調教倶楽部

 


「じゃあ、早速で悪いんだけど、目隠ししていい?」
 服を脱いで裸になった後、タオルを用意しながら聞くと、意外そうに耕平が聞き返して
きた。
「はあ?目隠し?そんなんで何すんの?」
 やはり耕平はあまりエッチの経験というか知識は無いようだ。
 SMの事もあまり知らないみたい。
「予想外の刺激が胸にきゅんと来るものなのよ。それは女の子でもおんなじだから、一度
自分で体験してみて、よかったら今度付き合う女の子にもしてみるといいよ」
「今度付合う子っていわれてもなあ」
「あたしとこのまま結婚なんていうのも考えてないでしょ。若いんだからいろいろやって
見なきゃ」
「なんか、意外だな。弓って俺の事そんなふうに思ってたんだ。でもわかった。男に二言
はないから言われたとおりする」
 耕平がベッドの上で胡座をかいたまま目を閉じた。
 タオルをぐるりと巻いて目隠しする。
 男に二言はないか。
 ことさら自分の男性性を強調するのは、逆に自信のなさの現われだ。
 自信のある男性はそんな事言わないもの。

「じゃあ寝転がって」
「目が見えないとなんか変な感じだよな」
 言いながら身体を横たえた。
 本当はここから手足の自由を奪いたいところだけど、焦って失敗はしたくない。
「じゃあ行くよ。別に痛い事はしないけど、いやだったら言ってね」
「了解」
 
 私は耕平の裸の胸にキスをして、舌をゆっくりずらしていく。
 ピンととがった左の乳首を口に含んで舌でころころ転がしてやる。
 耕平が大きく息を吸うのがわかった。
 心臓が私の唇の下で振幅を速めている。片方の乳首を指でもてあそんであげる。
 視線を下げると、耕平のものはすっかり元気になりおへそのあたりまで達してる。
 それが時折ぴくんぴくんとまるで生き物みたいに跳ねる。
 刺激を受けたくて『辛抱たまらん』のそれをわざと無視して乳首責めを続ける。
 耕平の手が泳ぐように伸びてきて、私の胸を触ってくる。
「駄目よ。耕平は寝たままでいて。我慢できなくなって私に触ったら負けだからね」
 手を払うと耕平は不満の声を上げた。
「なんだよ、何の勝負なわけ?」
「セックス勝負よ。最後に射精するまであたしに触らないでいられたら耕平の勝ち。我慢
できずに触ったら負けってこと」
「それで、負けたらどうなるわけ?」
「うーんそうだな。負けたらお仕置きかな」
「どんなお仕置き?」
「それは負けた時のお楽しみね。最初から負ける気になられても困るから教えない」
「なにそれ。お仕置きって気持ちい事みたいじゃん」
「多分気持ちいいと思うけど、人によるかな」
 かなりやばい事言ってるなんて自分でも思ってたけど、耕平は無邪気に遊ぶ子供みたい
に疑いの気持ちも持たないみたい。
「じゃあ想像しながら楽しむ事にするかな」
 耕平が両手を万歳して力を抜いた。

 いったん胸から顔を上げて、毛の生えた耕平のわきに口を寄せていく。
 胸の横からわきにかけてぺろぺろ舐めてやると、耕平は身もだえして声を出した。
「くすぐったいよ。そこは勘弁してくれ、一気に変な気がなくなってきそ」
 くすぐったいのは性感が敏感な場所だからだ。
 止めずに続けながら、私は耕平のいくらかなえたものを握った。
「おっとそう来るか」
 待ってましたって感じ。
 先端からにじみ出ている液を手のひらにとって、ゆっくりしごく様にする。
「くー、いいねえ、それだよそれ」
 言葉を発し続けるのは快感に身を任せてしまう事の恐怖感から来る。
 ほとんど負けを予感してる証拠だ。
 私はこすっていた手に加えて左手で亀頭を包み込む。
 こねるように亀頭を刺激していく。
 唇は再び左の乳首に。
 う、っと言う声が漏れた。

「ちょっと足を開いてくれる」
 私は耕平の左側から足の間に身体を滑らせる。
 見下ろす彼の身体は、万歳してるから軽くあばらが浮いた状態。
 やせてはいないがシャープな体つきだ。
 身体を丸めるようにして、私は耕平のおへそに舌をもぐりこませた。
 こすっていた手を止めて、亀頭攻めだけに切り替える。
 耕平の息が荒くなっている。発射したくて堪らないはずだ。
 続けていると、耕平の身体が小刻みにぴくつきはじめた。
 射精の予感。

 そろそろいいかな。
 私も興奮してきちゃった。
 耕平のものを放して、私は身体を起こした。
「耕平、私のも舐めてくれる?」
「もちろんいいよ。勝負は終わり?弓も我慢できなくなったんだろ」
「勝負はまだだよ。後の質問はあたり。動かないでね」
 私は耕平の顔をまたぐと、耕平のお腹の横に手をつくようにして腰を下ろした。
 私のお尻が耕平の顔にかぶさっていく。
 でもまだ着地はしない。
 中腰になったまま、耕平のものを咥えて舌を絡める。
「耕平もあたしのを舐めて」
 言った後、耕平の顔の上にお尻をぴったり乗せる。
 横向きのシックスナインは昨日したけど、顔をまたぐのは初めて。
 嫌がられるかと思ったけど、すっかり興奮してしまった耕平は素直に舌を出して私の中
を舐め始めた。
 最初は軽く密着させていたお尻に徐々に体重を預けていく。
 ちょうど私のお尻の穴が耕平の鼻に当たっている。
 このまま少しお尻をずらせば耕平は息ができなくなるだろう。今でも少し苦しいみたい
だ。
 鼻息が私のお尻の谷間をひゅうひゅうと抜けていく。
 私の口の中の物がぐぐっと力を増して膨張した。
 私はすばやく口を離して耕平に体重をかける。
 むぐっとうめきを漏らして耕平が身体をひねる。
 体重をかけて私は逃さない。
 耕平の手が下りてくる瞬間、私は腰を浮かせて上げた。
「ぷはー。弓ってさ、感じてるのはわかるけど、俺も人間だからな。息ができないと死ん
じゃうわけで、その辺わかってくれよ」
 あまり不機嫌にはなっていないみたい。
「ごめん、じゃあ少し身体下ろしてくれる?前向きにまたがらせて。それなら鼻がふさが
る事ないから」
 お願いすると、しぶしぶという感じで身体をベッドの下のほうにずらした。
 再び耕平の顔をまたぐ。
 まだ目隠しはしたままだから、顔にまたがられて見下ろされるという、この刺激的かつ
屈辱的な光景は見られないのよね。
 こんな状態を好む男は多いけど、それは十分に成熟した男たちだ。
 まだ子供に近い耕平にとっては抵抗があるだろう。
 そのまま、ベッドの柵を握ってお尻を落としていく。
 耕平の口の上に私の一番敏感な部分を押し付けて、次第に体重をかけていく。
 太腿で頭を挟んで、がっちりと顔にまたがった。
 耕平は舌を出して私の濡れ濡れになった場所を味わっている。
 振り向くと、怒張した耕平の棒がおへその辺りまで伸びてひくついていた。
 私は左手を回して耕平の乳首をまさぐる。
 軽くひねったり優しくもんだり。
 んーと言ううめき声が私のお尻の下から聞こえてきた。
 乳首をもてあそんでいた手を離して、わき腹を指で軽くこすりあげると、とうとう耕平
は私を押しのけた。
 ベッドの横に寝転んだ私に、耕平は覆いかぶさってくる。
 目隠しもすばやくはずして、血走った目で私を見つめていた。
「負けを認めるの?」
「仕方ない。認めるよ。これでいいだろ」
 言うが早いか怒張した棒を私の股間に押し付けてきた。
 熱い先端が私を押し広げて一気に奥まで入ってくる。
 一瞬まずいと思った。
 避妊具つけてないし、外出しできるくらいの余裕が感じられなかったから。
 耕平は数回私の中に突き入れた後、すぐに上り詰めた。
 腰を反らして私の中に熱いしぶきを放ったのだ。




 NEXT