Ant：サブルーチン呼び出しタスク

タスクの一部をサブルーチンのようにして呼び出すことが出来る。

• depends
• antcall
• macrodef
• ant [2010-02-13]

targetのdepends属性

targetタグには、dependsという属性がある。
これは、自分のターゲットを実行する前に、準備（前提条件）として呼び出す為の別タスク（ターゲット）を指定するもの。

例えば、コンパイルする前にコンパイル先のディレクトリーを作っておく、といった用途に使用する。

<?xml version="1.0" encoding="EUC-JP"?>
<project name="depends_sample"  basedir="." default="compile">
	<property name="classes" location="../classes" />

	<target name="init">
		<mkdir dir="${classes}" />
	</target>

	<target name="compile" depends="init">
		<javac destdir="${classes}">
			<src path="../src" />
		</javac>
	</target>
</project>

depends属性には、カンマ区切りで複数のターゲット名を指定できる。
その場合、一番左に指定したものから順番にターゲットが実行される。

Ant：antcall

別ターゲットを呼び出すコアタスク。
（org.apache.tools.ant.taskdefs.CallTarget extends Task）

別ターゲットにパラメーター（プロパティー）を渡してサブルーチンの様に使用する。
しかしそういう目的なら、macrodefの方がスマート。
（そもそもターゲットはantコマンドからターゲット名を指定して実行できるものなので、サブルーチンの様に使うのは違和感がある）

→最新antcall
→別ファイルのターゲットを呼び出すタスク

属性

ボディー部に入れられるタグ

例

C:\temp\fromの下のaaa,bbbというディレクトリーを順番にコピーする例。

<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS"?>
<project name="antcall_sample" default="copy_all" basedir="." >

	<target name="copy">
		<echo message="${dir}" />
		<copy todir="C:\temp\to\${dir}" preservelastmodified="true">
			<fileset dir="C:\temp\from\${dir}" />
		</copy>
	</target>

	<target name="copy_all">
		<antcall target="copy">
			<param name="dir" value="aaa" />
		</antcall>
		<antcall target="copy">
			<param name="dir" value="bbb" />
		</antcall>
	</target>
</project>

Ant：macrodef

複数のタスクをまとめてマクロを作るコアタスク（Ant1.6以降）。
（org.apache.tools.ant.taskdefs.MacroDef extends AntlibDefinition）

作ったマクロは、普通にタスクがあるかのようにbuild.xml上に書いて実行することが出来る。
（そういう意味ではtaskdefのような感じか）

→最新macrodef

属性

ボディー部に入れられるタグ

例

C:\temp\fromの下のaaa,bbbというディレクトリーを順番にコピーする例。

<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS"?>
<project name="antcall_sample" default="copy_by_macro" basedir="." >

	<macrodef name="copy.mac">
		<attribute name="dir" />
		<sequential>
			<echo message="@{dir}" />
			<copy todir="C:\temp\to\@{dir}" preservelastmodified="true">
				<fileset dir="C:\temp\from\@{dir}" />
			</copy>
		</sequential>
	</macrodef>

	<target name="copy_by_macro">
		<copy.mac dir="aaa" />
		<copy.mac dir="bbb" />
	</target>
</project>

Ant：ant

別ファイル（build.xml）のターゲットを呼び出すコアタスク。[2010-02-13]
（org.apache.tools.ant.taskdefs.Ant extends Task）

→最新ant

例

別ファイルを呼び出すbuild.xml（bin/build.xml）：

<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS"?>
<project name="call sample" default="call" basedir=".">
	<property name="build.xml" location="../other/build.xml" />

	<target name="call">
		<ant antfile="${build.xml}" target="make_jar" />
	</target>
</project>

呼び出されるbuild.xml（other/build.xml）：

<?xml version="1.0" encoding="Shift_JIS"?>
<project name="jar" default="make_jar" basedir=".">
	<property name="classes" location="../classes" />

	<target name="make_jar">
		<jar jarfile="sample.jar">
			<fileset dir="${classes}" includes="**/*.class" />
		</jar>
	</target>
</project>

この例の場合、呼び出されるbuild.xmlでは、sample.jarをカレントディレクトリーに作るよう記述されている。
この場合、呼び出し元のbuild.xmlのカレントディレクトリーにsample.jarが作られる。