親知らず(第三大臼歯、智歯とも言います)とは、通常、前から数えて8番目の歯のことであり、もちろんノーマルなケースもありますが・・・特に日本人の場合には、単に不要であるばかりでなくトラブルの原因になる(なっている)ことの多い歯でもあります。

 この親知らずについては、生まれながらにして1本もない人から、上下左右4本ともある人までさまざまで、また、そのうちの1本だけがはえてくる人、2本はえてくる人、3本の人、4本ともはえてくる人など、いろいろなケースの方がいらっしゃいます。

 そして、この親知らずというやつは・・・

正常な位置に
はえてこない

はえても、ノーマルに相手の歯と噛み合っていなかったり、はえてくる位置によっては歯ブラシが届かず、手前にある大切な歯まで道連れに虫食いになってしまう・・・というようなことになるケースが多いのです。

埋まってしまって、
はえてこない

これは、少々厄介です。
「親知らずを抜いたら、痛いぞぉ。」 といわれるのは、大抵がこのケースで、横(水平方向)を向いていたり、ほっぺた側を向いていたり、完全に歯ぐきの下にあったり、半分くらい頭を出していたり・・・と、その埋まり方はさまざまです。

ちなみに、これが原因となって智歯周囲炎を引き起こすことにより痛みや腫れの出た状態が、いわゆる 「親知らずが腫れる」 という状況なわけです。

また、このような親知らずは、手前の歯の治療困難な箇所に虫食いをつくってしまったりもします。

歯列や噛み合わせ、

顎関節にまで、

悪影響を及ぼす

はえる余地のない所にはえようとする親知らずが、歯列全体を歪ませることがあります。

また、はえてきた親知らず自体が不正な噛み合わせを生んだり、顎の動きを阻害したりすることもあり・・・このようなことから、顎関節の障害 (顎関節症) を招いたり、これが頭痛や肩こりの原因になることもしばしばです。

 この他にもいろいろな理由から、ほとんどの場合、全く自覚症状が無くても基本的には出来るだけ早期に(トラブルの発生以前に、トラブルを未然に防ぐために) 抜歯しておくべき歯・・・それが、「親知らず」 という歯なのです。