬鹿だからだ」
「馬鹿とは何だよ!じゃあ、お前はしっかりついていっていると言うのかよ」
「当然じゃないか。コンピューターに関する知識量では俺か森総理かってぐらいだからな」
「って、おい!つっこみづらいボケ言うなよ」
「ともかく、この21世紀もコンピューターが中心となって発展していくのは間違いないな」
「そうだろうね」
「特に処理速度と小型化が進むだろう」
「へぇ、そうなんだ」
「だから、人間の体の中にコンピューターを埋め込むなんてことも普通になるだろうな」
「じゃ何、計算速度とかも速くなって、頭が良くなるのかな」
「お前は発想が貧困だな」
「じゃあ、どういう風に使うんだよ」
「頭の中のコンピューターでメールを打って、別の頭の中に送ることが出来る。つまり、テレパシーが実現できるようになるわけだ」
「となると、携帯電話とかいらなくなるね」
「そうそう。でも、コンピューターだからウィルスとかには気をつけなきゃいけないわけだ。しかも、頭の中にあるから頭痛がしてきたりする」
「あ、なるほど」
「他に、発熱、咳、鼻水、鼻づまりなんかも気をつけなきゃいけないな」
「それじゃあ、風邪のウイルスみたいじゃないかよ!」
「ちなみにこのウィルスにはルルとかベンザなんかのワクチンが効くから」
「ていうか、本当に風邪のウィルスじゃねぇかよ!」
「インターネットもますます生活に密着していくことになるだろうな」
「インターネットの普及もすごかったね。そのおかげでパソコンも一気に普及したってこともあるしね」
「ただ、日本はインフラが整ってないから、そっちの整備がまず先だろうけどな」
「インフラって何だよ」
「お前、本当に馬鹿だな。確かお前もインターネットやってただろ」
「やってるけど、インフラなんて言葉聞いたことないぞ」
「インフラっていうのは、いわゆる基盤のことでな、インターネットではISDNなんかの回線のことを指すわけだよ」
「ほう、さすがよく知ってるね」
「んでだ、日本はそのインフラの整備が甘いから、韓国なんかの他のアジア諸国よりも遅れが見えるわけだよ」
「それはまずいね」
「だからこそ、ここでもワクチンが重要なわけさ」
「なんでだよ」
「インフラの正式名称はインフラエンザだからな」
「んなわけねぇだろ!」
「どちらにしろ、新たな世紀はいい世紀になって欲しいもんだよな」
「それは本当にそうだね」
「というわけで、今世紀もどうぞよろしく」
「よろしくお願いしま〜す」

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