〜*〜寄生虫フォトアルバム(その6)〜*〜

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Isoparorchis eurytremus
(扁形動物門吸虫綱二生亜綱プラギオルキス目・生鮮個体)
筑後川でとれた1匹のナマズの鰾(うきぶくろ)からこれだけ(8匹)出てきました。魚類寄生虫の中で は大物です。第一中間宿主はカワニナの仲間、第二中間宿主は水生昆虫などで、小型魚類が待機宿主となります。最近学名が変更になり、日本および極東産のも のがI. eurtytremusとしてと東南アジア産のI. hypselobagriか ら独立しました(Shimazu et al. 2014)。もとの学名を受け継いだ東南アジアのI. hypselobagriは、大型であるためか、その生理学が、魚類寄生虫としては異例によく研究されてい ます。
Isoparorchis
Centrocestus
Centrocestus armatusのメタセルカリア
(扁形動物門吸虫綱ニ生亜綱プラギオルキス目・生鮮個 体・実体顕微鏡写真)
本種は鳥の寄生虫で、Metagonimus属と並んで分布の広い種類です。第一中間宿主はカワニナ類で、特に秋にセル カリアが多く見られます。中間宿主となる魚類の種数も多く、特にオイカワやハスは非常に高い密度での寄生を受けます。こ の写真はできがよくありませんが、ハスの腸壁にびっしりと寄生したメタセルカリアです。その数、万は下りません。野鳥は 魚を一匹食べると…なわけですね。
Phyllobothrium sp.
(扁形動物門条虫綱真正条虫亜綱四葉目・生鮮個体・実体顕微鏡写真)
四つ葉のクローバーではありません。学生実習で解剖した玄界灘産ホシザメの腸から採集された、美しい条虫の頭節です。サ メやエイなどの軟骨魚類は豊富な条虫相を持ち、解剖した2匹のサメからは少なくとも4種の条虫が出てきました。いずれも 独特の造形美を持つ頭節があります。そのうち順次アップしていきたいと思います。
same-cestod