子供には学ぶ本能がある


 子供は、「知りたい」「できるようになりたい」「この世界で自分の能力を生かせるようになりたい」という欲求を持っています。
 子供の何気ない行動も実は、自分のいろんな能力を試そうとしたり、自分の世界を作り上げようとしたり、見聞を広めようとしています。だれに言われなくても子供たちは仕事をしています。自分を発達させるという仕事です。

 この仕事を大人が援助することができます。それは、誰よりも、親がうまくやれることです。

 子どもを援助するというと、まず、教材を与えたり、さまざまな活動に連れ出すことを思い浮かべるかもしれません。それも、必要なことの一部です。
 しかし、最も重要なことは、子どもが安心できる生活を提供することです。あるがままの上に立ち、愛情に充ち、非道なことが起こらない生活を子どもとともに築くことです。背伸びは必要ありません。大事なことは、心から信頼できる大人がいることです。
 そのとき、子どもは自分自身を歌いはじめます。

 子どもとともに歌えばいいのです。大人がリードすることも、子どもは喜ぶでしょう。子供のすることが学校の教科と関係なくても大丈夫です。何をやっていても、能力は育ちます。
 子どもは白紙で生まれてきているのではありません。赤ちゃんが、誰に言われなくて立って歩こうとします。それと同じものが、どの年齢にも詰まっています。


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