イオピーを返却した几帳面なクワイ=ガン |
ワトーとの賭けに勝ったクワイ=ガンは、ハイパードライブの部品を手に入れて、それをオビ=ワンのいるロイヤル・スターシップまで運ぶ。その時クワイ=ガンは、二匹のイオピー(ラクダのような生物)を連れていた。しかし、モス=エスパの街に戻り、アナキンを引き取って、再びロイヤル・スターシップに戻ってくる時には、イオピーを連れていない。二人は、砂漠を歩いて戻ってきた。 クワイ=ガンの連れていたイオピーは、どこに行ったのか。もし、クワイ=ガンとアナキンが、イオピーで急いで戻れば、ダース・モールの急襲を受けなかったかもしれない。 クワイ=ガンが連れていたイオピーは、借り物の可能性がある。ポッド・レースのガレージにやって来る時、クワイ=ガンとアナキンとパドメ、シミとキッスターは、それぞれ二匹のイオピーに乗ってくる。単純に考えれば、この時の二匹のイオピーとクワイ=ガンが連れていた二匹のイオピーは同じものいうことになる。同じ日に別々な四匹のイオピーを彼らが連れていたとき考えにくい。そして、この二匹のイオピーは、奴隷であるシミやアナキンの所有物とも考えにくい。 また、この二匹のイオピーはワトーの所有物で、クワイ=ガンに対して反抗心を丸出しにしていたワトーが、クワイ=ガンたち一行に貸したとも考えにくい。 とすると、このこのイオピーは、クワイ=ガンがどこかから、一日のレンタルで借りたものであることが推定される。前日には、イオピーに乗っていたわけでないから、このポッド・レースの朝に借りたということになる。 |
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では、何のために、イオピーを借りたのか。アナキンたちが、ポッド・レースのガレージに到着したとき、クワイ=ガンは既に到着していたから、クワイ=ガンは歩いてガレージまで来たと言う事になる。クワイ=ガンが歩いて来たということは、アナキンの家からポッド・レース場は著しく遠いということはないだろう。したがって、アナキンの家から、ポッド・レース場までタクシー代わりに、イオピーを借りたということでもない。 となるとクワイ=ガンは、なぜイオピーを借りたのか。そうなると消去法でも、ハイパードライブの部品を運ぶためとしか考えられなくなる。実際、ハイパードライブの部品は、イオピー二匹を使わないと運べないほど、大きくて重いものだった。すなわち、クワイ=ガンは、アナキンがレースで優勝することを確信していたことになる。 |
本当であれば、優勝が確定してから、荷物を運ぶためにイオピーが必要となり、その時レンタルするはずである。しかし、アナキンがレースで優勝することを確信していたクワイ=ガンは、どうせ必要になるからという理由で、その日の朝からイオピーを借りたということになる。それは、レーサーのパイロットであるアナキンの負担をできるだけ軽くし、疲れさせないでベストコンディションでレースにのぞんでほしいという配慮もあっただろう。 賭けに負けたワトーはクワイ=ガンに、「汚いぞ。あの子が勝つと知っていたな?」と言うが、このセリフはまんざらはずれてはいない。クワイ=ガンは、フォースの未来予知能力によって、レースに優勝することを確信していたのである。 シミやパドメやC-3POたちは、レースの最中、アナキンがどうなるのか、ハラハラして観戦していたが、クワイ=ガンだけは全く不安な表情は見せず、どっしりとかまえていた。やはり、クワイ=ガンは、アナキンの勝利を知っていたとしか思えない。 もし、クワイ=ガンが金に余裕があれば、イオピー二匹を買ってしまうということもできたのだろうが、レース前でお金はほとんどなく、共和国通貨が使えないクワイ=ガンたちにとって、イオピーを一日レンタルするのが精一杯だったか。結局、律儀なクワイ=ガンは、アナキンを連れにモス=エスパに戻ったとき、レンタルしていたイオピーを、返却したのだろう。そうでなければ、ロイヤル・スターシップまでイオピーに乗って帰るはずであるから。 |
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類似の問題として、アナキンの家の裏にあったポッドを、どうやってレース場まで運んだのかという疑問も生じる。レース場内で、バンサがレーサーを運搬していたことから、バンサなどのの大動物を使って、レース場に運んだのだろうか。そうすと、バンサをレンタルするついでに、イオピーをレンタルしたということか。 アナキンがレース場に着いた時、クワイ=ガンはすでにガレージにいた。そして、この時、アナキンのポッド・レーサーもすでに、ガレージに運びこまれていた。そうすると、クワイ=ガンが、直々にレーサーを運んだ(多分バンサを借りて)、または誰かに指示してレーサーを運ばせたということになるだろう。 いずれにせよ、アナキンに運ばせないで、クワイ=ガンが運んだということは、やはりアナキンの負担を軽減してやろうという、クワイ=ガンの思いやりをそこに見ることができる。 映画のシーンの間での、各キャラクターの行動を想像することは、実に楽しい。映画で格好良かれる各キャラクターの意外な一面が浮かび上がってくる。 |