通商連合の頭飾りが示すもの |
高位のニモーディァンたちは、長いローブに頭飾りという衣装を決まって身につけている。その頭飾りを注意して見てみよう。 ヌート・ガンレイは、三本角の頭飾り。ルーン・ハーコは、三角と円形を組み合わせた形の頭飾り。ドファインは突起のある細い釣鐘型の頭飾り。ロッド・トッドは、縦に長い楕円形の頭飾り。トッドの側近は、それよりやや小さい扇子形の頭飾り。ドロイド指令船のパイロットは、小さい釣鐘型の頭飾りである。 ニモーディアンたちによって、その頭飾りの形と色は異なっているし、高位のニモーディアンほど大きな頭飾りをつけていることが分かる。同じ頭飾りをつけているのは、ドロイド指令船のパイロットの数人であり、彼らは同じ階級であるから、同じ頭飾りなのである。 ニモーディアンの頭飾りは、階級章の代用と考えられる。大きさ、形、色によって種々の階級を示しているのである。 |
![]() 総督ヌート・ガンレイ 三本角の頭飾りは、最高位を示す |
![]() 総督代理 ルーン・ハーコ 円形と三角を組み合わせた頭飾り |
![]() バトルドロイド指令船艦長ドファイン 突起のある細い 釣鐘型の頭飾り |
![]() ロット・トッド議員 通商連合を代表する元老院議員 縦に長い楕円形の頭飾り |
![]() バトルドロイド指令船 パイロット テイ・ハウ 小さい釣鐘型の 頭飾り |
![]() ロット・トッドの側近 突起のある小さい 扇子形の頭飾り |
![]() ロット・トッドの側近 小さい扇子形の 頭飾り |
スター・ウォーズの小道具へのこだわりが、こんなところに現れている。 |
ダイスの賭けに負けたワトーの怒り |
ポッド・レースの開始前、クワイ=ガンは賭け好きのワトーに対して勝負を申し出る。アナキンが負ければ、レースに使ったポッドを。アナキンが勝てば、アナキンとシミの二人の奴隷をもらうという賭けである。しかしワトーは、ポッド・レーサー一台と奴隷二人とでは、つりあわないと言い、シミ一人だけなら良いという。どうしてもアナキンが欲しいと食い下がるクワイ=ガンに対して、ワトーは勝負を提案する。カラー・ダイスで赤が出ればシミを、青が出ればアナキンを提供するというものである。 ワトーはダイスをふる。ワトーに気付かれないよう、ダイスに手をかざし、フォースによって青を出すクワイ=ガン。この時、ダイスの賭けに負けたワトーは、露骨に怒りを表明する。しかし、このワトーのリアクションは、少しおかしい。怒るくらいなら最初からダイスによる勝負を提案しなければよかったのだから。しかし、この些細なやりとりには、実は深い心理的駆け引きが存在していた。 カラー・ダイスに関する設定がある。右のチャンス・キューブに関する設定を読むと、このタイスは常に赤が出るダイスであると書かれている。ワトーはいかさまを使ったのだ。 ワトーは、ポッド・レーサー一台とシミ・スカイウォーカーを賭ける条件は、悪くないと考えたが、ポッド・レーサー一台と人間でただ一人のパイロットであるアナキンを賭けるのは条件として不利であると考えた。かといって、賭け自体がチャラになってしまうのは、望ましくない。さらに、鼻持ちならないクワイ=ガンに対して、ワトーは決して好意を抱いていなかったし、彼をギャフンと言わせるチャンスを狙っていた。ワトーはいかさまダイスを使って、自分にとって条件の良い賭けを成立させるとともに、気に入らないクワイ=ガンの鼻をあかしてやろうと考えた。そこでわざわざ、ダイスによる勝負を申し出たのである。 しかし、フォースを使ったクワイ=ガンの方が一枚上手であった。赤が出るはずのダイスは青が出て、アナキンが賭けの対象になった。ワトーの思惑は、二つとも消え去った。逆に、クワイ=ガンに面子をつぶされる結果となった。従って、ワトーは露骨に怒りと悔しさを表明していたのである。 劇中にはいかさまであったと説明はない。しかし、ドラマの表面に上らない微妙な心理的駆け引きが描かれていた。そして、金にがめついくせに、ちょっとマヌケなワトーというキャラクターがより深く描写されていた。 |
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ワトーの羽ばたきが示すワトーの感情 |
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