ACT.84 感じたまま送ろう (2000.06.13)

 我ながらよく続いたもんだ。
 これが私の率直な感想である。
 このホームページができて今日6月13日で丸1年が経過し、2年目へと突入した。  実はこの6月13日はこのページをアップロードした日である。実際にYahoo!などに登録をして一般公開をしたのはちょうど1月後の7月13日なので、これを見ている方にしてみたらまだ1年経ってないじゃないかと思われる方もいるかもしれない。いや、そんな熱心な方はいないか。
 ともかく、こうして無事1年という壁を乗り越えられたことに、大いに皆様に感謝である。

 さて、このページを読み物サイトとして立ち上げた際に私はある一つの誓いをたてた。
 それは、必ず毎週1本小説をアップするということ。開設時に9本からスタートしたこのページも、更新日が前後することはあれども、毎週1本づつアップし続け、今現在56本まで増やすことができた。確かに書いたのは自分であるから、その努力を自分で誉めてやりたいという思いはあるが、ただでさえ飽きっぽい私がここまでできたのはも何よりもこのサイトを訪れてくださった皆さんの感想や応援のおかげである。

 私が本格的にこのような創作活動を始めたのはこの場が初めてである。だからこそ、開設当初はあっという間にネタが尽きてしまうのではという不安にいつも襲われていた。実際、ネタがなくて苦しんだことも一度や二度ではない。また、ネタがあっても思うように文章が書けないで苛立ったこともつい最近あったばかりだ。このように、小説を書いている人間として、というかそもそも人間として未熟な私の作品に、時には厳しく、時には優しく、時には暖かく、時には痛烈にと色々な意見を下さった皆様には感謝をいくらしても足りない気がする。我がページにアクセスしてくださった延べ5000名(うち私が500名分)の方には重ねて感謝である。いやいや、礼には及ばないよ。<500人分の回答

 さて、この5000というアクセスだが多いのだろうか?
 まあ、お世辞にも多いとは言えないだろう。はっきり言えば少ない方だと私は思う。まあ、最近になってようやく1日15アクセス以上来ていただけるようにはなったが、以前は10アクセスという大きな壁にぶつかっていたものだ。何せ、私のページは検索サイトにこそ登録しているが(引っ越し先まで登録しているのはYahoo!とJ.O.L.ぐらいなのだが)ほとんど宣伝活動というものをしていない。開設当初にリンクを張って頂いた方々の掲示板やリンク集に頼るのみであった。しかも、最近は新たにリンクに追加するという作業自体おろそかになりつつある。いや、新しいサイトを探す旅はしているのだが、なかなか……などと言い訳をしていてはいけないのだが。
 リンクを貼らせていただいている他の方々のサイトは私なんぞ足元にも及ばないようなアクセスの多い、すばらしいサイトばかりだ。そういうのを見てもっと勉強するべきなのだろうが、たぶん今後も私はこのペースで行くと思う。じわじわ伸びるアクセスカウンターを見て、一人夜中ににやついているのがお似合いなのだ。シクシク。
 そりゃ、こうやって作品を発表している以上、大勢の方に見ていただきたいという欲求はある。しかし、大勢の人に見られることによって、逆に作品を書くという意欲をかき消されてしまうこともあるという。しばしばオンライン作家同士でも話題に出る「感想」という物の存在だ。せっかくなので、以前掲示板に書いたことはあったのだが、感想という物に対する私の意見を改めて書いてみようと思う。

 そもそも作者と読者は決して表裏一体の存在ではない。それぞれが独立した存在だ。  しかし作者に対して、絶対多数を誇る読者という存在は作者にとって、かけがえのない味方であると同時に敵でもあり得るのだ。以前に私の書く他者の作品の感想がきついことばかりだという指摘を受けたことがあった。すべての人間が己の力を過信できる存在でない以上、読者に弱点を突かれた時、作者がダメージを受けないわけがない。だからこそ、きつい感想は嫌われるのだろう。
 プロ相手ならともかく、趣味で書いている人間にまできつい感想を書く必要はないとも言われたことがある。正直これは、甘え以外の何者でもない意見だと私は考える。  そもそも、いいところも見つけてあげずに悪いところばかり指摘するのはいけない行為だ。では、逆にいいところばかり指摘して悪いところには目をつぶるのはいい行為といえるだろうか?当然、いけない行為に決まっている。そんなのは本当に親しい友人とだけやっていればいい。
 どんな人間にも短所と長所があるように、どんな作品にも評価すべき点と酷評すべき点が存在する。しかし、それをきっちりと判断するのは難しい。だからこそ感想を書くのは難しいと言われるのだが、よく考えれば分かるとおり、それぞれが感じた作品に対する長所、短所に真の正解は存在しない。人間にも言えることだが、長所は見方を変えるだけで短所になる。短所もしかりだ。つまり、言い換えれば、酷評した箇所こそ、その作品の最も優れている箇所なのかもしれないのだ。
 考え方の問題だというのはよく分かっている。しかし、創作という行動自体、色々な考え方をするものだ。つまり、創作で柔軟な思考ができるのだから、感想に対しても柔軟に対応できてしかるべきなのだ。
 とここまで書いても、やはりそれを受け入れられない人はいるだろう。さっきも書いたが全ての人間が己の力を過信できない存在ではない。つまり、完成された人間などは存在しないということだ。悪いと言われ、そのことに対してうじうじしてしまうことは決して変なことではない。逆にそれが普通のリアクションだと思う。私も含めて。ただ、それに自分の信念がねじ曲げられてしまっては駄目だということ。
 作品を書いていく以上、読者は決して避けては通れない大事な存在だ。作者は読者を大事にしなければいけないが、へりくだる必要はない。たまには読者に歩み寄る行為も必要だが、手を貸してやる必要はない。
 堅い話をダラダラと書いたが、これが私の作者感、感想感だ。共感してくれる方も、反感をお持ちの方もいることだろう。それこそがこの文章に対する感想だ。どうぞ遠慮なく私に送っていただきたいと思う。
 ちなみに、私のサイトには作品の評価と一緒に感想を送れるフォームがある。ここに感想を書いていただき、さらにメールアドレスも公開していただいた場合は、余程のことがない限り、感想に対するお返事を書かせていただいている。こちらもどうぞよろしく。
 さて、このサイトも2年目となり今後は長めの作品も執筆していきたいと考えている。そういうわけで、毎週新作をアップすると言うことはできなくなると思う。(現に今作と同時にアップしたのは初の連載物だ)
 しかし、最低週一更新はこれからも持続させていくので、お見捨てなきようお願いしたい。これからもどうぞよろしく。

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