イタリアからソーセージ充填器を買う

市販品に手ごろなものが見つからないので世界!を相手に探索しました
手ごろな価格とシンプルな構造のイタリア F.A.C.E.M社製の充填器を買いました
イタリアFACEM社マーク


挽肉器を使って腸詰を作ってきましたが、押し出す際に挽肉器のなかで練られてしまうため脂の分散が崩れてしまいます。絞り袋も使ってみましたが力が必要で息が上がってしまいます。ということで個人輸入しました。

サーチエンジンを使って日本はもとより多くのHPを探しましたが趣味で使用するような規模の充填器はなかなか見当たりませんでした。
サーチする言葉を変えて探すと、アメリカの調理器具販売店で取り扱っている器具が見つかりました。その取り扱い器具はすべてイタリアのF.A.C.E.M社のものでした。
イタリアから買うのも一興かと思い購入することにしました。

国内ではナチュルダ通商有限会社 で輸入販売していますので問い合わせてください。もちろんほかでも売っているかも知れません。


購入の経過

F.A.C.M社に問い合わせたところメールもキャッシュカードもダメでFAXと銀行振込みでしか取引しないとのことでした。我家はローテク生活をしていますのでFAXどころかビデオも持っていない、洗濯機も二糟式という状況で皆にからかわれる始末です。
またキャッシュカードは個人輸入をするために取得して、事実個人輸入にしか使ったことがありません。それが使えないなんて。
嗚呼!!これがイタリアか。イタリア恐るべし。

てなわけでFAXは友人にたのみました。FAXを交わすこと双方併せて10通ほどでやっと機種・金額が決まって購入準備は終わりました。

SAUSAGE FILLER MACHINE 5 DE LUXE(内容積5L)価格 378000LIT 輸送費 330000LITです。品代と輸送費がほぼ同額です。

そこでチョット心配ごとが。
LITとなにか?為替計算ではITL(ItalyLira)になっています。フト、イタリア恐るべしのことばが頭をよぎります。あちらこちらに電話を掛けて教えてもらいLTI*1000=ITLであることを確認したころには、アメリカから買った方が良かったかなと思うほど疲れてしまいました。

次は金の振込みです。ここでも最初に指定したところと違う銀行に支払うように指示してきたのでいささか不安がよぎったのですが、もしだまされたのならばこれも経験だ!とばかりに支払いました。取引のない東京三菱銀行に現金を持って行き、送金手数料2500円+38917円(678000LIT)を支払いました。

「ヒャッホー」これですべて終わったぞ。しかし、手続きに時間が掛かり今期のサラミには間に合いません。しかたありません。なにせ相手はイタリアなのですから。

でもこれで済めばよかったのです。それから2週間後成田から電話がありました。「あなたの荷物が届きました。どうしましょうか。」どうしましょうだって!?、なんで成田なんだ?
私は「どうしたらいいんですか?」と言うしかありません。つまり通関を自分でやるかそれとも代理店にやらせるかを決断しなければなりません。私は北海道ですからどうしても代理店に任せるしかありません。請求金額は19961円でした。

その上おまけがありました。厚生省に対する確認願いを提出する必要があったのです。つまり食肉加工器具の輸入には厚生省に届出が必要で、個人使用であれば届出の必要がないことを確認してもらう書類でした。代理店の請求書に食品届作成料として3000円が含まれていました。

そして器具は到着し、私の手元には25枚の書類が残りました。出したFAXを含めて30枚の書類が必要だったとは。

合計61378円掛かりました。安いのか高いのかはそれほど問題ではありませんが、少しの反省を書くと、
1.アメリカのしかるべき調理器具の通販店から買う方が、イタリアから輸入するよりももしかしたら安く、確実に簡単かもしれない。
2.船便を指定したのに航空便で来た件については、以前経験したアメリカからの輸送費に比べて330000LITは高いなとは感じましたがイタリアは遠いからな、と楽観していました。この時点でもう一度船便指定をすれば7000円ほどは節約できたかもしれない。

それでもイタリアから買ったのは良い経験でした。アメリカから物を買うのは簡単なことですから。


充填器購入の書類の山



使ってみて

筒とロッドはステンレス製でピストン部分はテフロンで出来ています。ロッドの送り部分は頑丈な鋳物に組み込まれており、長期間の使用に耐えられそうです。趣味で使うには一生ものでしょう。もちろん部分的にはイタリア的な楽天主義がみられ、せっかくステンレスで耐性を高めているのに口金を止める外側のネジがアルミ製で、すでに軽い腐食が見られる等が日本製ではないことを表しています。しかし本体価格2万円弱なのですから、とても日本の物価では考えられません。
使用後の洗浄・乾燥をしっかりすることで欠点を補う必要があります。

充填器

写真にあるように四種類の口金(10,20,30,40mm)がついていますからウインナーから大きなソーセージ類まで使用できます。

おおよそ3〜4Kgの挽肉を詰めることができます。筒を外して口金取付部位をラップして立てます。小さなテニスボールぐらいに挽肉を丸めて拳の背で押さえて丁寧に詰めていきます。なるべく空気を入れないように詰めます。
充填器へ肉を詰める

筒をセットして取手をグルグル回すだけで簡単にサラミができました。サラミはかなり硬い状態の挽肉を詰めますが35本のサラミが20分ほど詰め終わりました。力がいらず脂肪の潰れも少ないので買った価値は十分にありました。最後まで押出すと筒の中には肉が残らず経済的です。
使った後の分解は簡単です。十分に洗浄し、完全に乾燥させて保管します。

充填器を使う 充填器を使って詰めたサラミ
今後はソーセージ類も作っていこうと思います。