UACV(凶悪犯罪分析課)に所属する若き女性捜査官、グラッツィア・ネグロ(ロレンツァ・インドヴィナ)は、大学生ばかりを殺し続けている殺人犯を追っていた。一方、盲目の青年シモン(クラウディオ・サンタマリア)は、趣味の盗聴をしている最中に、殺人犯のチャットする声を聞いてしまう。音を色として感じるシモンは、殺人犯の声を緑色としてとらえていた。
シモンはネグロに協力して殺人犯を見つけ出そうとするが、目前で逃げられ、逆に狂気の殺人犯から狙われてしまうのだった、、、。
デビット・ドナテロ賞(イタリアアカデミー賞)の最優秀新人監督賞を受賞したサスペンス・スリラー。
監督は本作が長編一作目のアレックス・インファセリ。マイケル・ジャクソンやプリンス、ニルヴァーナのプロモーションビデオを作っているだけあって、画作りはなかなか。
でも、それだけ。ストーリーの後半は支離滅裂。編集(もしくは撮影)途中で力尽きたって感じ。この話、解決したのかさえも分からない。
意味あり気なラストの殺人犯の表情のアップ。でも、全然理解できませんでした。さらにその犯人の顔から延々とクレーンを引いていくカットで、撮影しているスタッフが写るのは、何の意味があるのでしょうか?
この作品、原作がある。タイトルの「オールモスト・ブルー」は、シモンが知覚する、女性捜査官ネグロの声の色。青がもっとも安心できる色らしい。おそらく原作では、シモンとネグロの感情の動きが主題のひとつになっている気がするが、映画ではほとんど感じられない。
映像美に溺れて、ストーリーやキャラクターの心の動きの描写などを全く重視していない作品。
(DEC 04, 2002)
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