天国

 A子さんは両親と3人暮らしのOL。
 ある日、いつものように仕事が終わって家に帰ると、テーブルの上に1枚の書き置きが。

「お父さんと一緒に天国へ行きます。 母。」

 慌てたA子さん、外に飛び出てそこら中を探し回り、知人、友人、親戚と電話をしまくった上に、なぜか自分の友人にまで電話をして、必死になって両親を捜した。
 それでも見つからないので、警察に両親の捜索願を出しに行き、警察ののんびりした対応にカンカン。
 午後9時頃、近所の人から、親戚、知人、友人、会社の同僚、近くの河原のホームレスのおじさんまで巻き込んで大騒ぎをしているところへ帰ってきたお父さんとお母さん、満足げな顔をしながら
「やっぱりテンクニの天ぷらは美味しいよ。おまえも後から来るかと思ったのに。」
 A子さんは、一生天ぷらなんか食べるもんかと思ったそうな。チャンチャン!
 こんな、首都圏でしか通用しないような小話で有名な?銀座の天国(てんくに)です。

tenkuni