バイロイト音楽祭をより楽しむために

 公開:2016年9月14日〜
 更新:2021年9月14日 ローテンブルクとヴュルツブルク を追加

終演後の祝祭劇場  2016年8月

  私が縁あって初めてバイロイト音楽祭へ行ったのは1999年。シノーポリのパルジファルを観た時、音が、 聖杯の光が私の体の細胞を突き抜けていった。1幕が終わった時、「うお〜」っと声が出た。本当に感動したら、「ブラボー」なんて言葉が出ない(頭が真っ白で、3文字も話せない)。現地友の会やワーグナー協会に入ればチケットの入手が可能となるけれど、正式の郵送申し込みで何年かかるのか試してみたら、次にチケットが当たったのは2009年、10年もかかった。2009年はティーレマンの指環。オーケストラがこんなに雄弁に音楽を語るのか、歌手よりオケがこんなにも歌うのか、衝撃を受けた。そう、ここには、ここでしか聴けない、体験できないものがあるのだ。

  もう行けるだけで夢心地のバイロイト音楽祭だけれど、2014年からチケットがネット販売となり、頑張れば普通に手に入るようになった。バイロイトは田舎街で、観光も1日あれば十分、などという書き込みもあるようだが、とんでもない! いまやバイロイトはショッピングセンターを構え、日本の1/2〜1/3で衣服や靴が買え、私は4回行っているけれど、未だ観光は全て見切れない程見所がある。ただ行くだけではもったいない! という訳で、いろいろと紹介する事にした。
   

 音楽祭について

 ワーグナーを演奏するなら、ここのオーケストラは世界一、圧倒的。ただし、2016年は、ホルンとトランペットにピッチの高い人が一人ずついて、また金管、木管のアンサンブルの乱れもあったりして、絶対的とも言えない。それでも、ティーレマンの「トリスタンとイゾルデ」では、別物のようにオケが締り、ピッチも合い、指揮者に負うところも大きい。2幕など、夢のような、このまま夢遊病になって彷徨ってしまいたい位。
 2014年の指環の指揮はペトレンコ。ティーレマンと対極的な音楽だったが、特に、「神々の黄昏」は名演。あと1年振る筈だったが、諸事情で2016年はヤノフスキ。「ラインの黄金」では、 日本での公演と一緒で、ライト・モチーフがことごとく同一テンポで幻滅。例えば、巨人の動機ですら軽々しいばかりでなく、金のリンゴの動機も、少しだけテンポを落すだけでもっと魅力的になるのに、さっさと片付けてしまう。 また、ファーゾルトの、「(宝の隙間から)フライアの瞳が見える。彼女を手放すのは嫌だ」と歌う実に胸を打つ魅力的なフレーズがあるのだが、これも無機的に通り過ぎていく。ところが、 「ワルキューレ」は名演。ワルキューレは “ワルキューレの騎行” の印象が強く、金管が支配しているようなイメージを持っている人がいるかもしれないが、実は弦が主役で、 登場人物の感情を全て表現している。その弦が絶品だった。

 歌手は、バイロイトだから端役まで全て揃うかというと、そうでもない。2016年を例に挙げれば「ジークフリート」の森の小鳥/アナ・ドゥルロフスキは、飛躍する音程が全部外れていたし(これだけ音を外す人も珍しい)、ヴォータン・さすらい人/ジョン・ルンドグレンは、声が硬い上に ちりめんトレモロ・ヴィブラートで喉の力で響かせてい て、ちょっと残念。また、歌手には好・不調は付きものだ。肝心のジークフリート/ステファン・ヴィンケもヘルデン・テノールとしては役不足だったりもするが、やっぱりバイロイト。 結局最後は怒濤の音楽の力で大感動に包まれる。

 ドイツでの問題点は、演出。特に近年のバイロイトでは、過激さを増すばかり。今はオペラの演出と言うと、読み替えと単純な観客への刺激だけの後世には残らないもの、演出家の独りよがりのものが幅を利かせ、時に鬼才などともてはやされたりもするが、オペラはそれ以上でもそれ以下でも無い。また、我々は、双眼鏡片手に、難解な謎解きに行っている訳でも無い。無駄な演出は、音楽を飛ばし 、止めてしまうし、センスが問われるところだ。単純に手法の追求だけの演出は、かつての現代音楽という古典と同じ運命を辿っている。


劇場横にある郵便局。消印は、右の通り。

 2013年からのカストルフの演出は、空前絶後の大ブーイング。ラインの乙女達は娼婦、舞台はアメリカのモーテルという、またか、という使い古されたありふれた設定に始まり、フライアは、“美の女神”だから、という単純な連想から、フリッカの隣でヴォータンといちゃいちゃ。フリッカは結婚の女神で、 「ワルキューレ」ではジークムントとジークリンデの関係を許さず、ジークムントを死に追いやった張本人であるにもかかわらず、フライアに手を出しているヴォータンの隣で寝ていて、物語は矛盾崩壊。加えて、 常に舞台上でTVクルーが動きまわり、舞台に設置されたスクリーンに映し出され(もう、こんなマイナス演出を使う人はいない)、煩わしさはピークに達する。そんな調子で 「ジークフリート」では、最後に森の小鳥がワニに食べられて、ジークフリートが引きずり出して終わるのだから、もう大変である。やっとバイロイトに来て、これではたまったものではない。


音楽祭の前にリハーサルが行われている劇場内のレストラン

 そして2016年。今度は免疫ができているから、とワニに会うのも待ち遠しい。物語の肝心の所は舞台の奥で行われて見えず、スクリーンでしか見れないのは相変わらず。 「ジークフリート」では、主役達より所狭しと動き回る人が登場したりするが、このあたりは無視して音楽に集中した。「ジークフリート」で登場したキャンピングカーは、3幕で後ろに 桶だの椅子だのがらくたが取り付けられたのだが、「神々」の1幕で、あれがグラーネのシルエットになっているのに気付いた。さらに、キャンピング・カーの右前に電球がぶら下がってきて、気付いて、とい言わんばかり。 えっ!..... 彼ってもしかして....!


2012年5月 MET

 ルパージュ演出のメトの指環は、「ジークフリート」までは彼の天才ぶりが発揮され圧巻だったが(2012年GWでのブリン・ターフェルの「ワルキューレ」の終幕は、涙、涙。一生の宝)、 「神々」でロボット・グラーネの登場で一気にぽしゃってしまった。 よりによって「神々」で台無し。カストルフはそれとは真逆だった。 キャンピングカーがグラーネになっているのに気づいたら、昔、Mr.マリックの超魔術が、ある事に着目したら一気にそのマジックの種が解ってしまった事があったのだが、同じように彼の演出の意図が雪崩れ込むように理解できてきた。

 キャンピングカーは グラーネのモチーフであると同時に、ブリュンヒルデの幸せの大きさも表現している。そして、その幸せは、隠れかぶとでグンターとなったジークフリートによって、キャンピングカーの扉が閉じられる事で、幸せの終わりとなる。グートルーネの ちっぽけな幸せは、イセッタという超小型の車に象徴。黄金を守るラインの乙女達は 縦目のメルセデスのオープントップ(今や世界中で大人気のクラシック・プレミアム・カー=黄金)と、車まで格付けして設定、表現されている。 とすると、3幕でも、このキャンピングカーはグラーネとして登場する筈だ、と期待すると、何と、グラーネは舞台が回転して正面からブタ顔で登場。ドイツでは豚は食生活には切っても切れない関係。さらにネルトリンゲン(後で紹介する隕石落下の跡に出来た街)では、豚は守り神だ。 さらに、これは旧西ドイツ側で見られるマスコットなので、ジークフリート/ブリュンヒルデは資本主義側まで暗喩しているのか。何という想像力と発想! あれだけ嫌っていた演出は、いつの間にか大興奮で虜になっていた。


写真左:ネルトリンゲンの博物館にて。写真中央:ネルトリンゲンでは、一般家庭の玄関先にブタが守護神として飾られる。
写真右:ミュンヘンで見かけたバイエルン・ミュンヘン(名門サッカー・チーム)のブタ(いずれも2016年旅行時撮影)。

 「神々」では、東西ドイツ国境にあった看板の横に階段が。そこからジャガイモが落下していく(戦艦ポチョムキンのパロディ)。とすると、あれは、共産・社会主義から資本主義への流れと転換を示唆し、 しかも、じゃがいもはドイツか(東ドイツの比喩)。登場人物をこれにあてはめてみると、階段の登場の位置と動き、消えゆくタイミングが見事に一致、恐ろしく綿密に設定されていたのだった。とすれば、終幕のNY証券取引所の崩落も表面的なものではなく、大いに納得できる。レトロ・スペクティヴに考えてみると、ジークフリートでは、鍛えていた筈のノートゥングはどうでもよくなって、完成形がキャンピングカーから登場していた (「ジークフリート」1幕でキャンピングカーが出てきた、という事は、「神々」で、彼がグラーネと共に旅立つ事を既に示唆している)。そして、ファフナーは、ノートゥングではなく、今やイスラム・ゲリラでも常用されている貧者の銃:カラシニコフ (ノートゥングの真逆の存在)で倒される。 さすらい人の槍(建設用の鉄筋=現代建築の筋、ワルハラを作らせた張本人)は、ノートゥングではなく、素手で折られてしまう (ノートゥングではなく、素手でも折れてしまう事で、ワルハラが脆弱である事への暗喩)。これらの設定は、オペラのキーとなるものの否定でもあり、これは、カタリーナの「媚薬の否定」に通じる共通点でもある。今は、オペラの筋の中核となるものを否定するとどうなるのか、オペラ(楽劇)が成り立つのか、という実験領域に踏み込んでいるのかもしれない。

 とすると、「ラインの黄金」のあのばかばかしいドタバタと煩わしいTV中継などは、本来あるドタバタ劇の要素の誇張で、過去使われたダメな演出の否定提示までしていたのであろうか。ただ、 「ワルキューレ」では、ブリュンヒルデが、ニトログリセンリン(とロシア語で書かれていた)を瓶に詰めてスクリーン上で爆発させ、ヴォータンの怒りを表していたけれど、弦が猛烈な怒りを表現していたし(身震いする程!)、こういった、何でも演出を付けるのは私は反対。オペラのキーとなるものへの否定があるなら、演出の否定の演出はどうだろう。出演者はほとんど棒立ちで身振り程度。何よりも音楽が表現しているので、観客の想像力に委ねる。演出家が演出しない演出もあっていいのではないだろうか。

  *2016年10月5日追記: 上記・カストルフの演出「フライアは、“美の女神”だから、という単純な連想から、フリッカの隣でヴォータンといちゃいちゃ。フリッカは結婚の女神で、 「ワルキューレ」ではジークムントとジークリンデの関係を許さず、ジークムントを死に追いやった張本人であるにもかかわらず、フライアに手を出しているヴォータンの隣で寝ていて、物語は矛盾崩壊 」について。本日、新国立劇場の「ワルキューレ」を観て気付いた。フリッカは、ジークムントとジークリンデの関係を許さなかったが、では、フンディングとジークリンデの結婚はどうなのか。単なる貢ぎ物での結婚は許すのか? そして、さんざん方々で子供を作ってやりたい放題のヴォータンの正妻でいる事の矛盾。それを考えれば、「ラインの黄金」でのフリッカの矛盾は、皮肉として表現した、とも考えられる。カストルフがそこまで考えたかどうかはわからないが、そこまでイマジネーションを刺激するところが凄い。しかし、それにしても東京フィルの金管の、あまりの下手さには閉口した。2幕は拷問だった。日本ではブラスバンドが盛んなのに、なぜプロのオーケストラの金管はあんなに下手なのだろう。歌手達は素晴らしいのに.....


庭は、丹念に歩くといろいろ発見がある

 2014年にあの演出を観た時、私は拒否反応で、演出についてあれこれ考察していた記載を見かけたけれど、興味が湧かずスルーしてしまった。あれは自分で発見しないと面白くないかもしれない。今、猛烈にもう一度観たい、と思っているけれど、来年2017年8月は、アメリカで皆既日食だし、あの不人気ではDVDも出ないだろうなあ....
 2006年に音楽現代に書いたけれど、「
現代演出であっても、音楽的な背景は大切にして欲しい」というのは今も同じ意見。以下は、その時の原稿から抜粋。2000年のトーキョー・リングについて。

 例えば、第2幕でのジークフリートが葦笛で小鳥の声を真似るシーン。ここは、イングリッシュ・ホルンで、うまく吹けない葦笛の音が表現される。イングリッシュ・ホルンは、オーボエより5度低い音を出すダブル・リード楽器で、葦笛(ダブル・リード)で音を出す難しさとのどかさを見事に表現している。ジークフリートが「うまくいかない。僕はばかみたい。お前のようにはできそうにないよ」と言った後、シングル・リードのクラリネットがテーマを見事にきれいに吹き、さらにフルートが続くのが、その答えである。この絶妙なオーケストレーションの妙こそがワグナーの魔術的な魅力なのであり、この演目「ジークフリート」に秘めた、超自然的世界の表現へ通じる道でもある。しかし、キース・ウォーナーは、ジークフリートにパン・フルートを持たせ、しかもうまく吹けないシーンをパンフルートを逆さに吹かせ、演技させた。ここは、断じてパン・フルートから出る音であろうはずはなく、置き換えやパロディの意義も全く見出せない。どのような形の楽器でも良いのだが、音楽的に発音部はダブル・リード以外にありえないのだ!

 2009年のティーレマンの時の演出はタンクレート・ドロストで、「神々」の最後の最も崇高な音楽の場面で、登場人物を大きな足音を立てて走り回らせ 、全てを台無しにぶち壊した。よりによってティーレマンの時に! これには大激怒した。何があっても、どんな設定をしても、こんな愚劣なものだけは論外。音楽を知らぬものは、演出をしてはならない。

       もう一度、この演出をペトレンコの指揮で観たい! もう遅い....
 

 ファンファーレ

 開始前に、次の幕に関係したテーマが演奏されるのは、ご存じの通り。15分前に1回、10分前に2回、5分前に3回テーマが繰り返される。ただし、座席が中央の場合、いつまでも端側の人達を立たせたままにしないよう、早めに劇場に入り、座るマナーが必要(ヨーロッパの劇場では、どこでも)。また、日本のように鞄を持ったまま劇場に入れる国は希。必ず預けるよう指示されるので注意。
 

 劇場周辺

  劇場の売店やレストラン等は行けばわかる事なので省略。劇場前の庭も見事だけれど(「ワルキューレ」に出てきそうな見事な樹があったりキノコも生えている)、劇場後ろの丘に登って見下ろすのどかな風景は絶景! あんな所に別荘があったらなあ。丘には20時までやっている屋外カフェ:Freiluftbad もある。
 

 スタイングレーバー社

  バイロイトのピアノ・メーカーだが、ここが「パルジファル」のあの“グレイルズ・グロッケン - ゴ〜ン・ゴ〜ン・ゴ〜ン・ゴ〜ン/ド・ソ・ラ・ミ - ”の楽器を作っていて、展示もしている。実際に音を出す事もできる。2014年はワーグナー・イヤーという事もあって、歴史的なグレイルズ・グロッケンの変遷のVideo上映や何台か展示されていて感嘆した(写真下)。

  2016年は、別棟に保存されていたのを見せてもらった。そこかしこに置いてあるフリー・ペーパーFestspielzeitung誌にティーレマンが試している写真と記事が載っていたが (写真右下)、これと同じもの(案内して模範演奏をしてくれた方も同じ)だった。全部で3台あるよ(3つの劇場にある)、との事。

    他にも歴史的なピアノ、面白いデザインのピアノが多数展示されているだけでなく(2Fも面白い)、裏手にも素敵な建物が。


  

 Stadtkirche

 

  スタイングレーバー社の前の通りは美しく、観光名所の一つ。すぐ前の教会(Stadtkirche)では、時々昼にオルガン・コンサートが行われている 。ここだけでなく、いろいろな教会でオルガン・コンサートは行われている。情報は、ホテルに置いてある催し物情報誌にて。
 ちなみに、観光地では観光客向けのオルガン・コンサートがよく行われるが、ブダペストの聖イシュトバァーン大聖堂では何と電子パイプ・オルガンで行われていて、仰天した。オルガンは人目につかないよう陰に置いてあって、あたかもパイプ・オルガンでの演奏会に見せかけた、“一般観光客は判らないだろう” という悪質なもの。オルガン・コンサートにゃ違いないけれど、オルガン好きの私としては、許せない。

 さて、ここからは日本人御用達のアルヴェナ・コングレス・ホテルのところから観光・ショッピングの名所を紹介。

     

上の地図はどこでも入手できるが、右上の観光地図も良いので、ホテル等で聞いてみると良い。
  

 Schuh Mücke

  アルヴェナ・コングレス・ホテルの劇場側には大きなスーパー、ドラッグストアが3件あり、便利。ビール売り場には10Lの樽があったりして流石だ。 日本では入手困難な巨大なアーティチョークや乳製品、ソーセージの陳列には萌える。

 さて、紹介したいお店は、ホテルの街側、裏隣にある大型靴店舗、Schuh Mücke。以前はスーパー?の跡地で、長年廃墟になっていたが、見事に新生。とてつもなく広い売り場に、とんでもない靴の展示量。 私はここで、GEOX Nebulaという、疲れないでいくらでも歩ける靴(スニーカー)と出会い、日本より格安で購入した。服等も置いている。
 お店のブラインドは、日光に合わせて開いたり閉じたり反応する優れもの。また、背面には車の洗車機があって、いつも行列(ドイツでは、環境保護の点から個人宅、路上での洗車禁止)。
  

 ロートマイン・センター

  この巨大な靴屋さんから街の中心部に繋がる所に、いろいろなジャンルのお店が集まったショッピング・センターがある。私はここで毎回服を格安で調達している。また、私達夫婦は、日本では入手できない、極めて優れた眼鏡フレーム(遠近両用で、像の歪みが最小となるフレームの形状)も、ここで購入した。お土産も調達できる。
  

 Spitalkirche

 ロートマイン・センター2Fから橋を渡ると、街の中心部・マクシミリアン通りへと繋がる。この橋を渡ったすぐ右側にSpitalkircheという教会がある。特に外壁が美しい。マクシミリアン通りには、第2チクルスの頃は、屋台が出る。これがうまい!


デパート:カールシュタットから見たSpitalkirche(右側)。写真左:これを見て食べない人はいない。

 通りを進んでいくと、左手にカールシュタットというデパートがある。私は毎回、ここでお土産を調達。安くて良い日用品も見つかる。少し行くと、右側に有名なレストラン・オスカーがあり、終演後もここで食べられる。レストランは相当食べ歩き、連日ビールもけっこう飲んだけれど、食べログ効果(あるお店にお客さんが集中)を避けるため、ここでは最も有名なレストランだけ紹介し、あとは割愛させていただいた。


マキシミリアン通りと、レストラン・オスカー

 この通りには、様々なお店があるけれど、バイエルン/チロル地方の民族衣装(ただし、男性の場合はスーツとして使える)がウイーンなんかより遙かに安く売っているお店があり、2014年は大いにお世話になった。2016年にはどこかに移動した、との事で、どこかは、まだ不明。地下の洞窟みたいな所にワインを貯蔵しているお店もあり、飽きない。

 歩いて行くと、Buonissimoというパフェを出しているお店がある。2014年までは、熱帯食虫植物のような、もの凄いものを出していたが、2016年には姿を消してしまっていた。復活を望む!
  

 Finanzamt, Schlosskirche

   この通りをしばらく歩いて行くと、左手に立派な税務署が見えてきて(旧宮殿。今は税務署なので、中は見れません)、この裏に美しい教会 Schlosskircheがある。

 通りの右側の歩道には大きな恐竜のモニュメントが置いてあって、恐竜博物館がある(まだ入った事が無い)。左手の角の本屋さんでは、バイロイト音楽祭の出演者のサイン会や講演等が行われる。情報は、劇場左横(上写真、郵便局の右隣)の売店の売り場の上に掲示されている。
 

 辺境伯オペラハウス

  この本屋の角を曲がると、辺境伯オペラハウスが右手にある。この一角は、本当に素敵な場所! 辺境伯オペラハウスは、2018年まで改修工事中。教会:Schlosskircheとは通りをはさんで相対していて、眺めが素晴らしい。また、大通りから見る花壇も美しい。
 

 Neues Schloss 新宮殿


   もう少し先には新宮殿があり、必見。また、庭園が美しく、家のそばにあったらなあ、と憧れる。
 

 ヴァーンフリート・ハウス(ワーグナー博物館)



2014年は、改修工事中だった(写真右)

  さらに先には、ヴァーンフリート・ハウス(ワーグナー博物館)がある。ワーグナーの住んでいた家で、時々、サロンでコンサートも行われる。
  

 リスト博物館

  さらに奥には、リスト博物館がある。
 

 Schloss Birken

  少し先のコジマ・ワーグナー通りを南下して大きな通りを超えた先に、Schloss Birkenがある。開いている日と時間が限られるので、要チェック。
 

 エルミタージュ


  Schloss Birkenの反対側の郊外に、エルミタージュがある。庭は、朝散歩すると、心が洗われるような、すがすがしさ。壁の作りは、この地独特のもので、新宮殿にも展示がある。
  

 Maisel’s Weisse


 今度は、ロットマインセンターの裏側へ移動。バイロイトのビールといえば、Maisel’s Weisse! ここの工場に博物館がある。ただし、午後のツアーのみなので、劇場で公演がある日は見れない。 ビア・グラスのコレクションも尋常でない(写真はごく一部)。もちろん見学後は飲める。入口にはホップが植えられている。なぜか、写真を多く掲載してしまった。
 

市立墓地


 ワーグナー家の墓(写真上)やリストの墓(写真下)がある。場所はわかりにくいので、現地で聞くと良い。また、すぐ近くに地下墓地跡のビール醸造所見学Katakombenがあるが、16時からのツアーのみなので(個人で中に入ったら、迷子になって危険だ、と言われた)、公演のある日には行けない(私もまだ行けていない)。

 ここからは、バイロイト近郊の街を紹介。中日に訪れたい、まさに絵本の中に出てきそうな、古城街道、ロマンチック街道の素敵な街々。

 

ちなみに、アルヴェナ・コングレス・ホテルから駅に向かう途中や街中に、こんな薬局がある。バルサムは、あるかな?

バイロイト駅からは、劇場が見える。ご存じでした? 北側に向かう列車の車窓からも。

ミュンヘン


ミュンヘンといえばマリエン広場。写真左は冬。夏は綺麗な花に彩られる。

 ミュンヘンは、見所満載。食事も美味しいし、ビールも最高! 主な観光所を挙げても、マリエン広場の新市庁舎(写真上)、ペーター教会、聖霊教会フラウエン教会、ヴィクトゥアリエン市場、おもちゃ博物館、ホーフブロイ・ハウス、レジデンツ、テアティナー教会、 アザム教会、ケーニヒス広場、ニンフェンブルク城、オリンピック公園、ドイツ博物館、BMW博物館、アルテ/ノイエ/モダン・ピナコテーク、ダッハウ城、他にもいろいろ。 ミュンヘンは南ドイツの玄関口なので、バイロイト入りする場合は必ず通過する事になるが、幾度訪れても魅力が尽きる事が無い。


写真左:ペーター教会  写真右:聖霊教会(2014年)


写真左: テアティーナ教会  写真右:アザム教会


写真左: ミヒャエル教会  写真右:ブラウエン教会(悪魔の足跡)

 南ドイツの教会は美しいものが多い。また、聖霊教会では、毎日のようにオルガン・コンサートが行われている。もちろん、上記:ブダペストの聖イシュトバァーン大聖堂のような観光客だましの電子パイプ・オルガンではなく、ちゃんとしたパイプ・オルガンのもの(当然だけど)。


レジデンツとレジデンツ内のクヴィエリ劇場

 レジデンツ、ニンフェンブルク城(冬は庭園が寂しくなる)は、是非訪れたい所だ。時間があったら、ニンフェンブルク城の隣の植物園へも。ガイドブックも便利だけど、こういった掲載されていない魅力的な所も多数ある。

 夏を外せば、バイエルン国立劇場、ガスタイクだ。

 ミュンヘンで行きつけの所は、大きい店だけ紹介すると、ハクセンバウアー(ご当地豚肉料理だけで無く、牛も美味)、Weisses Bräuhaus(タップで提供されるビールがうまい。写真下左)、などなど。

 また、プラッツル・ホテルのレストラン(ホテルの裏角)など、趣のあるレストランも多数。

 朝のホーフガルテン散歩もいい。

 さて、「指環」第3チクルスが終わりミュンヘンに入ると、ちょうどブンデスリーガの開幕戦に当たる場合がある。今年(2016年8月26日)の開幕戦は、バイエルン・ミュンヘンとヴェルダー・ブレーメンの人気カード、しかも、地元ミュンヘンのアリアンツ・アレーナでの開幕戦だったので、昼間っからビールをあおって街中大盛り上がり。運良くチケットを入手できたので、観てきた。これが物凄い! YouTubeに動画を投稿したら“著作権”が引っかかり、あっという間に削除されてしまった。場内、選手が写っていると、もうアウトらしい。という訳で、外の写真だけ。終わると、実は白色では無く、うっすらと半透明の壁は、バイエルン・ミュンヘンの色:赤色になる。

 オマケの写真は、これ。お土産店のウインドウだけれど、何で?    答え:右。2014年のパンフレットのスキャン。


  

 移動は鉄道が便利。DBのsiteで、全て調べられる。最近は到着ホーム、出発ホームまで掲載されていて、しかも正確。自販機は慣れるとすぐに購入できて便利だ。満席、という事が無いので、購入は事前に行う必要は無い。

 ドイツ(+スイス)の鉄道時計の秒針は不思議だ。12(0)時の位置で2秒止まり、それから58秒で1周する。つまり、秒針の表示は常に不正確なのである。昔の時刻合わせの名残とはいえ、これを表示するのをドイツ人が受け入れているのが不思議なのだ。犬も直角に道路を渡る、と言われている国なのに...

レーゲンスブルク

  日本のガイドブックにはあまり紹介されない街のようで、日本人観光客はほとんど見かけない。しかし、とても魅力的で見所満載。どの観光都市でもそうだけれど、ホテルや観光 i で地図(右上)をもらうと、観光名所が示されていて便利。

 

 河や湖、海など水があると、街は圧倒的に魅力を増す。レーゲンスブルクのシンボルともいえるドームは、刻一刻と表情を変え、夜も美しい。対岸のレストランは眺めが良く、夕飯におすすめ。


 

 続いて、St. Emmeram Church。

 旧市庁舎は、ガイデッド・ツアーのみだが、訪れる価値は十二分にあり。天井やドアの鍵も面白い。牢屋もある。

 街の風景

 

 Niedermünster と Dreieinigkeitskirche のオルガン

 Alte Kapelle

 船に乗って、ヴァルハラへ。中は、ドイツの偉人達が祭られている。素晴らしい出来のものから、まるで器用な素人が作ったような?もある。建物は、巨大。


 

 おすすめのお土産は、ここ。街の中心にあるGewürzeで、香辛料、調味料専門店。日本では絶対手に入らない物ばかり、ずらりと並ぶ。ホースラディッシュは超おすすめ。ソーセージや焼き肉、サラダなど何にでも合い、やみつきになること必至。


 

ニュルンベルク

 ニュルンベルクと言えば、ソーセージ? マイスタージンガー? 幾度訪れても魅力が尽きない素敵な街。まずはマルクト広場のフラウエン教会(12時のからくり時計が有名)と美しの泉 。

    

 マルクト広場には美しの泉があり、ここも名物。また、広場で市が行われれば、見事に色付いた果物や野菜が並び、見るだけでも楽しい。 クラシックカーが並ぶ事もある(写真上右)。

 聖ローレンツ教会も街のシンボル。


 

 さて、丘を登ってカイザー・ブルクへ。途中の建物、風景も実に美しい。窓は、どうしてこんなに綺麗に彩れるのだろう。


 
 
 

 また、旧市街の定宿からは聖セバルドゥス教会が近く、毎日前を通るので、我々夫婦には、ここが一番馴染みがある。

 街の中を流れるペーグニッツ川には、Museumsbrückeをはじめ、美しい風景が広がる。


 

 街の風景




 アルブレヒト・デューラー・ハウス

  *1999年にはフィルム(ポジ)でそこそこ撮りましたが、取り込みが大変なので、割愛しました。 また、残念ながら、ドク・ツェントルム(ナチス党大会跡)へは、まだ行けていません。


 

バンベルク


 バイロイトに来た時は、必ず訪れる大好きな街。旧市庁舎は、バンベルクのアイコンだ。また、周辺も素敵。


 なぜ、毎回訪れたくなるのか? それは、シュレンケルラでラオホビールを飲むため。

 8月のお祭りの時期は、いっそう賑わう。

 丘を登って大聖堂へ。丘からの眺めも素晴らしい。


 さらに、新宮殿へ。



バラ園からミヒャエル教会を望む

 さらに進み、ミヒャエル教会へ。


 街の風景


 

 小ベニス地区。今は訳の分からない世界遺産も多いが、この街は本当にふさわしい。





2009年8月は、イカダ下り大会があった


  

クルムバッハ

 バイロイトから北方面の列車に乗って30分程すると、きれいな町並みと、その丘の上にお城が見えてくる。そこが、クルムバッハ。1日で観光できるので、演目がある日の午前〜昼に観光もできる。駅をでた所(柱)にも観光地図が掲示されているが、街中の観光案内所 i で地図(上右)をもらうと便利。


 まずは、その丘の上のプラッセンブルク城。街の中心部からバスが出ている。帰りは歩いて風景を眺めながら歩いてもいい。中は博物館(錫博物館もある)。驚いたのは、イギリス王室の完璧な家系図(肖像画&写真)があった事。確か1400年代からのものだったと思う。個人的に面白かったのは、これ。また、眺めも良い。


 街の中心にある有名な噴水。奥には、かわいい市役所があり、前には巨大なビヤ樽が4つ。


街中は美しく、適当に歩いても楽しめる。冒頭の写真は、Catholic Parish Church の入り口で撮ったもの。素晴らしい眺めで必見。





Bavarian Brewaryは早く閉まってしまうので、我々は、インフォメーションで聞いておいたKommunbräu で夕食。とにかく南ドイツのビールはうまい!


 

アウクスブルク

 私達は、駅からマクシミリアン通りの南端に向かい、そこから半時計回りに街を歩いた。南端にあるのは、ふたつ(新教と旧教)のフルリッヒ&アフラ教会。しばらくマクシミリアン通りを歩いて行くと、左側に、シュツラー宮殿がある。素敵な階段を上っていくと、豪華絢爛な広間(撮影禁止)と美術館がある。で、Armand François のピエロの絵に釘付けになった。10通りの表情が、実に生き生きと描写されていて、これは圧巻!

 この通りには、面白い建物が多い。大きな噴水もある。

 

 この通りには、面白い建物が多い。聖ペータース教会(内部)は、写真右上。ドイツ語圏の都市では、どこでも市庁舎が観光名所だ。ここ、アウグスブルクも同様。黄金の間が有名。

  左側の塔からの風景

 14世紀に作られたドーム。


 レオポルド・モーツァルト(アマデウス・モーツァルトの父)の生家:モーツァルト・ハウス。当時の楽器展示や、当時(1763年など)の新聞のコピーももらえる。


 街に電車が走っていると、途端に人間くさくなって、いいな。

ドナウヴェルト


 アウグスブルクからネルトリンゲンへ向かう途中にちょっとだけ立ち寄った。撮った写真は、わずか。ここは、また後日行った時に追加。

ネルトリンゲン

  隕石が落ちてできたクレーターにできた街。といっても、クレーターの外周に城壁ができた訳では無く、クレータはもっと大きい。上の写真、図は現地の観光局で入手したもの。私はアニメは見ないので良く知らないが、「進撃の巨人」のモデルになった、とかで有名らしい。 リースクレーター博物館では、クレーターの出来方を詳細に解説、デモしている。アポロ16号が持ち帰った月の石も展示してあった。

 街の中心にはゲオルク教会がある。


 教会の塔からの眺め。まうで、ミニチュアの模型のようだ。

 教会の向かいのTanzhaus(15世紀の建物)。うねりが絶妙!

 市役所。階段が名所。裏手の建物もいい。

 ブタは、街の守り神となっている。ある時、敵が攻めてきた時、たまたまブタが逃走して街の人達が大騒ぎで追いかけていたら、敵が何事か!と退却した、とか。


 街の建物、いくつか。


 外壁は、ぐるっと一周できる。これがいい!



ディンケルスピュール

 ここは、まだ来たことが無い。次の音楽祭の時に。

ローテンブルク

 1年中クリスマス、と呼ばれるロマンチックな、正に中世にタイムスリップしたような街だ。そして、大酒のみの市長が3.25Lのワインを飲み干して街を救ったと言われるマイスター・トルンクの伝説の街。その物語のからくり時計もある。せっかく訪れるならクリスマス〜年末・年始に。街並みの写真をいくつか。




 街には中世犯罪博物館があり、必見!

 おしゃべりが過ぎる女性への罰:お面の刑。

 聖ヤコブ教会

 城壁の外に出ると、

 思い出してみると、夢の中にいたような...

 
ヴュルツブルク

 駅を降りると、街がワイン畑に囲まれているのがわかる。マイン川の向こうには、マリエンベルク要塞。要塞もワイン畑に囲まれている。


 マイン川のほとり。要塞へは、彫刻が立ち並ぶアルテ・マイン橋を渡って行く。


 例によって教会がたくさん。マリエンカペレ(聖マリア礼拝堂)と入口。

 ザンクト・キリアン教会とドイツハウス教会。

 

 ノイミュンスター教会。

 レジデンツと同教会。

 街の風景


 

フュッセン

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