PC-9821 Xa7eはPentium 75MHzを搭載しています.しかし今ではパワー不足は明らかで,これからも使い続けようと思えばCPU換装は必須です.ここでは現在考えられるCPUのアップグレードの方法とメーカー対応のODP,CPUアクセラレータなどを紹介したいと思います.
基本的にほとんどのPentium Processorは問題なく使うことができます.ここでは最速のPentium200MHz版を動作させる方法を説明します.
1,ベースクロックを50MHzから66MHzに変更します.
これがCPUパワーアップの基本です.まずジャンパの設定を変えます.ジャンパピンの場所はCPUの隣です.デフォルトではすべてオープンです.そこをすべてショートさせます.それだけで50MHz*1.5倍速=75MHz から 66MHz*1.5倍速=100MHzで動作するようになります.裏に"MALAY"の刻印があるPentium75MHzは100MHzのオーバークロックに耐えることができます.ですから今までのCPUのまま,百円程の出費で簡単に100MHzにクロックアップする事ができます.一番,お金がかからず簡単な方法です.またPentium用のCPUクーラを新たに購入して熱対策もしてください.次に75MHzと100MHz動作のIntel
Media BenchMarkの測定結果をTable1に示します.
75MHz | 100MHz | |
Overall | 50.58 | 65.98 |
Video | 47.24 | 58.92 |
Image Processing | 56.2 | 74.8 |
3D Graphics | 53.8 | 73.46 |
Audio | 51.28 | 67.84 |
2,MTC-40001を用い,倍率を3倍速に上げる.
これで66MHz*3倍速=200MHzで動作するようになります.ここではCPUはPentium 200MHzを使ってください.オリジナルCPUでは200MHz動作は無理でしょう.(申し訳ありませんが,このPentium200MHzの換装は,私はやったことがありません.ここに書いたことは,雑誌その他の情報を元に書いたものです.)
Xa7eをMMXPentiumを付け替えるには,いろいろな条件をクリアしなければなりません.
BIOSがMMXPentiumに対応していないと,内蔵のIDE機器が認識しません.幸運にもXa7eにはMMXPentiumに対応したBIOSのアップデートプログラムがあります.それはIntel MMX Technology Pentium OverDrive Processor (JBPODPMT66X166)に付属しています.もしも,BIOSのアップデートを行わないのならば,IDE機器は全部使わないようにするしかありません.具体的には,
のいづれかの方法を採らなければなりません.要するに,標準のIDEコントローラを使わなければよいのです.
ふつうのPentiumは3.3V,MMXPentiumは2.8Vです.そのままでは,Xa7eはCPUに供給する電圧を変えることができません.したがって,ゲタが必要です.
Xa7eはSocket5です.MMXPentiumはSocket7に対応しています.ですからSocket5をSocket7に変換する.ゲタが必要です.最近のゲタは電圧変換機能と,Socket5をSocket7に変換する機能を同時に備えていますので,2,を満足すれば,3,は自動的に満足します.
CPUと"PL/PRO MMX Plus"に付属のCPUクーラーをマニュアルに従って取り付けます.このとき熱伝達を高めるグリース(BOXのパッケージに入っていた)を塗るとよいでしょう.たくさん塗りすぎるとはみ出して汚れてしまいます.(私は,たくさん塗りすぎて大変なことになりました.)
"PL/PRO MMX Plus"のマニュアルに従い,MMX Pentium233MHzに設定します.
このとき,しっかり奥まで差し込まないと,CPUを認識しません.なかなか入りづらく,かといって力で押し込むのも壊れそうで怖いので,注意が必要です.
レバーを静かにそのまま引き上げてください.つめがはずれて引き上げることができます.
CPU+"PL/PRO MMX Plus"をしっかり奥まで差し込みます.レバーを下げて作業は完了です.レバーを下げるとき,しっかり奥まで入っていないとCPUのピンを曲げてしまうことになるので注意が必要です.少しでも変な感じがしたらそのままにせず,必ず目で確認しましょう.
"PL/PRO MMX Plus"に分岐の電源ケーブルが入っていますので,それを使います.PL/PRO MMX Plusにはファンと電圧変換部分別々に電源を供給しなければなりません.コネクタもそれぞれに二つあって,差し込み口の形状も異なるのでとまどうことはないでしょう.
早速電源を入れてみましょう.”ピポッ”と音がしたら,CPUは動いています.音がしなかったら,電源を切ってどこがおかしいか確認します.疑うところは,
私の場合,CPUがゲタにちゃんと入っていなかったために,動きませんでした.電源を入れる前に,もう一度確認する事をお薦めします.あとちゃんと動作するまで,ふたを閉めない方がいいです.また開けるのは一苦労ですからね.
後はちゃんと動作するのを祈るのみです.私は多くのトラブルに巻き込まれました(^^;)
余談ですが,私が遭遇したトラブル参考のため載せておきます.
これは,CPUがしっかりゲタに入ってなかったことが原因でした.しかし原因が分かるまでかなりの時間を要しました.
これが一番苦労したトラブルです.このメッセージは多くの人が見たことがあるでしょう.フロッピーディスクを入れて起動したときに,SYSTEM FILEがないとこのメッセージがでます.ですが,私はフロッピーディスクを入れていません.メモリーカウントの後,HDDのアクセスランプが点灯したまま,しばらくうんともすんとも言わず,もう再起動しかないかと思いだした頃,ようやくSCSIボードが認識され,そのあとで,”NO SYSTEM FILES”のメッセージ.これは,今まで動いていた内蔵のIDEを認識せず,データ専用のSCSIハードディスクを読みにいっていると考えられました.しょうがないので,フロッピーディスクの起動ディスクから起動してみます.それで確認したところ,やはりSCSIのハードディスクしか認識していませんでした.IDEコネクタがはずれているのでは,と思い確認しましたがダメ.BIOSをアップデートしているのになぜ?もうあきらめて元のCPUに戻して起動.そしたらまた,”NO SYSTEM FILES”のメッセージ.どうして?もう一度IDEコネクタを確認して,起動.今度は問題なくWindowsが起動.もしかしたら,今度はうまくいくかもしれないと思い,懲りずにMMX Pentium 233MHzに挑戦.そしたら何事もなかったように固定ディスク起動メニューが立ち上がりました.原因はよく分かりません.
次にMMX Pentium 233MHzに換装したときの,Intel Media BenchMarkとHDBenchの結果をTable2,Table3に示します.
P55C-233MHz | P55C-166MHz | |
Overall | 197.9 | 152.22 |
Video | 184.22 | 146.88 |
Image Processing | 607.36 | 483.34 |
3D Graphics | 147.14 | 106.08 |
Audio | 253.04 | 197.76 |
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.420 ★ ★ ★
使用機種
Processor Pentium(MMX) 233 [GenuineIntel family 5 model 4 step 3]
解像度 1024x768 65536万色(16Bit)
Display Power Window DX
Memory 81,296Kbyte
OS Windows 95 4.0 (Build: 950)
Date 1998/ 8/19 19: 4
SCSI = I-O DATA SC-98V(PnPモード)
HDC = スタンダード IDE ハード ディスク コントローラ
ABC = GENERIC IDE DISK TYPE00
D = GENERIC IDE DISK TYPE00
E = IBM DSAS-3540 Rev S47W
F = GENERIC NEC FLOPPY DISK
Q = TOSHIBA CD-ROM XM-6202S Rev 1114
ALL | 浮 | 整 | 矩 | 円 | Text | Scroll | DD | Read | Write | Cache | Drive | |
P55C-166 | 7472 | 9580 | 10158 | 16420 | 7754 | 7774 | 82 | 58 | 2597 | 2770 | 10100 | A:10MB |
P55C-233 | 8678 | 13434 | 14269 | 16486 | 8201 | 8038 | 83 | 59 | 2649 | 2678 | 12269 | A:10MB |
各社発売のCPUアクセラレータ,Over Drive Processor
MMX化については,いくつかのメーカーからCPUアクセラレータが発売されているので,そちらを使用した方が危険も少なくよいのではないかと思います.
私がHK6-MD466-N3を買ったばかりだというのに,10月21日にまたまたメルコからCPUアクセラレータがリリースがアナウンスされました.今度は500MHzと533MHzで動作する2機種です.いったいどこまで動作周波数は上がるのでしょうか.出荷は10月下旬だそうです.店頭に並ぶのはおそらく11月に入ってからでしょう.
スペックは
CPU:第6世代アーキテクチャ採用の3D-NOW!TMテクノロジAMD-K6R-2/500AFXプロセッサ搭載
動作周波数:最高533MHz(MD533-N4),500MHz(MD500-N4)
倍率:
HK6-MD500-N4 500MHz
(本体ベースクロック50MHz×2倍(100MHz)→CPU500MHz、60MHz→480MHz、66MHz→466MHz)
HK6-MD533-N4 533MHz
(本体ベースクロック66MHz×2倍(133MHz)→CPU533MHz、50MHz→500MHz、60MHz→480MHz)
一次キャッシュメモリ:64K(MMX Pentium 及びPentiumUの2倍)
対応OS:Windows98/95
価格:
HK6-MD500-N4 \39,800
HK6-MD533-N4 \44,800
HK6-MD500-N4 500MHzにおいて,FSB 50MHz×2=100MHzと66MHzではどちらが速いのでしょう?私はFSB 66MHzの方が有利な点が多いように思うのですが,実際のところは分かりません.買った人はベンチマーク結果をぜひとも教えてください.
K6-2/466MHzが一部のXa7eに対応しました.このCPUアクセラレータが現時点(1999年9月30日現在)で最も高速と考えられます. 次の条件を満たしているXa7eが対象です.
スペックは
CPU:第6世代アーキテクチャ採用の3D-NOW!TMテクノロジAMD-K6R-2/475プロセッサ搭載
動作周波数:最高466MHz
倍率:ベースクロックの7倍で動作
一次キャッシュメモリ:64K(MMX Pentium 及びPentiumUの2倍)
対応OS:Windows98/95
価格:\37,800
このCPUアクセラレータが現時点(1999年8月現在)で最も高速と考えられます.最近,K6-2/466MHzで動作するものも発売されましたが,Xa7eには対応していないようです.
詳しいスペックは
CPU:第6世代アーキテクチャ採用の3D-NOW!TMテクノロジAMD-K6R-3/400プロセッサ搭載
動作周波数:最高400MHz
倍率:ベースクロックの6倍で動作
一次キャッシュメモリ:64K(MMX Pentium 及びPentiumUの2倍)
二次キャッシュメモリ:256KBフルスピード・バックサイド・キャッシュ
対応OS:Windows98/95
価格:\39,800
CPU:第6世代アーキテクチャ採用の3D-NOW!TMテクノロジAMD-K6R-2/400プロセッサ搭載
動作周波数:最高400MHz(ベースクロックが66MHzの場合,400MHzで動作)
倍率:本体ベースクロックの6倍で動作
一次キャッシュメモリ:64KByte(MMX Pentium 及びPentiumUの2倍)
対応OS:Windows98/95/3.1/NT4.0,MS-DOS6.2
価格:\29,800
CPU:第6世代アーキテクチャ採用の3D-NOW!TMテクノロジAMD-K6R-3/400プロセッサ搭載
動作周波数:最高400MHz
倍率:ベースクロックの6倍で動作
一次キャッシュメモリ:64K(MMX Pentium 及びPentiumUの2倍)
二次キャッシュメモリ:256KBフルスピードキャッシュ
対応OS:WindowsNT4.0・Windows98・Windows95・Windows3.1・MS-DOS 5.0以降
出荷時期は1999年4月中旬出荷予定です.詳しくはこちらへ
とりあえず,PC-9800シリーズ用のCPUアクセラレータとしてはこれまでで最高速になります.
CPU:第6世代アーキテクチャ採用の3D-NOW!TMテクノロジAMD-K6R-2/400プロセッサ搭載
動作周波数:最高400MHz
倍率:ベースクロックの6倍で動作
一次キャッシュメモリ:64K(MMX Pentium 及びPentiumUの2倍)
対応OS:Windows98/95・Windows3.1・MS-DOS 5.0以降
価格:\44,800
このCPUアクセラレータから対応OSが増え,Windows3.1とMS-DOS5.0以降がさらにサポートされました.
出荷時期は1999年2月下旬出荷予定です.詳しくはこちらへ
CPU:第6世代アーキテクチャ採用の3D-NOW!TMテクノロジAMD-K6R-2/380プロセッサ搭載
動作周波数:最高380MHz(ベースクロックが66MHzの場合,366MHzで動作)
倍率:本体ベースクロックの5.5倍で動作
一次キャッシュメモリ:64KByte(MMX Pentium 及びPentiumUの2倍)
対応OS:Windows98/95/3.1,MS-DOS6.2
最大消費電力:19.9W
出荷時期は平成10年12月下旬頃の予定だそうです.詳しくはメルコのホームページへ.
CPU:第6世代アーキテクチャ採用の3D-NOW!TMテクノロジAMD-K6R-2/333プロセッサ搭載
動作周波数:最高333MHz
倍率:ベースクロックの5倍で動作
一次キャッシュメモリ:64K(MMX Pentium 及びPentiumUの2倍)
対応OS:Windows98/95(Windows3.1とMS-DOS6.2は不可 )
このCPUアクセラレータは,メルコのゲタであるMTSA-M1Tが製造中止になって久しい現在となっては,まさにXa7eにとっては福音となるでしょう.これでXa7eにもAMD-K6R-2が載せることができます.
出荷時期は10月末出荷予定です.詳しくはこちらへ
それにしてもK6R-2/333はシステムバスクロック95MHzという中途半端な速度を要求するはずなのに,どうしてPC-9800シリーズのシステムバスクロック50/60/66MHzに対応するのか不思議.とりあえず,PC-9800シリーズ用のCPUアクセラレータとしてはこれまでで最高速になります.
CPU:Intel MMXRテクノロジ PentiumR プロセッサ 233MHz
倍率:ベースクロックの3.5倍で動作
一次キャッシュメモリ:32K(MMX Pentium 及びPentiumUの2倍)
対応OS:Windows98/95/3.1,WindowsNT4.0/3.51,MS-DOS5.0以降 )
CPU駆動電圧(I/O Core):3.3V/2.8V
P54C-100MHz | P55C-166MHz | |
Overall | 71.04 | 152.22 |
Video | 65.68 | 146.88 |
Image Processing | 75.2 | 483.34 |
3D Graphics | 81.32 | 106.08 |
Audio | 67.74 | 197.76 |
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.420 ★ ★ ★
使用機種 PC9821 Xa7e
解像度 1024x768 1677万色(24Bit)
Display Power Window DX
Memory 81,304Kbyte
OS Windows 95 4.0 (Build: 950)
Date 1998/ 8/ 7 17:23
SCSI = I-O DATA SC-98V(PnPモード)
HDC = スタンダード IDE ハード ディスク コントローラ
ABC = GENERIC IDE DISK TYPE00
D = GENERIC IDE DISK TYPE00
E = IBM DSAS-3540 Rev S47W
F = GENERIC NEC FLOPPY DISK
Q = TOSHIBA CD-ROM XM-6202S Rev 1114
ALL | 浮 | 整 | 矩 | 円 | Text | Scroll | DD | Read | Write | Cache | Drive | |
P54C-100 | 4995 | 5630 | 6049 | 10881 | 5129 | 3927 | 43 | 59 | 2552 | 2713 | 8196 | A:10MB |
P55C-166 | 7019 | 9553 | 10147 | 11185 | 6792 | 3602 | 43 | 59 | 2627 | 2763 | 16259 | A:10MB |