角膜手術を受け視力を取り戻したマン(アンジェリカ・リー)は、たびたび奇妙な人影を見るようになった。それが幽霊だと知った彼女は、若き心理療法士とともに、角膜提供者の秘密を求めてタイを訪れる、、、。
上映中ですが、東京でさえ単館ロードショー。地方の方はしばらく(ビデオ化まで)観れないですね。
あまりの怖さに試写会では途中退場者が続々、なんて前評判がありましたが、、、。
『リング(1998)』+『回路(2001)』+『シックス・センス(1999)』+『プロフェシー(2002)』+「 愛」ってな感じでしょうか。
前半の、移植手術直後のぼやけた視点での幽霊は、なかなかいいんですけど(『回路』(監督黒沢清)の影響かな)、視力がはっきりしてくるにつれ、「ああ、中国らしい幽霊だ」と怖くなくなってしまいます。
もっともこの映画、後半は「怖さ」ではなく「愛」がテーマになってしまいますんで、監督サイドとしてはそれで構わないんでしょうが。
それにしても、前半はやたらに音がうるさい。突然でかい音がすれば、びっくりするのは当り前。どうもスプラッタ以降、映像でじわじわ恐怖をもりたてるよりも、音で驚かすっていう安直手法が蔓延している感じ。
多少は許してもいいけど、「びっくりする」と「怖い」は違うということを認識してほしいな。
角膜移植で幽霊が見えるようになったくせに幽霊の声まで聞こえる、幽霊観が統一されてない、黒タイツの死神(苦笑)はやめてほしい、などなど、いろいろありますが、スプラッタホラーを観るよりは、はるかにマシってとこでしょうか。
たぶんビデオよりは映画館で観た方がいい映画だとは思うけど、地方回るかなあ。
監督、オキサイド&ダニー・パン兄弟。
トム・クルーズがリメイク権を買ったそうですが、どうなるのかなあ。
(APL 05, 2003)
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