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OUT〜妻たちの犯罪〜

 うにゅー演出勝ち。すっごいキモチワルイ。色んな意味で。死体処理がどうとかいう直接的な気持ちの悪さ以外にも、田中美佐子さんの始終どんより真っ暗い強さみたいなものが全体的に雲のように覆い被さっていて、それが色を決めている感じ。下手に余計なサブストーリーが絡まない分だけおどろおどろしくて。今までなかったタイプの映像のような気がした。哀川翔氏演じる十文字さんみたいな立場の人が、一筋の太陽に見えて来る物語なんて、あんまりなかったし。
 原作を読んでいる人が「ドラマはドラマで別の面白さがある」と言っているので、ひょっとしたら数少ない成功作なのかも知れない。作る側もあんまり寄り道せずにまっすぐやりたいことをやっているんだろうなあと。

 なすびはもう少し違うドラマで違う役柄で使い道を探ってあげて欲しいのだ。彼が悪いわけではなくて使い方を間違えている。絶対。

固定リンク / 1999.12.21


アナザヘヴン〜eclipse〜

 飯田譲治さんは好きなんだよー、基本的に……。ただ、別にオカルト入れる必要、感じないんだけどなー。この人の作るものって。
 彼のクリエイタ魂は「悪意」がメインテーマみたいだけど、あんまり変な小細工しなくても表現出来る人なのに。そうじゃないと視聴率取れないと思っちゃってるプロデューサの思惑なのかなあ。もったいない。映画、目から血流したりしてなければ見に行く気にもなるんだけど。うーん。そういうのって必要ないんだけどなあ。
 飯田譲治の、オカルトも流血も抜きの心理戦が好きなんだけど……。

 飯田さんの描く人物造形(性格的な)の中にときどきズキューンと来てしまう人がいて、今は加藤晴彦くんがやってる幕田ユウジがもぉツボ過ぎです。臆病なくせに大胆で、近づくの怖いくせにストーカーっぽくて、他人には判らないこだわりを抱えて、もちろんそれを周りに理解してもらうつもりなんか微塵もないままつっ走るヲタク青年。いいです(笑)。っていうか身につまされ過ぎです(笑)。私が男ならあーなってる。メル友になりたいっす。現実には会わなくていいけど。ちなみに加藤晴彦自体はどーーーでもいいです(ただ、意外と演技がうまいんだなと思ったり。地だとか言わないよね…)。

固定リンク / 2000.5.12


彼女たちの時代

 「こんなにいいのに何故視聴率が取れない?」大賞、と周りが騒いでいるので見始めてしまった。彼女たちの時代というか佐伯(椎名桔平)の時代なんではないか? これは。佐伯がいないと正直別にどーってことない話だと思った。彼が多分、いい影を作ってるんだね、全体的に。

 凄く時代的な話で、確かに不支持派(「会社でヤなことあんのに、家帰ってまでそれ思い出すようなドラマ見たくない」)も痛いほど判る。でも、たかが一時の娯楽って意識でしか視聴者がドラマを選ばなかったら質は落ちてく一方なんだし、こういうのを作る時期があるっていうのは良いことでは?わしとしては、自宅通OLを主人公に据えたドラマってえらい珍しいので(でしょ?)それだけでも、現状をちゃんと見てるなあって気がしたけどね。いるはずなんだもん、こんな人。絶対。

固定リンク / 1999.9.22 / 公式


可愛いだけじゃダメかしら?

 こういう見方をしている人は少ないかと思いますが、ジェンダー差別とか学歴差別とか、何気にマジに見てると私は突き刺さるんだけど……珍しい? 榎本ワールドにまみれちゃってて軽くなってるけどね。
 だからまあいいんじゃないかな、かわいいだけでも。
 音無さん、このくらいの(ショートコント系な)使われ方の方が実は自由度が高くて面白い、ような気がする。原作とは既に別物だけど。グンジィが迎合しすぎなのがネック……。
 あとは……いい加減小嶺ちゃん別の使い方出来ないものかねえ。もうこういうキャラの彼女は量産され過ぎ。「冷たい夏」の彼女の方がいいなあ。(もちろんベストは「水の中の8月」だけどね!)
 もいっちょ。「VENUS」、密かにツボなので、見ると頭の中で鳴り出します。気がつくと歌ってます。困ったもんです。

固定リンク / 1999.3.15 / wikipedia


危険な関係

 話自体はテーマ的には何処かで聞いたことあるようなだし、主人公の行動の背景がよく判んないしで、正直あんまり集中して見ていられないドラマではあった。魚住はトヨエツであることがプラスに作用しているけど、紀香嬢は何となく今いち素直に善しと出来ないのは何でなんだろう……。

 このドラマってトヨエツ勝ち&演出勝ちのような感じ。こちらも恋愛の描き方が何だか浅いようにも見える。

固定リンク / 1999.12.23 / 公式


君が教えてくれたこと

 ともさかりえさん、凄い。目線とかかなり研究されているようですねー。それに比べて山口もえちゃんのキャラが普段と変わらない。
 あんまり、同情票を引くような作り方をしていないのは何となく好感あります。でも、ただのラブストーリーになっちゃってるので、見続けたい〜って気持ちには全然ならなかったんだけど。ともさかさんの視線だけ見てます。いやホントに。何か凄くいい。

固定リンク / 2000.6.29


氷の世界

 どーなんでしょ。野沢さん自身の才能は認めるんだけど、そろそろこの手のミステリー連ドラというのは1クールでやるにはキツくなって来てるんじゃないかな。
 何というか、1クールだけもてばいいのかー的な煽り方をしているように見えてしまうのだが。
 話自体には何か深いテーマも込められているんであろうとは想像するんだけど、演出にせよ周辺メディアの使われ方にせよ、単に犯人探しのエンターテインメント的なものに終始しちゃっているように見えてちょっと残念。そういえば「眠れる森」も最後の方はそんな感じでしたね。犯人が判ってそれで終わりで本当にいいんかい? っていうか。「物語が残らない物語」に一直線のような。
 恋愛モードの書き方も浅過ぎるのかも知れない。というか、この期は丁寧さんが他にいるせいで不利になっているとも言えるのかも。

固定リンク / 1999.12.20 / 公式


恋の奇跡

 本当の美しさとは何か、ということがどうやらメインテーマらしいですね。しかし、だとしたらこのタイトルはどうにかならなかったのか。全然、恋の奇跡でも何でもないような気がするんだけど。
 女子の皆様にはかなりイタイ物語。全然期待せず見ていた私ですが、結構良いところを突いていたドラマだったと思います。ただ、タイトルがねえ。どうもねえ。途中から全然違う物語になっちゃった、みたいに見えるけど、絶対、最初からこっちが本筋だったんですよねえ。だとしたら、何つーか、もーちょっと良い言葉を探せなかったの? 偶然第一話見てなかったら、タイトルで「見ない候補」になっていたと思う。

固定リンク / 1999.7.1 / wikipedia


高校教師

 リアルタイムでは未見でした。ちょうどバブリィに忙しい頃で。でもこれは一週間に1時間でいいですね。連続して見るもんじゃねぇや。疲れた。
 直子ちゃんのサブテクストの方が話として素敵。地獄と癒し。
 繭の暗黒面が変に綺麗ゴトな描き方に終始してるのがどーもね。クラスでの彼女の位置が全然見えて来ないのもちょっと。彼女が高校生であるということが物語ではひとつのキィのはずなんだから、学生な繭(当然キレツが出て来るはずの)ももうちょっと要素としてあった方がよかったんでない?
 あと最終話、邪魔。なんとなく。刺して捕まって終わりでいいと思うんだけど、個人的には。
 最近だと色々視聴者もうるさくなってこういうドラマは作りづらいのでしょうね。そういう意味では伝説に出会えた、という感慨はありました。

固定リンク / wikipedia


小市民ケーン

 うわーーーーこの作り方って何かアニメっぽくない? 普通の人はコントっぽいとも言うのかも知れないけど、無関係なシーンがいきなり入って来たりして。こういうカッ飛んだ演出をゴールデンタイムの連ドラでやるとは。どうしたんだ。3ケ月で終わる娯楽と考えれば無難な選択なのかも知れないけどさ。
 どうなんだ? まあ、面白いとは思うけど。

固定リンク / 1999.9.21 / 公式


TEAM

 君塚さんはケーサツものを生涯の研究テーマになさるおつもりなのでしょうか。
 それにしても草なぎくん凄く良い。ハマり役です。背後の闇背負い加減が絶妙で。このままこの方はいい意味で「性格俳優」になりそうな予感。

 少年犯罪がテーマなんだけど、サブストーリィとしての綴ちゃんと風見くんの関係とか、君塚さんうますぎる。絶妙。

 少年犯罪はかなり多面的過ぎて、今期の他ドラマと違ってこいつだけは1クールじゃ全然もの足りない。まあ物語の前提が風見という「文部省」の3ケ月研修なんだから、1クールで終わっちゃうと言えば終わっちゃうんだけど、何ていうか、1クールという前提で企画を立てて欲しくなかった。金八までは行かないかも知れないけど、ある程度シリーズ化出来るものだし、しても良かったのでは。君塚さんが忙し過ぎて無理かな。
 風見のようなキャラクターを文部省という場所に置いちゃった以上、これから別の形でも続いて行って欲しいなとちょっと。2人がチームを組んでの事件は最後、みたいな終わり方になっちゃってるから、この「チーム」復活は出来ないとしても、「文部省の風見くんシリーズ」(何だそりゃ)的な何か。
 あ、それじゃ警察モノじゃなくて文部省モノになっちゃうか。
 とにかくこのまま終わるのは惜しい、という気がした。

固定リンク / 1999.12.22 / wikipedia


Dの遺伝子

 こっちでは放送してなくて、存在自体を知らなかったのですが、たまたまツタヤで出会ったので借りてみました。というわけで、全24話中、15話しかビデオ化されていないようで。ちょっと残念。

 この手法、面白いですね。役者さんたちも力量が判る……。演技として演技しちゃいけない訳だし。あと内容も、BLACK OUTが胸にキュンと来たのと似たようなトキメキ(笑)。
 未来を想像する、というのには色んなやり方があるけれど、こんな風に、実際に起こるかも知れないリアリティがある想像っていいなあと思う。というか、多分、科学の発展っていうのはこういう類の想像がなければ出て来ないはずのものなんでしょうけれども。
 BLACK OUTもそうだったけど、人間ってやつは、選べる選択肢が目の前に既にあっても、それをあえて避ける、という段階に来てしまってる。人間のクローンを作るかどうか、出生前診断の問題……などなど。「発展」させようと思えば出来る、けれどあえて進まない。今はそっちを選んでるけど、これからどうなるのか判らない。そこを選ばなければ判らないことだってきっとあるはずだから。

 この手のドラマってどうして地方には来ないんでしょうね? BLACK OUTもそうだったし……。

固定リンク / 1999.8.16


天使が消えた街

 「君が教えてくれたこと」さえなければもう少し評価が上がったかも知れないんだけど、ともさかさんの視線があまりに素敵過ぎるので、ちょっと。捨て切れてないんすかね、フミヤは。まあ、ともさかさん演じる繭子が高機能/多動性で、フミヤ演じるお兄ちゃんは知的障害/離人傾向、と思えばいいのかも知れないけど、でも、どーも突き抜けてないと言うか。
 正直、キャスティングが納得出来ないんですわ。それだけ。

固定リンク / 2000.6.28 / wikipedia


ナオミ

 紀香嬢ばっかり目立つけど、「3人のナオミ」の物語なんですな。実はこの「ナオミ三つ巴」がいい感じじゃないですか!紀香嬢ひとりだけでは「なんだ女GTOか」と思ったけど3人で出来る空間が俄然面白そうな雰囲気です。生活指導のりょう嬢演じる「顔色悪い女」のナオミが特に変な化け方しそうで楽しみ。
 しかし校長……(笑)。アレで実はヤケに鋭い、ってやつですよね、きっと。ふふふぅ。
 「女は」だけで押し切る展開なのは相当ヤな感じです。何だそれだけかよう、って雰囲気。もうちょっと何かないのか。ノリカというキャラだけで押し切って終わりって感じ。

固定リンク / 1999.6.30 / 公式


29歳の憂鬱 パラダイス・サーティ

 おなべさん登場ものって、こんなメジャードラマに出て来るのは初めてかも知れない。『本物』の方々からは、微妙に批判が出ているようですが、まあ、それだけがテーマの物語じゃなさそうだし(というか、そうじゃない方、栗子さん恋愛事情みたいなものも随分表に出て来ているし)、しゃーないのかな。このくらいで。
 ひとつの恋愛ものとして見れば割と普通ですね。ただ、昔好きだった相手と同棲する羽目になる、しかも相手はその気はなしどころか他の男に気を取られてるってステータスは最強にせつなくてよろしい(笑)。
 文字による感情表現効果はバラエティの影響が見えるけど、手法としては面白いから、まあ、いいんじゃない? 頭の上を「別の女の影……」がぐるぐる回るのとか、笑わされちゃいました(それはそれで何か悔しい)。
 原作読んでみようかな、という気になる。ちょっとだけ。

固定リンク / 2000.7.1 / wikipedia


古畑任三郎

 海外ドラマと同じく「第Xシーズン」タイプで進んでいるのはこれだけだね。やっていけばやって行くほどたぶん推理自体は陳腐になって行くのだろうけど、もうこれはひとつの芸でありますな。毎回ゲスト犯人が入れ替わるのも楽しいし。ちゃんと毎週チェックは出来なかったけど。

固定リンク / 1999.6.22


ボーダー 犯罪心理捜査ファイル

 とりあえずこういう異常犯罪モノがゴールデンタイムで作られ続けることに対しては純粋に嬉しゅうございます。だからもう基本的な部分で評価が高くならざるを得ないのであります。差別差別。
 「冷たい月」の中森明菜嬢はこんなにぼそぼそーとは喋っていなかった気がするけど、今回はとにかく言葉の聞き取りにくいのなんのって。でもそれプラスポイント!演出でしょうね。「わかってる」感じ。あとは彼女、笑顔と冷淡な表情の間のギャップがすごい表情の作り方しますよね。あーれーもーいい。全部いい方に傾いてるけど、桐恵のキャラクターはひょっとして「最初に明菜ありき」かなあ。そう言われても全然不思議じゃない。
 物語はネタのパクリが随分色々と指摘されているようだけれど、そりゃしょうがないでしょう。異常犯罪にオリジナリティを求めるのは難しいような気がする。誰もが異常に感じるラインを追求したらある一定の平均値になっちゃうんじゃないかな。どうしても。異常の平均値(って言い方ヘンだけど)。

 しかし中断しちゃいましたね……。病気が原因とはいえ。

固定リンク / 1999.3.8 / wikipedia


魔女の条件

 1クール見てられなかった。何がいけないんだろう。まずタッキー苦手、というのはデカイと思うんだけど。何でこんなに苦手なんだろうなあ、カワイイだけだった頃の印象が強いせいなのかも。舌ったらずだけどそれがカワイイにならないし。演技見てらんないし。何もかもマイナス。
 某ドラマニア倶楽部でも言ってたけど、2人ともお互いにお互いのことが好き、という波動が全然伝わって来なかったのも相当問題なんだけど、始まる前から、2人はお互いとの出会いでそれぞれが自立して行く物語だ、という紹介はされていたような気がするから、まあこんなもんかなと思えなくもない。でーも、それ以外に何もないんだもんね、テーマが。
 「魔女の条件」というタイトルから、もっともっと「迫害される2人」な物語を予想していたんだけど、それも思ったより迫害されてないし、やることやってるし(下品)、すっごく中途半端な印象。おねえさんなお年頃の皆様が松嶋に感情移入してタッキーとのラヴラヴを妄想するためのおかず、とか言われたら納得しちゃうかも(ひでー言い方)。
 当初、未知役は常盤貴子の名が挙がっていたと聞いてちょっとびっくり。でもそっちの方が見てみたかったかも知れない。常盤さんが未知やってたら、何か、もっとやることやる前に(下品)苦悩しそうな気がする。何でって言われると困るんだけど。やっぱり教師なんだから苦悩して欲しかったなあ、もうちょっと。じゃなきゃ全然「魔女」じゃないじゃない?

固定リンク / 1999.6.17


ミステリー民俗学者八雲樹

 原作読んだ時も思ったんですが、民俗学という切り口はストーリー自身にはあんまり強烈なインパクトを与えてないような気が。アイスクリームのトッピングのごとくて。あればあったでテイストは変わるけど、基本は今までにもあった素人推理ミステリーだなと。
 なんというか。アクがなくてニュートラルな感じが。雑誌の片隅で慎ましやかに連載してる分にはいい感じなのかも、という感想だった。
 主役の八雲樹は、読み始めた頃は割とアクのあるキャラだと思ったんですが、眼鏡外してモードチェンジ(笑)しちゃうと喧嘩強いし、事件毎に女にモテ過ぎな時点でもうダメ(個人的に)。万能キャラになっちゃうとつまらん。

 で。
 それを映像化したドラマは。
 学者探偵(?)というジャンルにおける『先輩』であるTRICKを意識し過ぎなんじゃないか? という最初のイメージは、結局最後まで崩れることがなかったなあ。ただ八雲さんがミッチーナイズされちゃって、腕力なくなって天然毒舌キャラになってたのは個人的にはプラス評価(でもあの時間帯特有のお色気サービス+女にモテ過ぎなのはやっぱり嫌っすけど)。
 刑事コンビ(羽根井・瀧村)は、情報源として有用ではあるけどTRICK臭さという意味では一番のネックになっちゃってるんですよね。ヘンに個性的にしようと頑張っちゃってる時点でもうかなり。

 この手のミステリーが、なのか、あの時間帯が、なのか、は判らないけど、過去にヒットしたドラマの呪縛って恐ろしいことになってるなあ……とぼんやり思っちゃったドラマではありました。
 原作(に対する私の個人的イメージ)と同じで、むしろすぱっとニュートラルにやった方が良かったんじゃないかと何となく。誰もが堤幸彦になれる訳じゃないんだし。

固定リンク / 2005.3.20


もう誰も愛さない

 これは物語を楽しむのではなく変化を楽しむドラマだったように思われます。真のジェットコースタードラマ、希有にバブリィな作品。ビデオ出ていないのかな。もったいないっすね。こういうスピード感は最初で最後なんだから博物館に寄贈すべきだ。いやマジで。それでまた物語がちゃんと完結しているのが何だか凄いんだけどね。今は視聴者気にして脚本変えるのは当然になっているけどこれはやってないと思うし。まさにひとつの完璧な箱庭、という感じ。
 この話って恋愛が絡むと停滞するんだよね。だから当時見てた時は恋愛ごとははうざったかったのよね。そんなことしてる暇あったらとっとと先に行けぇみたいな。完全スピード中毒状態。話の筋なんかどうでもよくて、話に起こる変化だけをむさぼるのが楽しかった。

P.S.【祝】2004年7月DVD化。やっぱりこれは時代の記録として必要ですともさ。ええ。そうですともさ。

固定リンク / 2004.6.1 / wikipedia


蘇える金狼

 映画の「蘇る金狼」は全然知らないので真っ白で見てます。
 めちゃめちゃ不親切なつくりですな。でもそこがいい感じです。香取氏はあんまりワイルドなイメージがないので、ハム丸かじりとかされるとちょっと疑問です。その他でも……うーんどうなんだろ、香取さん? ホントに良かったのかこのキャスト?
 って最初思っていたけど、何か香取くんがドラマの中で役者として成長している感じはありましたね。この人は化けるのかも。
 漂う不親切さは最近のドラマにない骨太な感じでよろしいです。もうちょっと全体的にトーン暗くてもいい気がするなあ。

 みんな言ってたけどラストシーンは邪魔だったね。

固定リンク / 1999.6.26 / wikipedia


らせん

 お化け屋敷的な「脅かし演出」で怖がらせる手法は、何なんだ、それだけか?という気も。原作の「リング」はホラーだったけど「らせん」がちょっとSF入った変化を遂げたように、このドラマもちゃんとSF入ってくれるかどうか心配。
 主役本人が医者じゃないせいで、医学系の調査が可能な脇役が増殖しちゃいましたね。悪くはないような気がするけど、ホントに使い切れるの? というイヂワルな読みもあったりして。

固定リンク / 1999.6.26 / 公式


ラビリンス

 何か、それだけなのかな? という思いもちらっとあるな。このクールって全体的にそうだけど、ホントにワンクール保つの? っていう感じのものが多くて、これがその代表。小さい事件をたくさん起こして積み重ねて行くより他ないんでしょうけど……。テーマの持つ意味合いは2時間くらいでも描けないことないんでは?
 全体の音楽の雰囲気がとっても個性が強くて空間を全部決めてる感じ。その割にエンディングのマッキーは……うーん。ちょっと。マッキー自体は別に嫌いじゃないけど。
 渡部篤郎氏の演技は秀逸。秀逸過ぎて怖いくらい。こういう内なる凄みを綺麗に出せる役者さんってそんなに多くないですよね。何というか、このドラマ自体の物語は凄く浅い所に決着しそうな嫌な予感しかないんですが(:-p)、もう渡部篤郎氏が全て。この人がいるから見てられる。何かそんな雰囲気。
 あと、保坂さ〜ん、っていうか脚本家なのか演出家なのか、とーにかく。あそこまで怪しくするのは興ざめ。最後が見えるみたいですっごく嫌。考えてみたらその辺、「沙粧」って秀逸だったんだよね。かなりギリギリまで真犯人が見えなかった。怪しくもなかったし。「わかりやすく」することは数字取りにつながるのかも知れないけど、もうドラマ乱立気味なんだし、もうちょっと視聴者騙くらかしてもいいんじゃないか? ねえ?

固定リンク / 1999.6.30 / wikipedia


リップスティック

 野島さん、書きたい言葉を書いて来てる感じですね。この人、基本的には詩人なんだなあ。三上さんすっかり代弁者になっちゃってる。そう考えると少し冷める。
 物語が拡散気味。野島作品の割になんかストレートに入り切れずにいるのは、多分、心理的なグロさがないせいなんだろうなあ。この物語の登場人物はみんな天使みたいに美しすぎて。いや、そういうのを野島さんが描きたかったんだとしたら、「心理的グロ」を野島さんに求めてしまう私が悪いんだけど。
 切ないけどイタくないんだなあ。ちょっと物足りない。

固定リンク / 1999.6.28 / 公式


リング最終章

 始まる前の期待値に殺されてしまった作品。
 1週間と13日では余裕が全然違い過ぎて緊迫感がないので、その時点で既に別の物語にならざるをえないのだけれど、それ抜きにしてもなんとなく展開がかったるい感じ。ホラー度よりSF度が高いのも「リング」を名乗る資格なしっつーか。
 私は原作は「らせん」プロットも好きだったんで、そっちをどう展開させるのかはまあ楽しみです。
 しかしまあリング小説の中の話は「呪い」はないにしても、もろに現実になっちゃいましたね。さまざまなメディアでコピィされ増殖する貞子の物語……。

固定リンク / 1999.3.25 / 公式


隣人は密かに笑う

 同じテレ朝の「恋の奇跡」もそうだったから、これはテレ朝系の伝統なのかも知れないけど、おーい一体何処に行くんだよぉと追いかけている気分で見ていた。もう物語なんて何処にもありゃしないし。何をどうしたいのかさっぱり判らないし。雰囲気は一貫してるけどテーマは見えて来ないし。こっちも唯一の見所は「Who done it?」になっちゃってるし。
 1クール使うんだからもうちょっと有効な使い方があるんじゃないかって思うんだけどさ……(苦笑)。
 でもそれぞれの役者さんの「使い方」は面白いなあって思ったけど。この人をこう使うかぁみたいな驚きはあった。うむ。

固定リンク / 1999.12.15 / wikipedia


恋愛詐欺師

 金八の裏ってのは凄いハンディだったと思われる。別の時間帯にやったらもうちょっと数字行ったんじゃないかな。
 基本は1話完結形式だけど、綿々と続くメインテーマはやっぱりある。この連続性と独立性のバランスが結構いいドラマだったと思う(TEAMの次に、だけど)。このくらいのバランスの方が1クールドラマとしては適切なんだけどなあ。

 で、正直、ちょっと日の目が当たらなさ過ぎてかわいそうな感じ。やっていることは結構良かったと思うんだな。ありがちなテーマかと思われたんだけど結構見せてくれるじゃん、と。まあ多分に椎名氏の役者としての力量のおかげかもあるかも知れないが。

固定リンク / 1999.12.23 / wikipedia


恋愛中毒

 さっすが薬師丸ひろ子さん……この人タダ者じゃないですな。やっぱり天性の役者、という感じがする。怖いくらいに。この人もうちょっと使いようがあるような気がします。
 まあそれはともかく、この時間帯、前期の「恋愛詐欺師」に続いて、恋愛における心の弱さシリーズみたいな状態になっていますが、またまた結構いいところついてるなあ、という感じです。連ドラでやるにはちょっと冗長な気がしないでもないけど、じっくり頑張って戴きたい感じ。シリーズ的に次は何やるのかがちょっと楽しみ。

固定リンク / 2000.3.16 / wikipedia


ロマンス

 池内博之氏、ぴしぴし注目しているひとりなので、この期ドラマの中では伊藤くん@甦る金狼とともにキャストポイント高め(でももう出過ぎな気はするけど > 池内氏。仕事、ちゃんと選んでるのかなあ。選んでもいい人だと思うんだけど)。
 しかし「魔性の男」なんですね? 繁くんは。だったらもうちょっと違う人にしたかも。私なら。もっと天衣無縫な人の方が似合いそうな気がする。池内氏って、何か心に抱えていそうなんだもん(笑)、そう見えません? ぜーんぜん気づかない、って感じの方がそれっぽくてよくないですか? というかそういう設定なんじゃないのかな? 脚本的には。
 吉田智則さんは劇団の方で活躍していた方なんですよね。すっごい完璧。いい役者さんですねえ。無理なく「押し殺した感情」を(芝居として)表現出来る人ですねぇ。だから後半、ただひたすらコワイだけのお兄さんになっちゃって脚本屋バカヤローって感じなんだけど(笑)。
 話自体は正直に言うとなーんにも響いて来ません。戯曲っぽい、とは思ったけどつかさん原作だからそりゃ当たり前か。
 それより何より浅いよね。描き方が。悪いけど。ノンケが金貰って書いてますってだけなんだもん。同じノンケさんでももうちょっと問題意識のある人にやらせたら絶対変わるのに。せぇっかくセクシャル・マイノリティを電波に載せる企画が通ったのに、このままこんなんで終わってしまうのはもったいないー。
 あと、世間では不評だけど、松村演ずるオカマちゃんは私は何か好きなんですけど(笑)。いや松村本人じゃなくてあの「役」が。ああいう思考回路でああいう生き方をすることに対してちょっと共感出来ちゃうんだよねえ。まあ。いろいろと。

固定リンク / 1999.6.28 / wikipedia


笑ウせぇるすまん

 アニメの印象が強いだけに伊東四郎さんは大変そうだ。
 あと、昔のアニメ時代には15分くらいだったと思うのですが、その方がサイズとしてはちょうどよかったような気がします。1時間(実質45分)はちょっと長い。
 それから、「どうなっても知りませんよ」の後のブラックな結末が、アニメの頃と比べると弱いような気がするのはどうしてだろう。原作同じなんだよね?? アニメの時の方が、人生やり直せないくらい叩きのめされちゃうのに、ドラマの方はこの後どうにかなりうるような結末が多い。喪黒はやっぱり壊滅させてくれないと、らしくないぞ。

固定リンク / 1999.9.18 / wikipedia


lain

 別格。やっとこういうアニメが現れてくれた、という感慨でいっぱい。最初なんで音楽CHABOさんなんだろう、と思ったんだけど、layer:11でドタマぶん殴られました。アニメだけじゃなくて「動く絵と音」が見せてくれた究極の可能性。
 最初、声優がちょっとうーんってところはあってもそんなことは見てるうちに気にならなくなっちゃった。でもそんな中で速水さん(英利政美)はもぉ色んな意味でぞくーっとしますね。よいお声。ファンになりそう。
 誰も理解しなくていいです。こういうのは。lain好きはみんな同感だと思うけど。誰かに見ろなんて薦める気もなし。ひたすら変性意識にdopeしてれば幸せ。わかる人だけシェアする共同幻想の世界。

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AMEL BROAT

 えーと、フリーソフトであります。興味のある方はさくらやまスクエア(※現在は閉鎖)からどうぞ。
 伝説の剣を探してさまよう暗い過去を持つ主人公!! なんとまあストレートな判り易い設定であることか。そういうファンタジーRPGなんですが、いやはや。このどストレートな物語は、それでもそれなりに途中で真理が二転三転する面白さがあっていい感じに出来ていると思います。でもそれでもちょっとストレート過ぎ(というかRPGシナリオライターではちょっと強力すぎる人を知っているせいでもあるんだけど……)。
 でもまあ何より……
 ここまでアイテムに凝りまくっているゲームはあんまりお目にかかったことがない。いやはやよくぞフリーでここまでやったもんですね……。武器にせよ、宝箱やら民家のタンスやら「魔物」たちからせしめるアイテムにせよ、とにかくまあ一体何種類あるんですか? で、まあ簡単な解説はゲーム中にも出て来るんだけど、用途不明だったり効果のほどが謎だったり、そのくせ大したものじゃなくても後になってイベントに絡んだりしちゃって、でアイテムリスト増えまくるので大変でした。
 しかし、まあその入り組んだシステム(というかアイテムの大群)が何というか、このゲームを一種のスルメのようにしてしまっていることは確かで、さくらやまスクエア見てても判るけど、掘り下げ始めるとキリないし中毒者出し続けている模様。判るような気もする。
 ちょっと面白いゲーム作家見つけたかな、と思っている。もう実績作っちゃったことだし、次はシェアウエアでもよいのではないかな。価値はあると思う。

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アンジェリークSpecial

 これは偉大なクソゲーというかクソな偉大ゲー(?)っていうか、今までのセオリーがまるで通用しないんで、ソコにある曲がり角を見過ごしたら最後、何も知らないで捨てられる、というやつですね。
 マニュアルにもあるように、一応公的な(?)目的は、主人公の金髪の女の子(名前は変えられる)とロザリアという貴族出身の女の子の2人が、女王候補となってどちらが女王に相応しいかを試験される。その試験とはいわば陣取り合戦である(元も子もない言い方だ……)。ある星のある大陸の両端からスタートして、町を育成して発展させて行き、先に中央の島を自分の陣地にした方が勝ち。で女王に即位する。
 自分が女王に即位するのが一応正当派のハッピーエンドなんだけれど、アンジェリークにはまっている人は、このエンディングのことはみんなバッドエンドと呼ぶ。
 そこにある曲がり角、とは、女王試験の最中に、町の発展のために力を借りることの出来る9人の「守護聖」と言われる男性たちとの関係。
 途中で、彼らと仲良くなり、女王試験を途中で投げ出して恋に走る、というエンディングがある。でこれこそ、アンジェリーカーたるものが目指す「ハッピーエンド」。しかし物語的には全然救われなくてあまりに無責任だ主人公。
 RPGの「勇者」になってしまった主人公は何度死んでもデータをロードして責任をまっとうしないといけなくなるもので、で私も脳みそがそういう方向にしか出来てなかったんで、むおぉ史上最強に難しいよアンジェリーク!!
 すっごい行き詰まって(どうしてもロザリアに負けたくなくて女王になっちまうんだよ)、攻略本に手を出してみたら……。
 育成している町の大使と仲を悪くする方法だとか、わざと冷たくして仲悪くなれとか(仲良くなった守護聖は良かれと思って頼みもしないのに勝手に町を発展させてくれるので)、サボること、相手を妨害すること、戦いを長引かせること(恋愛イベントはある一定の日数が経たないと始まらないから!)、そんなんばっかり。うえええ。わっかんないよこんなのー。
 あとはWeb巡りをするとゲーム本来の話があんまりなくって周辺事情と同人系ばっかりってのもちょっとねえ。ときメモやった時って、Webの情報だけで攻略本なくてもよかったんだけど、そういう基礎データにみんな関心がないのかと思ったら、逆に、基礎知識などない方が(つまり女王になれない方が)いいんだから当然なのかも。
 ゲーム的にはすごいクソゲーだ思うけど、戦略勝ちというかキャラクター勝ちというか……(笑)。でも負けるつもりでサボるとそれなりに何も進展しないし……。微妙過ぎてイヤ。HPで測れない世界。女心をよくわかってる、と言えばそうかも(セクハラ)。

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Creatures

 Child Dream発RPG第二弾。
 物語の設定がまず、いいんだなーこれが。主人公はモンスターである。フィールド戦闘で「人間」を敵に闘ったりしちゃったりして。つまりこれはモンスター視点の物語。
 恐れられるものと恐れるものの関係。「共存」という言葉の意味。そういうことをすごぉくふかぁく感じさせるむっちゃくちゃ奥深いテーマを語ってくれるRPGです。
 とにかくシナリオが良いです。良過ぎます。もぉイベントごとに号泣させられました。であるイベントの翻案元になった小説とか読んでもまた号泣しちゃうし(著作権消滅作品なので青空文庫で読めるぞ > クリアした人)。とにもかくにもひとつの物語として心の中に切り込んでしまってしばらく抜けなかったです。
 RPGに物語を求める人にはおすすめしたい作品です。あとは、何ていうか、はかない願いとはいえ、アニメ化したらいい感じ、という気もするんだけどな……とにかく話がいいので。うーんでもちょっと重いか(テーマが)。

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せがれいじり

 いやあ、最強(笑)。こんな破壊力のあるゲームは初めて出会ったかも知れない。
 何せなんでこんなに売れるのかそもそも理解不能だし。これは秋元きつねという一クリエイターの偉大さ加減を証明するために出てきたソフトなんだなとしか思うしかないでしょ。
 これは、秋元ワールドをここまでゲームの形に仕上げた人が凄いんだと思う。普通デジタル系ビジュアル作品って鑑賞するだけで具体的に「触れない」ものだけど、でも一番触りたいものでもあった。その辺のギャップを最良の形で埋めていただけたという感慨でいっぱい。
 内容がもうとにかくおバカなくせに、フィールドを歩き回る時の画面の動き方とか操作感とかはかなり丁寧に作り込まれている感じがして、侮れないですよマジで。でも内容はバカなんですけどね。凄いくせに脱力感満点。そういう全てがイイ方に働いちゃってる。私にとっては、だけどね。
 多分嫌いな人は徹底的に嫌いと思われる(笑)。でも秋元きつねさん属性な人は絶対買い。

固定リンク / 2000.2.9


To Heart

 えー、何でこれエロゲーなの?
 いや、私がやったのはPS版なのでエロゲーじゃないんだけど、エロである必要性なんか何も感じないぞって感じ。PC版やってないので、まあズレた感想かも知れないけど。
 高校生活2ケ月間の、まあほぼサウンドノベルな展開。PS版は単なる恋愛シミュレーション。キャラクター確かにいいですね。というかそれを知りたくてやってみたんだけどさ。
 マルチは覚悟していたので覚悟していたなりに泣けました。期待度100実感度100という感じ。裏切られたのは志保嬢。期待度30実感度95って感じですね。唯一落涙したのは志保ちゃんだった。彼女のシナリオはエロない方がいい〜!! というか、PS版では唯一「一線を超えない」ことが言葉ではっきり語られてるキャラなんで余計にちょっと切なげ。他のキャラはあれからどーにでも想像出来そうだけどさ。特に委員長、正常な男子はあそこでフェイドアウトしないよね、きっと。

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serial experiments Lain

 危険過ぎる……。「グロテスクな表現が含まれています」とか書いてるバヤイではない。血が流れることなんか些細なことと感じられてしまうくらい。スプラッタが殺人鬼を作る、という理論が正しいなら、このゲームは人を殺せる……ような気がする。
 ゲーム内容を説明するとそれはそれは退屈なことこの上なし。
 玲音という女の子が、幻覚を見たり幻聴を聞いたりすることに悩み、カウンセリングを受けに来る。担当したのは柊子、アメリカ留学から帰って来たばかりの27歳のカウンセラー。彼女と玲音の3年(4年かな?)にわたるカウンセリング記録や玲音・柊子の日記、カウンセリングカルテ、友人たちの玲音に関する証言、等々がデータとしてネットワークサイトにちらばっている。プレイヤーは、そのデータをひたすら収集する。
 とにかく収集するだけ。収集して再生する。それで玲音という存在を再構築していく。それが全作業。それ以外のことは何も出来ない。
 そんなわけで、何ていうか、……これはゲームではない。どっちかというとサウンドノベルに近いような気がするけど、ゲームが進んで行くにしたがって、「ものがたり」の枠組はもうどうでもよくなって来る。それ以外の違う世界がプレイヤーのモニタの中に出来ていく。
 「オレのモニタの中にlainがいる……」な世界にイっちゃった人もいる、らしい。
 エンディングを迎える直前あたりでそれはもう壮絶な世界なんだけど、実はエンディングを迎えても残念ながら終われない。色んな意味で。本当の意味で終われる地点(人はそれを『完全エンディング』とか言うのだが)は確かにあるんだけど……。
 多分痛みは消えない。
 この積み重なる痛みに免疫のない人がやったら死ぬよ。
 ゲーム、という世界はまだやれることが残っているんだなあ、という感触と、とんでもないものが出て来てしまった、という茫然が半々。

 ちなみに操作性がすっごく悪いのは多分わざとなんだろうな。これですいすいとデータ間を渡れてしまったら、きっと『現実』に降り立てなくなるから。このイライラがかろうじて現実との接点、そんな感じだった。
 ちなみに私はGatewayの『ストレスカウ』をニギニギしながらやってました。ちょっとイライラ解消手段を手元に置いておくとよいかもです。芸術的なくらい操作性悪し。

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LOST MEMORY

 Child Dream発RPG第一弾。彼らにベタ惚れしたきっかけでもある。
 コレやってから、RPGやるにあたって、それまで当たり前のように見て来たひとつのことが当たり前に見えなくなってしまった。それはつまり、何で主人公はモンスターたちと闘わなきゃならんのかということ。
 みんないきなり現れていきなり闘っていきなり経験値なわけだけど、少なくともChild Dreamの場合には歴然とした理由があるんだよね。彼らにも人間を襲う理屈がある。この一点だけども凄く愕然とするというか……ただ力で押し切ることが価値、という世界観とは次元の違うシナリオなのがまず美しいです。もし、子供たちに何かひとつゲームを勧めなければならないとしたら、私はこれかCreaturesを真っ先に押します。で、経験値稼ぎとは違う「闘う価値」に何かを感じてくれればベストですね(前半だとロコなんかが代表ですが……)。
 実は込められているテーマってどん底に真っ暗でしかも社会派なので重たい重たい。でもそれをゲームという世界にうまぁく閉じ込めることに成功している非常に稀有な作品。これは「読む」PRGです。闘うことは付加価値に過ぎない。泣きます。環境庁のお役人にもおススメ(大マジ)。

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