柴崎コウ主演の和製ホラー映画。
CMが怖すぎるとのことで、100件以上のクレームがきたそうである。で、映画がつまらなかったっていうクレームはどのくらい来たのだろう?(笑)
まったく予備知識なく映画館に行ったので、冒頭のクレジットで監督三池崇史、原作秋元康の名前を見たときに、愕然とした。この映画で、最も血の気が引いた瞬間だった。
柴崎コウがどうのこうの、っていう話以前の問題の映画。
今、ホラー売れてるから俺も作っちゃおう、という安直さプンプンの、プロデューサー秋元的発想そのまんまの駄作。
内容は解説するまでもないけど、死んだ人からの電話が来るとその人は死んで、またその人から別の携帯に電話が入って、、、という、なんの付加ストーリーも無い小学生レベルの話。
B級ホラーもどきしか撮れない監督の演出力はこの際脇に置くとして(まあ、秋元康の原作を映画化しますなんて監督だから、とても職業的なのかも知れない)、最悪なのは、幽霊になった吹石一恵が言う「私たちの上には空がある(、、、みたいな。覚えて無いよ、こんなもの)」というセリフ。
終了間近、ストーリーに全く関係無く(少なくとも、そうとしか思えない)唐突に出てくるこのセリフは、どういう意味?と思わず首を捻る。
それもそのはず、このセリフは、この映画のエンディング(テーマ)曲『いくつかの空』(歌:柴崎コウ 作詞:秋元康)の伏線なのである。ストーリー上の伏線じゃないんだよ、びっくりしちゃうよね。
映画が先か、曲が先か知らないけど、とにかくこのセリフによって、この映画は曲の宣材になり下がったのだ。そんなレベルのものだから、つまらなくて当然ってことですね。
知らなかったこととはいえ、金を払って宣材を観てしまった僕は、秋元の狡猾な商才にまんまとひっかかってしまったわけである。がっくし。
ところで、この映画、2004年正月に公開されたのだが、桜の咲いているシーンが出てくる。ストーリー的には季節感は関係無いから、おそらく2003年のその時期に撮影されたのだろう。してみてると、公開まで随分月日が経ちすぎ。
あまりにもつまらなくて、オクラ入りになりかけたか? それとも曲の問題か?
(FEB, 2004)
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