クラシック以外


2021.12.11 コットンクラブ (東京)
To Love Again 〜SNOWFLAKES〜 YOKO MINAMINO
南野陽子 (vo)
エルトン永田 (p), 加藤JOE (vln), 角田順 (g)
長岡道夫 (b), 島村英二 (ds), 田代修二 (key)
増渕東 (manipulator), 萩田光雄 (sound producer)

 コットンクラブに来るのは4年半ぶりです。南野陽子さんはバリバリの現役アイドル時代に特に追っかけていたわけではないものの、10年ほど前にきっかけは忘れましたがYouTubeで新旧の動画を探しては観るのが突如マイブームになってしまい、40代(当時)になっても驚異的な美貌とアイドル時代から変わらぬ愛嬌にすっかり魅せられてしまいました。しかしながら、ライブのコンサートはほとんどやってないようなので、実物を見れる機会が来ようとは夢にも思いませんでした。というわけで、10月に広告を見て、こいつだけは逃すまいと、発売日は出先にも関わらず気合を入れて何とかチケットをゲット。まあ取れたから良かったものの、コットンクラブはただでさえ座席数が少ないうえに、コロナ対策で間隔を開けた配席になっているので、12時からの販売開始で5分後には4公演全席完売という予想通りの超激戦でした。同じコットンクラブで5年前の原田知世のコンサートが、同じく瞬殺でチケット取れずだいぶ落胆したのですが、今回はリベンジです。
 以前と違い、コロナ対策でフロアテーブル席も全席指定になっているので開場前に早くから並ぶ必要はなくなりました。チケットを取る際は通信環境のせいで売り切れギリギリの攻防だったので、最終的な配席が心配だったのですが、非常に至近距離の席だったのでラッキーです。待ちに待った生ナンノは、エレガントなロングドレスに身を包み、54歳になってもアイドルの瞳がキラキラ光ってます!さすがに40代のころからはイメチェンして、「半沢直樹」シーズン2のIT会社副社長(悪役)のごとく歳相応の貫禄がついたのが(スタイルは変わらず完璧なプロポーションでしたが)、目の前のリアルでした。初日なので見るからに緊張している様子で、声が上ずるなどちょっと失敗した後に見せる苦笑いがむしろ愛嬌だったりするわけですが、1曲目から早速歌詞を飛ばす事故で「ごめんなさ〜い」。MCで本人も「この後も多分何度もやらかします」と予告していた通り、自分の持ち歌でも何回も歌詞を飛ばし、それでも温かく見守ってもらえる天性の愛嬌は、まさに昭和アイドルのオーラでした。
 前半の曲は「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」「幸せの黄色いリボン」「真珠の首飾り」といった幼少期に慣れ親しんだというスタンダードナンバー中心。本人が歌いたいものを歌う趣旨で全くかまわないのですが、正直なところ歌唱力はアイドル時代からあまり変わってないので、この路線で最後まで行くのはちとつらいかなと思っていたら、後半には16年ぶりのオリジナル新曲「大切な人」と、「秋のIndication」「メリー・クリスマス」「楽園のDoor」(ボサノバ風アレンジがとっても良かった)といったバリバリアイドル時代のナンバーを披露し、観衆は皆ほっとした様子でした。アンコールでは超速で自身のプリントTシャツとジーンズに着替え、もう1曲の新曲「空を見上げて」に続いて最後は「はいからさんが通る」で大いに盛り上がりました。個人的には「話しかけたかった」で髪をはねたり、「吐息でネット」でくるりと回るのも見たかったところですが、多分コロナ対策で、合いの手系やサビ歌わせ系の曲は意図的に外したんだろうと思いました。
 サウンドプロデューサー萩田光雄が集めてきたバックバンドは、皆さん70代のベテランを超えたレジェンドのスタジオミュージシャンばかりで安定感は抜群。MCでは「サンタのおじいさんたち」と茶化されてましたが。1万円のチケットはちょっと高めではありましたが、たいへん贅沢なコンサートでした。


2017.05.10 コットンクラブ (東京)
PETER ERSKINE NEW TRIO + 1
Peter Erskine (ds), Vardan Ovsepian (p), Damian Erskine (b), Aaron Serfaty (per)

 そんなにたくさん聴いてきたわけじゃないけど、ピーター・アースキンのドラミングスタイルは、何を聴いても引き出しの多さに圧倒され、とても真似したり目指したりする気にならないので、正直好みではありませんでした。従って生で見る機会も今までなかったのですが、12月の読響演奏会でドラム協奏曲のソリストとして出演することが判明し、これは是非見に行かねばと楽しみにしていたところ、それに先立ってジャズトリオでの来日もあるということで、もう今年はピーター・アースキン・イヤーで行くしかないと、前哨戦として聴いてみました。
 ステージ上のドラムセットは、シズルシンバルやペダル付きのカバサがちょっと目を引きますが、あとはワンタム、ツーフロアのいたってオーソドックスなジャズドラムセット。その横のパーカッションも、コンガ、ボンゴ、あと小物という感じで、スパイラルシンバルが珍しいくらい。さてトリオはドラム、ピアノ、エレキベースという構成で、今回はプラスワンとしてパーカッションが加わります。まあでも、パーカスは正直なくても困らない程度の存在感でした。甥っ子のベースを初め、ピーター以外は皆息子というよりむしろ孫に近いような若手を集め、「アースキン翁の音楽道場」といった趣きの朗らかさが漂っていました。若い3人はピーターを頼り切っている感じのバンドで、スリリングさはあまりなかったのが不満ですが、その中でもピアノは自身の作曲では時々エキセントリックな独特の曲調を覗かせて、良い味を出していました。
 さて肝心のピーター・アースキンのドラムは、小技系かと思いきや、意外とラウド系。シンプルに粒のそろったビートを安定したタイム感で叩き出す、オーソドックスな正にお手本ドラム。バラードを含めリズミカルな曲ばかりで、16以外のありとあらゆるリズムのサンプルを聴かされた気分で、そのどれもが基本に忠実でありながら、やっぱり引き出しの多さは別格。ハメを外すことはなかったですが、リムショットしながら肘でスネアのヘッドを押してチューニングをグリッサンド気味に下げるというよくわからない裏技を披露する茶目っ気もあり。あらためて、凄い人でした。アコースティックなドラムの醍醐味を十二分に堪能させてもらいました。
(後で調べたら、ピーター・アースキン62歳、ヴァルダン・オヴセピアン41歳で、孫というほどの年齢差はないんですね、すんません…)


2014.03.26 コットンクラブ (東京)
Pat Martino Trio
Pat Martino (g), Pat Bianchi (Hammond B3), Carmen Intorre (ds)

 広告を見て、パット・マルティーノが生で聴けるとは、行こうかどうしようか、と迷っているときに、コットンクラブからメルマガ会員特典として1名分のチャージで3名まで入場できます、という追い風メール。この機会に娘をジャズクラブデビューさせてやろうということで、家族揃って行ってまいりました。
 私はジャズキチでは全くないし、パット・マルティーノもデビュー作の「El Hombre」は多少聴き込んだ、程度のえせファンですので、最初の感想は「おー、パット・マルティーノ、動いてるよ、まだ生きてるよ」などというミーハーかつ失礼なものですいません。大病を患ったため長いブランクがあり、今年70歳なので見た目はすっかりおじいちゃんになってしまっているのですが、デビュー時の22歳とスタイルは基本的に変わっていないのが凄いです。カッティングのアタックは鋭く音圧があり、マルティーノ節の速弾きも健在。一方で即興にはだいぶ波があると感じました。サポートメンバーは、近年レギュラーでトリオを組んでいる人々のようです。ドラムは上手いんですがリズムがもっさりとしていて、好みではありませんでした。オルガンは多分「影のバンマス」で、常にメンバーに目線を送り、演奏しながらPAに指示を出し、の活躍でした。ただし演奏自体は控え目なもので、せっかくのベース抜きオルガントリオなら、「El Hombre」のようにド派手なオルガンサウンドをかまして欲しかったと勝手な妄想。
 さて肝心の娘のジャズクラブデビュー、けっこう気に入ったようで「オペラより全然いい」とかぬかしおって、この贅沢モノめ。


2013.11.20 コットンクラブ (東京)
古内東子 -秘密の調べ-
古内東子 (vocal, piano), 草間信一 (keyboard)

 丸の内のコットン・クラブで古内東子のライブがあるというチラシをたまたま見つけ、こんな近場でやってるなら是非見たいものだと、ふらっと行ってみました。古内東子は小松秀行がプロデュースをしていた全盛期のころまではよく聴いていましたが、1998年だから、もう全盛期ならぬ前世紀の話なんですねえ…。
 古内東子と中原めいこと松任谷由実にはいろいろと語り尽くせない思い出がまとわりついていて、客観的な評価はなかなかできないのですが、古内東子についてはずっと思っているのが、オーラが全く感じられないこと。デビューのころのビジュアルは拗ねた女子大生風だし、売れたころも、そのへんにいつも歩いていそうなOL風の域を出ない。決して美人とは言えないし、歌が飛び抜けて上手いわけでもない(個性的ではありますが)。ひとえに楽曲の良さで売れてきた人でしょう。前世紀末に恋愛教祖としてブレークしたのは、本人のカリスマ性のなさがかえって好まれたのかとも思っています。
 コットンクラブは初めて来ましたが、2005年開業だから日本にいなかったので、知らなくてあたり前か。ブルーノート東京より一回り小さい、アダルトな雰囲気の洒落た箱です。こんな空間が、こんな近くにあったとは。早めに行ったので運良くかぶりつきのテーブルに座れました。念のため持ってきたオペラグラスを使うまでもなくよく見えましたが、そういえばジャズクラブでオペラグラスを使ってる人は、見たことないな…。
 公式HPなんかで見る最近のプロモ写真が昔とずいぶん違うので(笑)、もしやお顔がすっかり「変身」してしまったのかと思っていましたら、登場した古内東子はかつての人がそのまま普通に年を召したような、全くの想定内だったので安心しました。相変わらず、オーラはない。昼間は丸の内でOLやってます、と言っても違和感ありません。ステージは、ピアノ弾き語りにキーボードのサポートを付けた、1時間強のこじんまりとしたものでした。アンコールの「ピーチ・メルバ」を除き、バラード中心のまったりとした構成。長い間追っかけてなかったので半分くらい知らない曲でしたが、私のカラオケレパートリーである「逢いたいから」や「うそつき」をモノホンで聴けたのは感動しました。カバー曲コーナーでは、ちょうど来日中のポール・マッカートニー「My Love」なんかも歌っていました。最近はこういう弾き語りのスタイルが多いそうですが、古内東子と言えば血の通ったソウルフルなバンドサウンドも聴きたいもの。今年2月にブルーノート東京でやったデビュー20周年記念ライブでは佐野康夫がドラムを叩いていたようで、帰国前だったから無い物ねだりとは言え、これは見たかったです。ということで、次にフルバンドでやるのはいつの日かと、公式ページのNEWSを追いかける毎日なのでした。


2012.10.28 Royal Albert Hall (London)
Level 42
Mark King (bass, vocal), Mike Lindup (keyboards, vocal)
Nathan King (guitar), Sean Freeman (saxophone), Pete Ray Biggin (drums)

  1. Lessons In Love
  2. Children Say
  3. Running In The Family
  4. It's Over
  5. To Be With You Again
  6. Two Solitudes
  7. Fashion Fever
  8. The Sleepwalkers
  9. Freedom Someday
  10. ---
  11. All I Need
  12. Out of Sight Out of Mind
  13. Guaranteed
  14. ---
  15. Heathrow
  16. The Sun Goes Down (Living It Up)
  17. Starchild
  18. Something About You
  19. Hot Water
  20. ---
  21. Love Games (Bass solo introduction)
  22. Heaven in My Hands

 レヴェル42は80年代にヒット曲を飛ばした、ジャズ・ロックの走りのようなバンドですが、中心メンバーだったマーク・キングとマイク・リンダップ以外はサポートメンバーで、今でも元気にライブ活動を続けております。去年、一昨年は日本にも行っているはず。
 7時半開演でしたが、まずは前座でアコースティックギターをかき鳴らす元気のいいロックンロールおねえちゃんで出てきて数曲歌い、少し休憩を挟んで真打ち登場かと思いきや、もう一人のヘッドライナーは、これまたアコースティックギターを抱えたフォークソングのおにいちゃん。5〜6曲歌ってました。その後セットアップでまた時間が開いて、結局本チャンが始まったのはほとんど9時。前座は別に悪くはなかったけど、それを見に来たわけではないので、長過ぎです。
 レヴェル42の生ライブを見るのは実は初めて。名物ベースのマーク・キングは、見た目はすっかり老けたオジサンですが、体力はまだまだ衰えていなさそうで、ぴょんぴょん飛び跳ね、声もしっかり出ていました。ベースを構える高さが低くなった(というより普通になった)かな。サポートメンバーは、オリジナルではないとは言え、ギターのネーザン・キング(マークの弟)、サックスのシーン・フリーマンはもう10年以上一緒にやってる人たちです。ドラムだけ比較的新しく、2010年から。みんなそれなりに老けているので、みんなオリジナルメンバーかと思ってしまったのは内緒です。
 それにしても音がでかかった。こないだのクイーン+アダム・ランバートよりも大音量で、耳がジンジンしました。会場のロイヤル・アルバート・ホールは日本武道館を一回り小さくしたような会場ですが、音響は武道館よりもむしろ東京ドームに近く、特に今日の席は上のほうのサークルだったので、音がぐわんぐわんと回ってとんでもないことになってました。従って、音楽にじっくり耳を傾けるという環境ではなかったことを最初に宣言しておきます。スタジアムならともかく、何故レヴェル42でここまで音を大きくしないといけないのか。一方で、今はツアーが主な活動みたいなので、照明効果はよくこなれていました。バックに縦長3枚のスクリーンを置き、各種効果映像に混じって時折ヒット曲の当時のビデオクリップを流していましたが、30年近く前の自分らの姿とステージ上で生で対峙するというのは、相当に勇気の要ることではないかと。特にマークは、全然別人と言っていいかもしれない。
 見たところ客の年齢層は高く、若い人はほとんど見ませんでした。最後のほうでSun Goes Down、Something About You、Hot Waterといったヒット曲が連発すると、オジサンオバサン踊りまくり。ディスコ世代なんですねえ。などと思いながらサークル席前列に座って下界を見下ろしておりました。ふと周りの客席を見渡すと、ベースのスラッピングを真似ている人の何と多いことか(笑)。ほとんどの人はマークのベースを見に来ているのですから、気持ちは分かります。何にせよ彼のベース弾き語りはまだまだ健在であることを確認できただけでも収穫でした。あと5〜6年は大丈夫でしょうけど、次はマークのソロプロジェクトをRonnie Scott'sあたりでじっくり聴くのが正解な気がします。


2012.07.14 HMV Hammersmith Apollo (London)
Queen + Adam Lambert
Brian May (G, Vo), Roger Talor (Ds, Vo), Adam Lambert (Vo)
Spike Edney (Key, Musical Director), Neil Fairclough (B), Rufus Taylor (Ds, Perc)

Hammersmith, 14th July: Set List

  1. Flash (intro)
  2. Seven Seas Of Rhye
  3. Keep Yourself Alive
  4. We Will Rock You (Fast ver.)
  5. Fat Bottomed Girls
  6. Don’t Stop Me Now
  7. Under Pressure (Roger/Adam duet)
  8. I Want It All
  9. Somebody To Love
  10. Who Wants To Live Forever
  11. A Kind Of Magic (Roger vo.)
  12. These Are Days Of Our Lives (Roger vo.)
  13. You're My Best Friend (part) (Brian vo.)
  14. Love Of My Life (Brian vo.)
  15. '39 (Brian vo.)
  16. Dragon Attack
  17. Bass Solo
  18. Drum Battle
  19. Guitar Solo
  20. I Want To Break Free
  21. Another One Bites The Dust
  22. Radio Ga Ga
  23. Crazy Little Thing Called Love
  24. The Show Must Go On
  25. Bohemian Rhapsody
  26. ---
  27. Tie Your Mother Down (Brian vo.)
  28. We Will Rock You
  29. We Are The Champions
  30. God Save The Queen

 クイーン+アダム・ランバートの最終日。初日をすでに見ていますし、昼に「ポーギーとベス」を見た後、ほとんどその足でライブを見に行くのはけっこうキツイと思ったのですが、まあせっかくチケットを買ったので老体に鞭打ってがんばってみました。
 初日が25分くらい待たせたのに対し、今日は15分遅れで始まりました。DVDのためのビデオ撮りがあるとの噂があり、また初日・二日目の様子はすでにたくさんYouTubeやブログにアップされていたので追加公演である最終日のチケットホルダーはもう十分に期待を煽られていて、会場の熱気は相当なものでした。
 ショーの構成はほぼ同じなので意外性はありませんでしたが、初日で時々気になったハウリングが今日はなく、初日と比べてバンドの音がずいぶんと固まっていました。今日のロジャーは黒いシャツをダラリと出して、ポッコリお腹が目立たないようにしていました。ブライアンは初日より相当調子が良さそうで、張り切りすぎて最後のTie Your Mother Downで弦を切ってました。アダム君も調子はさらに上がっていましたが、相変わらず動きは大人しい。ブライアンはもう65歳なんだから、その分も君がもっと走りなさい!
 毎回ほぼ同じのセットリストの中で、ブライアンのアコースティックコーナー冒頭は毎回違う曲を一部分だけ弾き語ります。初日はThe Show Must Go On、二日目はSomebody To Loveでしたが、今日は意外なところでYou're My Best Friend。初日ではやらなかった本チャンのThe Show Must Go Onは、今日はラス前にちゃんと仰々しくやってくれました。これがここまで歌えるのだから、アダムは確かに良いシンガーです。
 さて今回のクイーン+アダム・ランバート、今後ツアーを西ヨーロッパ、アメリカ、アジアまで拡大していくのかどうかは知りませんが、クイーンファンにオススメできるかどうかは、ちょっと微妙。クイーンのライブを追体験するんだ、という風に割り切れば十分楽しめるものでしょう。でも、一気に老いてしまったブライアンとロジャーを見るのは辛いと感じる人も多いかも。


2012.07.11 HMV Hammersmith Apollo (London)
Queen + Adam Lambert
Brian May (G, Vo), Roger Talor (Ds, Vo), Adam Lambert (Vo)
Spike Edney (Key, Musical Director), Neil Fairclough (B), Rufus Taylor (Ds, Perc)

Hammersmith, 11th July: Set List

  1. Flash (intro)
  2. Seven Seas Of Rhye
  3. Keep Yourself Alive
  4. We Will Rock You (Fast ver.)
  5. Fat Bottomed Girls
  6. Don’t Stop Me Now
  7. Under Pressure (Roger/Adam duet)
  8. I Want It All
  9. Who Wants To Live Forever
  10. A Kind Of Magic (Roger vo.)
  11. These Are Days Of Our Lives (Roger vo.)
  12. The Show Must Go On (part) (Brian vo.)
  13. Love Of My Life (Brian vo.)
  14. '39 (Brian vo.)
  15. Dragon Attack
  16. Bass Solo
  17. Drum Battle
  18. Guitar Solo
  19. I Want To Break Free
  20. Another One Bites The Dust
  21. Radio Ga Ga
  22. Somebody To Love
  23. Crazy Little Thing Called Love
  24. Bohemian Rhapsody
  25. ---
  26. Tie Your Mother Down (Brian vo.)
  27. We Will Rock You
  28. We Are The Champions
  29. God Save The Queen

 このライブ、元々はクイーンのバンド結成40周年を記念してネブワースのロックフェスSonisphereにヘッドライナーとして出演する予定が、ロックフェス自体が開催中止になり、では単独でやろうという、クイーンファンにとってはむしろ願ってもない「瓢箪から駒」の話になったようです。ポール・ロジャースとの衝撃的なツアーから早7年、今回は米国のオーディション番組「American Idol」出身でTVではすでに共演している若手シンガー、アダム・ランバートをボーカルに迎えて、キエフ、モスクワ、ヴロツワフ(ポーランド)にロンドン2日間(後で追加公演が1日プラス)というミニツアーに結局落ち着きました。ロンドンの会場は初期のころ数々のライブをこなしてきたハマースミス・アポロ(当時の名称はオデオン)。まさかハマースミス・オデオンに生クイーンを見に行くなんてことが今更自分の身に起ころうとは、これっぽっちも想像しませんでした。
 当然ながらロンドンの3日間とも即日完売のプラチナチケットで、後日出たリターンを何とか運良くゲットできたのですが、もう若くはないのでオールスタンディングのストールではなく、上階サークル後方の着席にしました。普通ならクイーンはスタジアム級の箱でしかパフォーマンスしないバンドであることを思えば、肉眼で見えるのだから近いものです。周りを見渡すと、年齢層の高いこと高いこと。どう見ても60歳は超えてそうな人もたくさんいました。
 アダム・ランバートは派手な衣装を何度も着替えながら、でも足は裸足で熱唱。ポール・ロジャースがAll Right Now等自分の持ち歌もいくつか入れて来たのと対象的にアダムは潔く全てクイーンナンバーで通しました。歌はそれなりにしっかり歌えていたのが驚きですが、やっぱり多少の気後れがあるのか、あるいは歌に集中するあまりか、仁王立ちでマイクを持つ場面が多く、パフォーマー、エンターテイナーとしての「格」は、ポール・ロジャースやジョージ・マイケルとは(もちろんフレディとも)比較するのが気の毒です。また、ポールがフレディのコピーをやる気などこれっぽっちもなく、見事に自分の歌として消化していたのに比べ、やっぱりアダムはフレディの節回しに引きずられている歌い方になっていて(まあ、しょうがないですけどね)、もっと吹っ切れたほうが結局は良いのになあ、と思ってしまいました。
 ブライアン・メイ、ロジャー・テイラーともにもうすぐ誕生日で、各々65歳、63歳になるんですなあ。二人ともすっかり白髪で老人顔になり、ロジャーなどは昔のキュートボーイは見る影もなく、お腹ポッコリの好々爺、という感じです。7年前はさすがにここまで老け込んではいなかったと思います。いつものごとく二人とも自分の持ち歌でメインボーカルを取りますが、声が出てなかったです。ブライアンのギターは(もちろん若いころほどの勢いはないものの)まだ往年のプレイを維持していましたが、ロジャーのドラムは手が回っておらず、息子のルーファス君が単なるパーカッションの色添え以上に父親のドラミングをサポートしていたおかげで何とか最後までもった、という感じでした。死ぬまで元気バリバリだと思っていたこの人達にも老いはやってくるんだなあと、ちょっと淋しくなりました。誤解を恐れず正直な感想を言うと、こないだ見たミュージカル「We Will Rock You」のほうが、バンド演奏という意味では数段上だったかなーと。でも、何だかんだ言っても、生きて動いている本物のブライアンとロジャーをまた見れたというだけで、わざわざ足を運んだ値打ちはあったし、ステージングは素直に楽しめるものでした。最後のほうは火は噴くわ、花火は上がるわで、オデオンの狭いステージがたいへんなことになっていました。
 ところでちょっと不快に思ったのは、演奏中のほとんど最初から最後まで、写真やビデオを撮ってる人の何と多いこと。スマホの性能が上がったからそういうこともできるようになったわけで、昔だったら考えられないことですよね。私も少しだけですがこっそり写真は撮ったので人のこと言えませんが、周りのことなどお構いなしにスマホを高く掲げてずっと録画している輩は、はっきり言って邪魔以外の何物でもない。お前はいったい何しに来たんじゃと。


2012.04.28 Dominion Theatre (London)
We Will Rock You - The Musical by Queen and Ben Elton
Noel Sullivan (Galileo Figaro), Emma Hatton (Scaramouche)
Brenda Edwards (Killer Queen), Alasdair HarveyKhashoggi)
Wayne Robinson (Brit), Rachel John (Meat)
David Gwyn (Rebel Leader), Dean Read (Pop)

 今年10周年の人気ミュージカル。クイーンファンのはしくれとして、一度は見とかなくてはとずっと思いつつもなかなかチャンスがなく(時間がなかったというよりは、オケ、オペラ、バレエへの投資を優先していたからなんですが)、ようやく見に行けました。
 会場はトテナム・コートロード駅を出て目の前のドミニオン・シアター。エントランスの上に巨大なフレディ像があるので非常に目立ちます。中に入ると結構古くさい劇場。コリーシアムよりもさらにくたびれてる感じです。席はストールの後方(WW列)だったのですが、上階席の天井が思いっきりかぶさっていて圧迫感があり、舞台の上のほうは一部見えないものの、鑑賞に支障があるほどのものではありません。実はチケットを取る際、ロンドンに来たてのころホールの席選びで大いに勉強になったTheatremonkey.comのコメントを今回も参考にさせてもらいました。そこにもあるように、このクラスのチケットでは一つ前のVV列のほうがベターでしょう。というのは、何故だかわかりませんがVV列のさらに前の3列分くらい、一人も座らずごそっと空いていて視界良好だったからです。多分高いチケットの最後尾なので売れないんでしょう。
 ミュージカルは当然クイーンの楽曲のみで構成されていて、休憩含めて3時間くらいと、結構長いです(でもオペラを思うと普通か)。あらすじは、

 遠い未来、キラー・クイーン率いる巨大企業グローバル・ソフトに支配された地球で、ボヘミアンと名乗る反乱分子が地下活動(アジトは廃墟となったトテナム・コートロード地下鉄駅)を続けている最中、少年ガリレオと少女スカラムーシュが出会い、ボヘミアン達と共に伝説のロックバンド・クイーンが残した楽器を探す。ついに見つけた伝説の地で石の中から出現したブライアン・メイ・スペシャルモデルのギターを弾くとキラー・クイーンは倒れ、人々に自由が訪れた、めでたしめでたし、「伝説のチャンピオン」大合唱。ボヘミアン・ラプソディも聴きたいかい?

という、まあたわいもないもの。曲のセットリストは以下の通りです。

Act I:

  1. Innuendo
  2. Radio Ga Ga
  3. I Want to Break Free
  4. Somebody to Love
  5. Killer Queen
  6. Play the Game
  7. Death on Two Legs (instrumental)
  8. Under Pressure
  9. A Kind of Magic
  10. I Want It All
  11. Headlong
  12. No-One but You
  13. Crazy Little Thing Called Love
  14. Ogre Battle (instrumental)
Act II:
  1. One Vision
  2. Who Wants to Live Forever
  3. Flash
  4. Seven Seas of Rhye
  5. Fat Bottomed Girls
  6. Don't Stop Me Now
  7. Another One Bites the Dust
  8. Hammer to Fall
  9. These Are the Days of Our Lives
  10. Bicycle Race
  11. Headlong (reprise)
  12. Brighton Rock solo (instrumental)
  13. Tie Your Mother Down (instrumental)
  14. We Will Rock You
  15. We Are the Champions
Encore:
  1. We Will Rock You (fast version)
  2. Bohemian Rhapsody

 ぱっと見、後期の曲に偏ってるかも、と思ったのですが(まあどこからが「後期」かという議論はあるものの)、実際に初出のアルバムごとに集計すると以下のようなところでした(2回出てくるHeadlongは1回として数えてます)。

2 Queen II (1974)
2 Sheer Heart Attack (1974)
2 A Night at the Opera (1975)
2 A Day at the Races (1976)
2 News of the World (1977)
3 Jazz (1978)
1 Live Killers (1979)
3 The Game (1980)
1 Flash Gordon (1980)
1 Greatest Hits (1981) or Hot Space (1982)
3 The Works (1984)
3 A Kind of Magic (1986)
1 The Miracle (1989)
3 Innuendo (1991)
1 *Single (1997) or Greatest Hits III (1999)

 これを見ると、一つのアルバムからの選曲は最大3曲に止め、ほぼ全てのアルバムから選出して、どの世代のファンからも支持されたい(逆に言うとソッポを向かれる世代がないように)という全方位的な気配り、別の言い方をするとよく練られたマーケティング戦略が感じられます。ただ、ファーストの「Queen」と、ある意味ラストの「Made in Heaven」からの選曲が1つもないのは残念で、どうせなら"Keep Yourself Alive"とか"I was born to love you"も押し込んで欲しかった、とは思います。
 ロックミュージカルなので音量はロックコンサートと同じと思ってください。普段クラシックのみを聴き慣れた耳になっている人には、音が大き過ぎて絶えられないかもしれません。ミュージシャンは、よく見えなかったのですが舞台左右の櫓の上で分かれて演奏していました。クイーンの楽曲がほぼ原曲そのまんまのアレンジで、ギターソロ含めクイーンサウンドを涙ぐましいくらい忠実に再現しているのが嬉しかったですが、これも当然ファンの涙をしぼる戦略なんでしょう。後であらためてパンフに書いてあったバンドメンバーを見てみると、キーボードにSpike Edney、ベースにNeil Murrayの名前が。何と!モノホンじゃないですか。スパイクは長年ツアーのサポートをやっててほとんどクイーンの準メンバーですし、大御所ニールもブライアン・メイ・バンドでクイーンの曲は相当演奏しています。この日の公演にその人達が実際ピットに入っていたかは確認できませんでしたが(彼らもそんなにヒマじゃない気がする)、このミュージカルがバックバンドの充実を重要視している姿勢はたいへんよくわかりました。
 歌手は、もちろんフレディと比較してどうのこうのいうのは野暮として、皆さんさすがにちゃんと「歌える」人が揃ってました。そりゃそうだわな、でないとクイーンの楽曲でミュージカルを構成するというアイデア自体が成り立たないもの。中でもKiller Queen役の人は恰幅の良い黒人女性でしたが、腰の据わった声とコミカルな演技が特筆ものでした。出番が少ないわりに美味しい場面ばかりなのも、おトクな役柄だったでしょう。
 クイーン好きなら、まあ一度はご覧になっといて損はないミュージカルです。私も、また見てみたいと思いました。もちろん、本当は本家のクイーンのライブを見れたらなあ、という無い物ねだりなんですけどね…。ところでいつもオペラ座や演奏会に頻繁に連れて行ってるうちの娘も、このミュージカルはたいへん気に入ってしまって、「次から私はミュージカルがいい、オペラとかコンサートはもうヤダ」などと抜かしておるので、両親ピンチ、です…。


2010.11.15 Queen Elizabeth Hall (London)
John Scofield Trio / John Scofield (G), Steve Swallow (B), Bill Stewart (Ds)
Scottish National Jazz Orchestra

 Southbank CentreのWebサイトをつらつら見ていてふと発見したので(普段はオーケストラの情報ばかり見てるのでLondon Jazz Festivalのほうは気付きませんでした)、当日飛び込みで聴きに行ってみました。ジャズは普段あまり聴かないのですが、ジョンスコの「Electric Outlet」から「Pick Hits Live」くらいまでのアルバムは、当時組んでいたバンドでいくつかコピーをしていたこともあり、よく聴いていました。もう20年以上も前になるんですなあ…(遠い目)。
 本日は、前半がジョンスコ・トリオ、休憩を挟んで後半がSNJO featuring John Scofieldという2部構成でした。実は生では初めて見るジョンスコは、来月で59歳。髭も、残り少ない髪もすっかり白くなって、もはやおじいちゃんの風貌です。ベースのスティーヴ・スワローはさらに上を行く70歳、若いドラムのビル・スチュワートにしてすでに44歳の超ベテラン熟年トリオですが、プレイは衰え知らずのアグレッシブで、特にハイテンションなギターは全く健在でした。この20年全く追いかけていなかったので知らない曲ばかりでしたが、曲はスインギーでブルージーな色合いがいっそう濃くなって、変態的なリズムやコード進行は鳴りを潜めていました。ビル・スチュワートの音は軽すぎてあまり好みではなかったのですが、手数系でポリリズムを多用した密度の濃いドラミングは、さすがです。
 ジョンスコがゲストソリストで出演した後半は、あくまでビッグバンドが主役でしたので、打って変わってリラックスしたプレイでのびのびといっそうブルージーに弾いていました。マイルス時代のジョンスコの曲が中心だったらしいですが、その時代はあまり聴いていないので、「あー、これね」とわかる曲はありませんでした。SNJOはトランペットとテナーサックスのソロが非常に上手かった他は、特段粒ぞろいという感じはなく、ブラスがちょっとキンキン響き過ぎで聴いてて疲れました。ドラムは何かもっさりしていて、前半のスチュワートと比較されたら本人もたまらんでしょうが、並べるとやはり見劣りはしてしまうので、損しましたね。
 隣りのおじちゃんは後半のほうがノッていましたが、私はトリオのほうがスリリングで面白かったかな。いずれにせよジョンスコのプレイは見かけより全然若かったので、思い立って聴きに行って本当に良かったです。


2009.09.16 The Underground (London)
The Michael Schenker Group
Michael Schenker (G), Gary Barden (Vo), Chris Glen (B), Wayne Findlay (G, Key), Pete Holmes (Ds)

 たまたま同時期にロンドンに赴任しているバンド仲間に誘われて、Camden TownのUnderworldに行ってきました。MSGは我々の世代でバンドをやってる人ならたいがいは通った道ですが、実は初の生Michael。メンバーも往年のGary BardenとChris Glenが参加とのことで、これでドラムがCozy Powellならまさに全盛期のラインアップそのもの!
 Underworldはキャパ500人くらいの結構名の通ったライブハウスですが、普段は200人集まれば上出来とのことで、現在のMSGでは果たしてどうなるかとハラハラ思っていたら、そこは「腐っても神」、めでたく完売御礼でした。会場は身動きが取れないくらい人人人で、しかもみんな身体がごついので、残念ながらMichaelはあまりよく見えませんでした。客層は見事にアングロサクソンのおっさんおばはんばかりで、若者はほとんどおりません。
 演奏の方はちょっと「神」にはほど遠い感じでした。Garyは年を取ってますます声が出てませんし、ドラムの若造はプロとしてはちょっとどうかというレベル。全体的にバランスが悪くMichaelの音があまり全面に出てきません。リズムが悪いのでキレもよくありません。それでも、Armed & Ready、Cry For The Nations、Into The Arena、Rock Bottomなどといった往年の名曲は一通り聴け、客もGaryを補うべくよく歌ったので、まあ盛り上がったライブでした。
 それにしてもチケットは15ポンド也。MSGがこの値段で見れるとは、感慨深いものがあります。


2009.08.31 Wembley Arena (London)
Walking With Dinosaurs - The Arena Spectacular

 有名なBBCのドキュメンタリー番組をベースに企画された、ヨーロッパ各地のアリーナを巡回しているイベントです。今日がイギリスでの最終日で、このあと来年までかけてヨーロッパ各国を回ります。今日イギリスは休日で、しかも夏休み最終日なので、会場は子連れファミリーでぎっしりでした。
 イギリスは「テレタビーズ」(BBC制作のたいへんユルい子供番組)の国なので、めちゃめちゃショボいシロモノじゃないだろうかという不安も若干ありましたが、けっこう大音響ビビらし系の迫力のあるパフォーマンスで、恐竜大好きの娘も大喜びだったので一安心。恐竜は動きも含めてなかなかリアルでよくできていて、実物大の動く恐竜を体感できる機会というのもそうそうないので、まあ、安くはないチケット代分だけのことはあったかな、という感じです。


2006.04.06 Lyceum Theatre (London)
The Lion King

 ミュージカルを見に行くのは実は初めてでした(大昔に宝塚歌劇は見たかも)。娘が 大好きなのでディズニーのアニメ映画版はもう飽きるくらい見ているのですが,基本的に は全く同じと言えますが,歌と踊りが増えている分尺が長くなっていて,ワタシ的には ちょっと長すぎかなあ。後半は半分くらいウトウトしてました。登場するのは全て動物な のでそれをどうミュージカルの「役」にするかにまず興味がありましたが,ハリボテ,影 絵,小道具にいろいろとアイデアを凝らした斬新なステージで,その点は非常に感銘を受 けました。特にハイエナは素晴らしい。それにしても出演者は毎日毎日同じ演目を何年に も渡ってこなしているのですよね?恐れ入ります。


2005.08.17 Millenaris Park, Fogado (Budapest)
Hida Jimbo

 ヒダノ修一と神保彰の和洋混合ドラムユニット「ヒダじんぼ」が東欧ツアーの皮切りに ブダペストで2公演行いました。ここハンガリーでは何故か和太鼓の人気が非常に高く, この公演もほとんどがハンガリー人観衆で会場は超満員になりました。和太鼓とドラムだ けで果たして間が持つのかと心配でしたが,90分間全く飽きるところがなく楽しめまし た。和太鼓は色彩感があまりない代わりに腹にズンと来る低音が聴衆をじわじわと引き込 んで行きます。最近の神保彰はトリガーシステムを駆使した「一人オーケストラ」をスタ イルとしているようで,このユニットではそのおかげでより広い客層にアピールするエン ターテイメントとして成立しているのだと思いましたが,カシオペア「サンダー・ライ ブ」の頃からの神保ファンとしては,彼の比類なきタイム感やメロディーメイカーとして のセンスがあまり活かされないなあと,多少物足りなく感じました。まあそれでも,相変 わらずアイデアに溢れた面白いおかずを叩いていたし,彼のプレイは十分堪能できまし た。


2005.07.14 Palace of Arts, Festival Theatre (Budapest)
Balogh Kalman & Gipsy Cimbalom Band
Bratsch

 Balogh Kalmanはメタリックな音色のツィンバロンでバンドをぐいぐいと牽引します。 スピーディーでノリの良い曲が多く,途中コミカルな演出も交えながら最後まで飽きさせ ません。芸達者な人たちです。時間が押しているにもかかわらずアンコールの拍手はなか なか鳴り止みませんでした。
 一方のBratschはフランスのジプシーバンド。ジプシー音楽の暗い側面を強調し,短調 の曲ばかりを淡々と演奏するのでどんどん気が滅入ってきます。非常にシリアスで,アド リブ含めたその高い演奏技術はむしろ前のバンドより上かもしれませんが,何かが決定的 に足りない気がするのは,やはり彼らがロマ出身ではないことから来ているのでしょう か。


2005.04.23 Papp Laszlo Sportarena (Budapest)
Queen + Paul Rodgers
Paul Rodgers (Vo, G), Brian May (G, Vo), Roger Taylor (Ds, Vo),
Spike Edney (Key, Vo), Jamie Moses (G, Vo), Danny Miranda (B, Vo)

Set List:

  1. Reaching Out
  2. Tie Your Mother Down
  3. I Want To Break Free
  4. Fat Bottomed Girls
  5. Crazy Little Thing Called Love
  6. Say Its Not True
  7. Long Away
  8. Love Of My Life
  9. Hammer To Fall
  10. Feel Like Making Love
  11. Drums Solo
  12. I’m In Love With My Car
  13. Guitar Solo
  14. Last Horizon
  15. These Are The Days Of Our Lives
  16. Radio Ga Ga
  17. Can’t Get Enough
  18. A Kind Of Magic
  19. I Want It All
  20. Bohemian Rhapsody
  21. ---
  22. The Show Must Go On
  23. All Right Now
  24. We Will Rock You
  25. We Are The Champions
  26. God Save The Queen

 8時開始予定が実際にPaulが出てきたのは40分すぎでずいぶん待たせました。客入りは Sold Outとはいかず,最終的に9割くらいでした。日本円で約7800円のチケットはこち らの人にとってまだまだ高価で,グッズショップでは英語で買い物している人がたくさん いたので,外国人が主な購買層だったのかもしれません。年齢層は60代とおぼしき老夫 婦から10代までまんべんなく広がっていました。私ぐらいの世代だと子連れで来ている 人も多数見かけました。
 Paul Rodgersは衰えを感じさせない立派な歌いっぷりで,もちろんFreddieとは全くキャ ラクターは違いますが,それなりに消化して自分のパフォーマンスにしていました。これ はこれで良いライブになっていたことから,あらためて楽曲の良さを再認識したという か。BrianはTie Your Mother Downで早速弦を切りギター交換,全般的にあまり調子はよ くなさそうでした。Roger Taylorは絶好調のマイペース,These Are The Days Of Our Livesではドラムは打ち込みに任せてマイク握りながらの熱唱,バックで流れていた初来 日時の映像(日本庭園でお茶会しているやつ)が涙を誘いました。
 今回の復活ツアー全体に対する感想ですが,Freddieはもちろんのこと,John Deacon も参加しておらず,それでもQueenを名乗ることに賛否両論はあるでしょうし,御大Paul RodgersといえどもFreddieと比較して物足りなく感じる人は多いだろうとは思います が,例えば追悼コンサートのGeorge Michaelを評価できる人だったら見に行って損はな いと思いました。私の場合はそれ以前に,長年のQueenファンとしては何にせよ「スルー する」という選択を取ることはできませんでしたが…。Queenの残映を求めてBrian May Bandを見に行くより100倍満足度が高いと思います。逆に,Bad CompanyやFreeが Queenよりもずっと好きな人にはあまりオススメできないかも。


2004.08.02 Millenaris Park, Teatrum (Budapest)
Chick Corea Electric Band
Chick Corea (P, Key), Dave Weckl (Ds), Frank Gambale (G),
Eric Marienthal (Sax), Ric Fierabracci (B)

 町中の広告ポスターにはJohn Patitucci (B)と書いてあったので往年のレギュラーメン バー勢揃いと思っていました。実は私は全盛期にライブを見に行く機会がなく,当時見に 行ったバンド仲間の話から,もっとアクロバチックでいかにもフュージョンくさいライブ を期待していたのですが,わりと普通のジャムセッションでした。Chick Coreaはずいぶ んと横にでかくなって小林克也のような風貌,Frank Gambaleは昔とは全く別人の白髪ハ ゲ親父になっていましたが,Dave WecklとEric Marienthalはあまり大きな変化はなく 若々しさを保っていました。特に,一度は生でみたいと思っていたDave Wecklのプレイ をほぼかぶりつきの位置で見れたのがこの日の収穫でした。隙間があれば何か音を埋めな いと気が済まない,せわしないプレイは相変わらずでしたが,どんなに手数を入れても憎 らしいくらいにきっちりとタイムキープ,ハラハラさせるところがないのでかえって物足 りなく思えてしまいます。それにしても,この日はオールスタンディングだったのです が,2時間立ちっぱなしはさすがにきつい年齢になりましたなー。


2004.07.06 Skanzen, Amfiteatrum (Szentendre)
Boban Markovic Orkestar

 出身国セルビアのみならず中欧全域で高い人気を誇るジプシースタイルの小編成ブラス バンド。会場はブダペスト郊外センテンドレの野外博物館にある野外ステージでした。前 半は半円状の固定立ち位置に並んで淡々と演奏していましたが,休憩後の後半は「この方 がいい」とばかりに全員で舞台の前まで出てきて横一列に並び,マイク無視の生音で勝 負。実際こっちの方がだんぜん良く,客も大いにノリノリで盛り上がりました。ストリー トパフォーマンスが彼らの原点なのだなと,妙に感心しました。最後には客席から子供を 引っ張って舞台にのせ,一緒に列を作って演奏しながら退場。まさにプロのエンターテイ ナー達でした。


2003.03.18 Budapest Convention Centre (Budapest)
Tap Dogs

 オーストラリアのモダン・タップダンス・グループ。リストに入れてはみたものの, これは「演奏会」ではないなあ…。


INDEX >