The Hook says..


【2004/2/14】 ダンス隊

今日はバレンタインデーだ。
毎年この日になると、頬を染めて思い出すことがある。
あの頃は・・まだ俺もイケイケでゴーゴーな若者だった。

友達から声かけられた。「今日飲みいかない?」
というわけで、とあるビルの2階にある店に入った。
店の中は薄暗い。ゆるやかな音楽が店を包む。
楽しくおしゃべりをしてる間に、10時を過ぎた。
突然、店の中の照明がきらびやかになり、ゴキゲンなナンバーが流れ始めた。
すると、客の3分の1がフロアで踊り始めた。なんなんだ。

となりのテーブルの人が声をかけてきた。
ギャル「踊らないの? 踊ろうよ!」
いや、俺はダンス甲子園を見ると虫ずが走るほどのダンス嫌いなのだ。
でもそれを言っちゃおしまいだ。なんとか繕わなければ。
「いや、あのその・・うん、このグラスを飲んでから・・」

むぅ、飲んじゃった。やばい・・もう一杯注文しなきゃ。
居心地の悪い中、2杯目も飲み干してしまう。
この頃になると、客のほとんどが踊り狂っていた。
このままじゃこの妙なダンス隊に巻き込まれてしまう。帰ろう。
友達が会計を済ませたので、席を立ち店を出た・・その瞬間。

ブラックアウト。

気がついたのは、エレベーターからひきずり出されている最中。1分間の記憶がない。
友人はまじめな顔をして言った。
「大丈夫、誰にも言わないから」
もちろん、翌日にはみんなに知れ渡っていたが。

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あれ以来、バランタインは一滴たりとも口にしていない。


【2004/2/9】 黒塗り

イトコは某社長と知りあいらしい。
イトコがその社長の還暦パーティに出席したので、迎えに行くことに。
会場の近くまで行ったところで、イトコから携帯に連絡が入る。
「玄関は混んでるから、駐車場で待ってて」

了解と答えたものの、今日は雨が降ってる。
スーツが濡れたらかわいそうなので玄関に横付けしてやることにした。
玄関前には黒塗りの高級車がズラリと並んでる。

社長と共に数人が出てきた。その中にイトコも確認。
社長は、客が迎えの車に乗るまで見送っている。
目の前のベンツから運転手が下りてきて後部席のドアを開ける。
社長がイトコをそのベンツに「どうぞどうぞ」と乗せようとした。
イトコは半笑いで手を振って違う違うと言ってる。
そして薄汚れた軽自動車を指さした・・。

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後部席のイトコは降り続ける雨を見ながらポツリと呟いた。
「駐車場でよかったのに・・」

「キサマ、チャットさぼって迎えにきたイトコになんてことば言うとかー!!」
と、濡れた傘の先端をイトコの耳の穴に突っ込む寸前までいった。

しかし、踏みとどまった。
こんなことでキレたくない。オレは常識のある大人だ。

なにより、翌日スシを奢ってもらうことになってる薄汚い大人なのだ。


【2004/2/7】 夜のファミレス

某ファミレスに行った。夜の10時過ぎだった。
そのファミレスは、近くにカラオケやゲーセンがあるので若者が多い。
10時過ぎという時間帯もあり、ちょっとアレな感じの人が多かった。
尖った眉毛、溶けた歯、雪なのにタンクトップ、エトセトラ。

なんだか見てるだけでイライラしてくる連中だ。
でも「最近の若いモンは」なんて言うべきじゃない。
見た目はアレでも、意外にモノゴトを考えてたりするんだよな。
これからの日本は、今までと違う新しい発想を必要としてるのは間違いない。
頭ごなしに拒絶せずに、新しい考え方を受容していかないと。

と、話し声が聞こえてきた。

溶歯「おぇ、あのさー、俺いっつも思うんだけどサー?」
尖眉「おぅ、ナニナニ。言っちゃえヨ!」
溶歯「エロアニメのさー、声優のヤツラってさー、収録のあと絶対ヤってるよナ!」
尖眉「あぁ? オマエ、考えすぎじゃネ?」
溶歯「いや、一緒にアハーンって声出してるんだからゼッテーお互いに興奮してるっつーの!」
尖眉「マァジカヨ〜」

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そう、受容していかなきゃ・・。


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