HOTH PRESS 
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 復刻「ホスプレス創刊号」 
 Mystery of “Life Pod”  その知られざる事実と謎
 
 

 Life Pod−それは多くの謎を持ったメカである。この度、このLife Podについて新たなる事実が発見された。この機会にLife Podについて徹底追及してみることにした。それではまず、Life Pod(以下LP)についての謎、疑問点や矛盾について箇条書きにしてみよう。

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図1

  1. LPはブロッケード・ランナーのどこから発射されたのか。
  2. LPの内部に窓があったが、これは矛盾している。
  3. ブロッケード・ランナーから発射されたLPと、タトウィーンに着陸したLPは別物である。
  4. 着陸したLPは、ロングショットとアップで形が違っている。
  5. あのように小型で軽装備のものが大気圏に突入、そのまま地表に激突してLP内の乗員は無事なのか。また、その割に着陸したLPの砂へのめり込み具合が少ない。


 このように5点に絞ることができる。それでは、一つ一つの事実関係をあきらかにするとともに考察を加えていこう。

 1.LPがブロッケード・ランナーのどこから発射されたのか−この点について映画のそのシーン (図1)を見ると、既にLPは発射された後でしかもブロッケード・ランナーは小さく、画面もくらいため確認することは無理と思われる。ところで、この問題について興味深い説がある。それは、スター・ウォーズ・ファンクラブとして名高い『リトル・ファルコン』(会長岡本久美氏)の会報『トーン・トーン・トラックス』−1982年4月号(通巻17号)−に掲載されたジン・アンティルス氏の「SW新しき発見・PARTU」なる記事である。氏の説は、「LPはブロッケード・ランナーの図2の部分から発射されたのではないか。」というものである。確かに、突起部が4つあるにもかかわらずそこについている樽状の物体は2つしか残っていない。これはどう見ても不自然である。そして、この樽状の物体はLPを横から見た図(図3)の上部と酷似しているのだ。また、LPは図1のように、ブロッケード・ランナーがスター・デストロイヤーに捕獲された状態で発射されたのだから、あの初速(かなりの速度があった)から見てブロッケード・ランナーの下部から発射されたことは間違いないと思われる。この様なことから、ジン・アンティルス氏の説が有力と思われる。

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図2 BLOCKADE RUNNER

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図3


 2.LPが発射された直後、R2と3POが窓からスター・デストロイヤーを見ていた(図4)。この窓は、大きさが約30cm程で、一見、外部の景色を直接見るためのものと考えてしまう。しかし、本当にこの窓は存在しているのだろうか。その答えは、否、である。この窓は存在しないのである。正確にいえば、外部と直接つながった窓はない、ということになる。なぜなら、R2と3POが見ていたあの窓にスター・デストロイヤーが写っていたからなのである(図5)。この様に言っただけでは、諸君にピンとこないだろう。そこで図6を見て欲しい。つまり、スター・デストロイヤーに捕らえられているブロッケード・ランナーから発射されたLPは、間違いなくスター・デストロイヤーにおしりを見せて飛んでいたのだ。LPの後部はエンジンでかためられており、R2や3POの入る余地はないのである。だから、あの窓があるとしたらこのエンジン部になければならないことになる。では、あの窓は何だったのであろうか。多分、後部エンジン付近に取り付けられたカメラからの画像をあの窓状スクリーンに写しだしていたのだろう。また、カメラの位置として考えられるのが、図3のLPの後部についているラッパ状の筒の内部だ。これはエンジンの排気口が近くにあるために熱の影響を受けないためのものと思われる。しかし、これを補助エンジンの排気口と考えることもでき、安易に断定することはできない。


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図4


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図5


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図6



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図7

 3.LPの大きさには矛盾がある。まず、R2と3POが内部にいるシーン(図4)を見ると、最初に発射された時点でのLPは、最低でも3POの身長の大きさはあることになる。しかし、図7のタトウィーンに着陸したLPは、側にいるストーム・トルーパーと比較して非常に小型であることがわかる。ここで正確な数値を求めてみよう。まず。LPの大きさを求めてみよう。スター・デストロイヤーのaの部分の長さ(図8)は、486.5m(ブルー・プリントより)。それより、bの引き込み口の長さは約48mとなる。そして、bの長さからブロッケード・ランナーのcの長さは、約40メートルとなる。そして、図9からLPの直径は約2.5mとなる(この長さを出すための比の出しかたは、前出の宇津原氏の説を使用した)。しかし、ブロッケード・ランナーとLPの比を出すために必要な、ブロッケード・ランナーのブルー・プリントがないため、LPの直径、2.5mという値は正確であるとはいえず、1.5〜3.0mの間に正確な値があると思われる。が、タトウィーンに着陸したLPの直径、1mにはならない。又、最初にR2と3POがLPに入った時、入り口はエア・ロック状のものだった(図10)が、タトウィーンに着陸したLPは前部のフタ状の部分からでるようになっており、(図7)この点でも2つのLPの存在を指摘できる。
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 4.この問題については、バンダイ出版事業部からだされた「スター・ウォーズ−特撮の秘密」に詳しい。P30(図7)と、P27のLPとを比較してみて欲しい。P27のLPはかなり小さくわかりにくいのではっきり識別できないかもしれない。そこでP27のLPをイラストにして拡大したのが図11である。図7と図11の比較ではっきりしたと思うが、見慣れた図7のLPに比べ図11のLPはアポロ宇宙船の地球帰還用のものによく似ている。この違いがいったいどんな理由(もちろん撮影上の)によるものかはわかっていない。もし、この問題について詳細をお知りの方があれば、本誌編集部まで御一報を下されたい。 lifepod_tab10.gif (2143 バイト)

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図11のもとの写真

 
 5.この点については、何の資料ももないためあくまでも推測と仮定によって話を進めてゆくことをまずお断りしておく。
 確かに、大気圏突入後何の操作も加えられないまま着陸したならば、あの程度のめり込み具合ではすまなかったはずだ。では、LPはどのような操作を行って着陸したのだろうか。ここで、前出の「3」の事実と考え合わせて1つのケースを想定してみた。それは、いままでの矛盾がすべてうまくゆくような仮説にもなっている。
 まず、前述のようにLPはタトウィーンに着陸したものと、ブロッケード・ランナーから発射された直後のLP、以上の2つのサイズがあることがわかった。その点から、ブロッケード・ランナーから発射された直後の、サイズの大きいLPの中に小型のLPが格納されていたと仮定してみた。そして大型のLPのの中の小型のLPは逆向きに格納されている(図12)。LPは大気圏突入に耐えうるだけの構造を持たねばならない。そこで、一番外側の大型のLPで大気圏に突入。そして、突入後高温になった外側のLPをぬぎすてる(その構造が二重、三重になっていてもかまわない)。むろん、この間に乗組員は着陸用のLPに乗り移っていなければならない。その後、着陸用LPで地表近くまで行き、そこで逆噴射を開始する。そして、スピードを殺して下向きの加速度がほぼ0になった時点で逆噴射をゆるめながら、重力と均衡がとれるように徐々に高度を落として行く。ここでLPに備えられたコンピューターは加速度が0になる地点を極力、地表近くにすることが必要となる。この方法で着陸すると、大気圏突入後何の操作もなしに着陸する場合より、数十倍ショックは軽くなるはずだ。
 以上の着陸の過程について説明をした図が図13である。

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図12

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 このように考えると、「3、5、6」の疑問点や矛盾点はだいたい解決できるだろう。

  ところで、タトウィーンに着陸したLPと、発射直後のLP(図3)の上部が酷似しているため、タトウィーンに着陸したLPは発射直後のLP上部が後部を切り離した物ではないかと考える人がいるだろう。しかし、そそのように考えると大きさの比が合わなくなるのでこの仮説にはうなずけない。