憲法26条第1項
すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
[解説]
法律の定めるところにより
この意味が「法律どおりに行え」という意味だとすると、下位の法律が憲法と同じ強さをもつことになり、矛盾します。
「法律の定めるところにより」は、教育が権力者の恣意によらず、法律に基づいて行われることを定めたものです。戦前の教育関係の法令は、勅令として議会を通さずに出されていました。戦後はそれを反省して、議会を通し、民意を反映した法律によって行うことを決めました。
教育を受ける権利
戦前は、「教育を受ける義務」でした。憲法は、それを正反対の「受ける権利」としました。しかし、このことの意義は当時の人たちに理解されず、教育を強制する事が行われ続けました。
「受ける権利」は、とうぜん、子どもが自分にあった教育を求め、選べることを意味します。
現在の国際スタンダードは「教育への権利」(right to education)です。これは、子どもが自分に合った教育を受けられる権利です。
憲法の「教育を受ける権利」は、「教育への権利」と理解されるべきです。
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