露出シンドローム
放射朗
 1 痴漢電車

 あたし、満員電車に乗ったら必ずといっていいほど痴漢にあうんです。
 実は今も汗をかいた男の手の平がじんわりとあたしの太腿を触って、ゆっくりミ
ニスカートの中に潜り込もうとしています。薄い布切れ一枚で防護された一番敏感
な部分に、その指がちらりと触りました。

 この人痴漢です!って言って手首を思い切りひねり上げたらどんな顔するのかし
ら。焦って逃げるのかな。それとも知らぬ存ぜぬ押し通すのかな。
 あたしの右斜め後ろに立ってるその男の顔は見えないけど、触り方でなんとなく
感じが想像できます。こんなふうに下の方からじわじわ責めてくるのはクロブチめ
がねをかけた一見銀行員風のお堅いサラリーマンタイプです。きっと。

 ナンパなタイプはもっと単刀直入にお尻を触ってくるものなんです。
 あたしの降りる駅はまだまだ先。それまでこの痴漢と付き合わなければならな
いから約二十分間のHな時間。
 高校生の時は自転車通学だったから、痴漢にあうようになったのは高校卒業した
この春からです。
 大学行くほど頭もよくなかったので、今はハンバーガーショップでバイトしなが
ら花嫁修業中なんです。
 おとなしく、されるがままのあたしに、さらに痴漢は積極的に触りだしました。
 下着の端から指を差し入れて、多分すでに潤っているあたしの亀裂を優しく刺激
してきました。
 実はあたしすごくエッチが好きで、痴漢にあうのもそれほど嫌いじゃないんです。
 電車の細かい振動と大きなゆれに身を任せながら、痴漢の愛撫を受けていると、
彼氏とのエッチでは到達できなかった深い快感が得られるときがあるんです。
 多分こんなところで痴漢なんかに感じさせられている、という恥ずかしい気持ち
が絶妙なスパイスになってるんだと思うんですけど、頭悪いから詳しい事はわかり
ません。
 ゆるゆると触っていた痴漢の指が、ずぶりと奥まで入ってきました。
 押し合いへし合いの満員電車だからいいけど、少しでもすいた電車だったら、立
ってられなくて座り込んじゃうくらい、ぐっと感じちゃいました。

 痴漢にも、うまい人と下手な人がいるんですよね。
 下手な人、というか無神経な人は単に自分が満足するために触りまくるだけだけ
ど、上手な人は自分の欲求よりも、相手を感じさせることに喜びを見出してる感じ
で、こっちが料金払わないといけないんじゃないかと思うくらい最高に気持ちよく
してくれるんです。
 多分中指でしょう、痴漢の指があたしのとろとろになった中心をこねまわし、別
の指がお尻の穴をつんつんつついてきました。
 すごくいい気持ち。クリトリスもねっとりとした指使いでコネコネされて膝の力
が思わず抜けてきそうです。
 その痴漢。今度はあたしのパンティをずるずるとずり下げだしました。
 膝上二十センチのミニスカートの裾からもう少しで見えちゃいそうです。
 自分でずりあげようにも両手はつり革を握っているのでどうする事もで来ません。
 左手を下ろそうとしても、ぎちぎちに詰め込まれた電車の中では自分の腕も下ろ
せないんです。

 大き目のあたしのお尻から白いレースのパンティがずり落ちるのは時間の問題で
す。戦利品にするつもりかしら。うーん、でも今からバイトに行くのにノーパンじ
ゃ困ります。触るのは許してあげるけどパンティまで持っていかれるのはまずいで
す。
 あたしはその痴漢に触られだして初めて拒否の意思を示すつもりで、お尻を揺ら
しました。身体をねじってその男の手を遠ざけるようにしました。
 あたしに密着している別の男性が不審な顔をしてこっちを見ました。
 背広を着たサラリーマンです。片手に持ったスポーツ新聞を見ていた目があたし
を見てさらに下に視線を移しました。
 その目が少しだけ大きく開かれたのは、きっとあたしのずり落ちたパンティを見
つけたからです。
 すぐにその男は新聞を持った手を器用にずり下げて、あたしの方に伸ばしてきま
した。あたしが動いたから、最初の痴漢は右の方にいたのが今は正面になって、そ
の男はあたしの左側に立っています。
 その男の手がお尻をもんで来ました。ミニスカートはまくれ上がりお尻は丸出し
状態です。最初の痴漢はあたしの正面から右手で亀裂をまさぐり、後から参加した
男がお尻を揉んでます。電車が振動するたびに少しづづ下がって、パンティはとう
とう膝まで落ちてしまいました。
 後からの男があたしのスカートを持ち上げました。
 むっちりしっとりしたあたしのお気に入りのかわいいお尻は周囲の人々の衣服で
擦られています。他の人に気づかれないように。それだけ思っていました。
 最初の痴漢は上手だったのに、後からの男は自分が興奮するばかりで力が強くて
痛いだけでした。
 最初の痴漢も、その男が加わった事に気づいています。二人の痴漢は今では連携
プレーをするようにパートを分けてあたしの感じる部分を刺激しはじめました。
 指を入れられ、クリトリスを擦り上げられ、そして別の男にはお尻と胸をもまれ
て、声を漏らさないようにするのがやっとでした。
 いったんお尻を揉む手が離れたかと思っていると、何か棒状のものがお尻の穴に
押し付けられました。
 ひい、お尻の穴は駄目です。裂けちゃうもん。
 後からの男がチャックを開いて自分の固くなった棒を、あたしのお尻に挿入しよ
うとしていました。あたしはお尻をねじって逃げました。
 周囲にばれたら恥ずかしいから必要最小限の動きしか出来ません。
 後ろの男は今度は腰をぐっとしたから突き上げるようにして、あたしの前を狙い
始めました。
 あたしの中に入っていた痴漢の指がぬるりと出て行って、男のペニスを招きいれ
ようとしています。あたしは必死に腰を前にやるようにして逃げていたけど、最初
の痴漢に腰をつかまれて、お尻を後ろに突き出すようにさせられました。
 満員電車の中だから、ほんの少しだけど、突き出した拍子に後ろの男のペニスが
あたしの亀裂をなぞりました。
 
 うん。あ……いやだ。
 前の男がそのペニスを握って、あたしの中に導きいれます。
 キンキンにいきり立った熱い物が割れ目を押し開けてずるりと入ってきました。
 いや、いやだ。気持ちよすぎる。
 こんな所で気持ちよくされて、腰が砕けてしまいそう。
 入ってきた男のものはしばらく動かずにじっとしています。
 動かしたいのは山々なんでしょうが、場所が場所だけに動けないんです。
 あたしは自分からお尻を後ろの男に押し付けて、より深く入ってくるようにしま
した。子宮口をつんつん突くくらいに。そしてじわじわとお尻を動かしてやりまし
た。前の男は相変わらずクリトリスを人差し指で回すように擦りつづけています。
 
 もう駄目。いってしまう。ふうって感じで身体が浮き上がるみたいでした。
 思わず爪先立ちになって体が伸びきってしまいます。
 次の瞬間、あたしは前の男にしがみついて、後ろの男はすぐに出て行きました。
 あたしのお尻の穴めがけて熱い水鉄砲の玉みたいな、男の精液がかかってきまし
た。

 アナウンスが聞こえてきて電車がゆっくりと速度を落としています。
 余韻に浸る間もなく大勢の人の流れに揉まれて、あたしも電車を降りました。
 足首まで落ちていたパンティは、そのままでは歩けないので、仕方なく脱ぎ捨て
てきました。
 大勢の人ごみに揉まれて電車を降りる時も、何人かの人にあたしの丸出しのお
尻を見られてしまいました。
 あたしはそんな視線をお尻に感じながら、大急ぎでトイレに向かって走りました。



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