Xa7に関してはセカンドキャッシュメモリーの一部の製品で使用不可のものがありますが,Xa7eに関しては特に問題ありません.
動作周波数はベースクロック66,60MHzでそれぞれ7倍で動作し,466,420MHzの動作周波数を誇ります.ベースクロック50MHzでは9倍の450MHzで動作します.比較データは二台のコンピュータの測定結果を用いました.まずNEC PC-9821Xa7eにMMX Pentium 166MHzとK6-2 466MHzを導入したものです.もう一つのコンピュータはDELL Dimension KPS R350です.CPUにPentiumII 350MHzを搭載しています.
詳しいスペックは次の通りです.
NEC PC-9821Xa7e | DELL Dimension KPS R350 | |||
Chip set | VLSI WILDCAT | Intel 440BX AGP SET | ||
CPU | MMX Pentium 166MHz | AMD K6-2 466MHz | PentiumII 350MHz | |
First Cache Memory | 32kByte | 64kByte | 32kByte | |
Second Cache Memory | 256kByte | 512kByte | ||
Main Memory | 80MByte | 128MByte | ||
Video Card | Canopus Power Window DX/4MC(S3 VergeDX VRAM 4MByte) | Fire GL 1000 Pro(3Dlab PERMEDIA 2 VRAM 8MByte) | ||
Sound Card | 86音源ボード (PC9801-86) | Crystal Sound Fusion(tm) | ||
HDD | Western Digital WDC AC34300L(E-IDE 4.3GB) | QUANTUM 型番不明 6.4GB |
ベンチマークには4つの方法を用いました.Intel Media BenchMark ver 1.0 ,HDBench2.42 およびHDBench2.61 ,"wavファイルをmp3にエンコードする時間の測定 ",Final Realty ver1.01 の4つです.
まず,Intel Media BenchMark ver 1.0 の結果をTable2に,HDBench2.42 の結果をTable3に,"wavファイルをmp3にエンコードする時間の測定 "結果をTable4に,Final Realty ver1.01 の結果をTable5に示します.
AMD K6-2/466MHz | P55C-166MHz | PentiumII 350MHz | |
Video | 300.43 (11.69 sec) |
176.33 (19.92 sec) |
455.99 (7.70 sec) |
Image Processing | 859.92 (1.74 sec) |
507.13 (2.95 sec) |
1469.67 (1.02 sec) |
3D Graphics | 201.08 (7.39 sec) |
102.16 (14.55 sec) |
324.60 (4.58 sec) |
Audioは"桁あふれエラー"のメッセージが出てしまい,測定できませんでした.これはMMX Pentiumでも同じ結果だったので,K6-2が原因ではないと思います.たぶんWindows98に特有の現象ではないかと考えています.知ってる人がいましたら,ぜひ教えてください.
それにしても,圧倒的な速さですね.それぞれの項目で1.5倍〜2倍の向上です.しかし動作周波数の増加(166→466MHz)以上には結果がのびませんでした.Intel Media BenchMark はやはりIntel系のCPUに有利な結果が出るようです.しかしそのことを差し引いてもK6-2私の予想以上に健闘しました.
つぎにHDBench2.420 の結果を示します.参考としてHDBench2.610 を用いて測定した"Memory"の結果も示します.
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.420 ★ ★ ★
使用機種
Processor AMD K6 3D 464.7MHz [AuthenticAMD family 5 model 8 step C]
解像度 1024x768 65536万色(16Bit)
Display Power Window DX
Memory 106,328Kbyte
OS Windows 98 4.10 (Build: 1998)
Date 1999/10/14 18:55
SCSI = I-O DATA SC-98V(PnPモード)
HDC = スタンダード IDE ハード ディスク コントローラ
A = GENERIC IDE DISK TYPE00
B = GENERIC IDE DISK TYPE00
C = IBM DSAS-3540 Rev S47W
D = GENERIC NEC FLOPPY DISK
E = OLYMPUS MOS332 Rev 2.60
F = TOSHIBA CD-ROM XM-6202S Rev 1114
ALL | 浮 | 整 | 矩 | 円 | Text | Scroll | DD | Read | Write | Cache | Memory | Drive | |
P55C-166 | 7536 | 9661 | 10078 | 15093 | 6973 | 7160 | 75 | 58 | 2609 | 2669 | 13512 | 9419 | A:10MB |
K6-2/466 | 13471 | 28309 | 35461 | 15281 | 8274 | 7949 | 75 | 59 | 2788 | 2701 | 20407 | 17355 | A:10MB |
PentiumII 350MHz | 16068 | 29419 | 22391 | 22756 | 3446 | 11055 | 196 | 120 | 10699 | 9569 | 35086 | 18178 | C:10MB |
MMX Pentiumと比べ,K6-2は浮動小数点演算で2.9倍,整数演算で3.5倍の向上です.動作周波数の増加(166→466MHz,およそ2.8倍)以上に結果がのびています.画像描画ではたいした向上はみられません.ただIDEハードディスクの性能は若干向上しました.特に"Cashe"の値の増加は予想外でした.これはMMX Pentium 及びPentiumUの2倍の一次キャッシュメモリ,64kByteが効いているのでしょうか.
"Memory"の値も,K6-2はPentiumIIに匹敵します.浮動小数点演算はほぼ同値,整数演算では上回ります.でも動作周波数から考えれば当然の結果ですね.
とりあえず,夢にまで見た,HDBench 10000を突破しました!!
つぎに約44MByteのwavファイルをmp3にエンコードする時間を測定しました.使用したアプリケーションはSCMPX ver1.41です.SCMPXはヴァージョンによってエンコード性能が異なるようです.
time | |
P55C-166 | 10m16s |
K6-2/466 | 4m36s |
PentiumII 350MHz | 3m10s |
時間は半分以下になりました.これでmp3環境も快適になるでしょう.
つぎにFinal Realty ver1.01 のベンチマーク結果を示します.
AMD K6-2 466MHz | P55C-166MHz | PentiumII 350MHz | ||||
Radial Blur | 19.44rips | 2.869Rmark | 7.80rips | 1.079Rmark | 38.09rips | 5.268Rmark |
Chaos zoomer | 21.25rips | 1.032Rmark | 15.42rips | 0.749Rmark | 58.85rips | 2.859Rmark |
25 Pixel | 54.21kpps | 1.733Rmark | 24.99kpps | 0.799Rmark | 235.13kpps | 7.515Rmark |
Robots | 7.22rips | 1.870Rmark | 4.50rips | 1.167Rmark | 33.58rips | 9.995Rmark |
Fillrate | 7.90MPps | 1.711Rmark | 7.91MPps | 1.712Rmark | 33.83MPps | 7.322Rmark |
City scene | 8.08rips | 2.006Rmark | 6.94rips | 1.723Rmark | 51.88rips | 12.874Rmark |
Video card bus transfer | 27.17Mbps | 0.865Rmark | 24.68Mbps | 0.786Rmark | 41.82Mbps | 1.331Rmark |
Direct3D bus transfer | 26.45Mbps | 2.261Rmark | 23.38Mbps | 1.999Rmark | 19.75Mbps | 1.688Rmark |
Overall 3D | 1.368Rmark | 1.245Rmark | 3.252Rmark | |||
Overall 2D | 1.861Rmark | 0.914Rmark | 4.064Rmark | |||
Overall bus rate | 1.284Rmark | 1.150Rmark | 1.438Rmark | |||
OVERALL SCORE | 1.503Rmark | 1.131Rmark | 3.223Rmark |
この数値では分かりませんが,K6-2はMMX Pentiumと比べて空,雲など画像の表現力が全然違います.やはり3D-NOW!TMテクノロジが効いているのでしょう.またFinal Reality ver 1.01 ではVideo Cardの性能が大きくものをいいます.PC-98のバスの遅さからくるコマ落ちには閉口しましたが,あらためてCanopus社のドライバの出来がよいことを実感しました.3世代以上も前のVideo Card,VERGE DXにも関わらず,PERMEDIA2の画像の再現力を大きく凌いでいます.やっぱVideo Cardはドライバで決まりますね.
Final Realty ver1.01 のような3DベンチマークするとPC-98アーキテクチャのバスの遅さをつくづく感じます.かなりのコマ落ちがあり,実用には耐えません.3DゲームをPC-98で楽しむにはSCSI接続のハードディスクは必須でしょう.しかしいかんせんXa7eにはPCIバスは一本しかなく,3Dゲームはまともに使用できないでしょう.無念.
それにしてもPentiumII + 440BX AGP SETのパフォーマンスはすさまじい.350MHzという動作周波数ながら,実にK6-2 466MHzの2倍ほどの値を叩き出しています.
今回,メルコ製CPUアクセラレータHK6-MD466-N3を購入し,その導入とベンチマーク試験を試みました.その結果,MMX Pentiumと比べて,圧倒的速さを証明しました.
使用した感じですが,Windowの開く速度が全然違う.Windows98の例のもたつきが,なくなりました.アプリケーションの起動速度も半分から三分の一ぐらいかな.ベンチマークでは出てこない速さの差があります.新しいコンピュータを買うお金がなく,今使っている古いコンピュータをまだまだ現役で使い続けたいと考えている人には間違いなく"買い"です.
今回,比較のために,PentiumII 350MHzのマシンのベンチマーク結果を載せました.この意図は,買い換えのための費用対効果を考えるためです.PentiumII + 440BX AGP SETのパフォーマンスは,古いPC-98の比較にならないほど強力です.HDBenchでかろうじて優ったものの,Intel Media BenchMark ver 1.0 ではおよそ1.5倍,"wavファイルをmp3にエンコードする時間の測定 "でも1.45倍時間がかかり,Final Realty ver1.01 でも2倍の差がつきました.今最新のパソコンが10万円を切る価格で発売されていることを考えると,ここで3万円の出費が果たしてよいかどうかは考えものです.私はXa7eに愛着をもっているので,一ヶ月のバイト代がふっとんでしまうこのような出費でも喜んでしますが,他の人はよくよく考えた方がよいのではないでしょうか.その意味では,K6-2/400MHzのCPUアクセラレータは,お得度大です.今\18,800ほどで購入できます.こちらがよいのではないでしょうか.