詩人会議のシュプレヒコール

  戦争に反対する


2004年3月20日、東京芝公園でイラク戦争から1年、世界の人々と立ち上がろうと「100万人で平和の声を」集会がもたれました。詩人会議では開会前の文化行事として詩の朗読をしました。

作・構成       秋村宏
朗読      葛原りょう
鈴木文子
美異亜




いま、わたしたちは芝公園にいる

いま、わたしたちは芝公園にいる

いま、わたしたちは芝公園にいる

あなたは誰だ!

わたしはあなただ

世界中にいるわたしだ

アメリカが戦争をはじめた時

わたしはロンドンにいた200万人だった

わたしはマドリードにいた200万人だった

わたしはローマにいた300万人だった

わたしはニューヨークにいた50万人だった

わたしはラワルピンディにいた40万人だった

わたしはバルセロナにいた150万人だった

わたしは世界60カ国の1000万人だった

わたしのなかに住むあなた

世界は

あなたがいることによって

かがやく

距離を

時間をこえ

そこに

あなたがいることによってかがやく

だからいつもたしかめる

あなたのなかにいるわたしを

あなたが目だとしたら

わたしは口だ

日本国憲法前文より

政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、ここに憲法を確定する。

第二章 戦争の放棄 

第九条           日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、

 国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争

 を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持し

 ない。国の交戦権は、これを認めない。

あなたはかつての戦争で

生き残ったいのちの

わたしの朝から生れた

「戦争で死んだ内外幾千万の人びとの遺言だ」

だから

世界は光にみちていて

人は

前をみ

手をつないで歩いていく

だから

陽の光が

うれしい

木の葉のゆれも

まぶしい

人の声のぬくもりもいい

とりわけ

未来のことを考えると熱くなる

いつまでもつづく

心のつながりをおもうと

強くなる

一人の力でも

世界を動かせる

そう思うことが

すこしなにかを動かすことになる

そう思う

そう思わないかい?

腕をまわすことによって

ひきよせる夢

すべてはいまを生きることによってつかもうと

ひきよせる夢

あなたが生んだのは

人を愛する心だ

けっして戦争を求めない心だ

すべてはいまを

まっすぐみることによって

限りなくひろがっていく

あたたかいもの

すべてが未来へつながるもの

北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 

福島 栃木 群馬 茨城 千葉 埼玉 

東京 神奈川 山梨 新潟 長野 富山 

石川 福井 岐阜 静岡 愛知 三重 

滋賀 京都 大阪 奈良 和歌山 兵庫 

鳥取 島根 岡山 広島 山口 香川

徳島 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎

熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄

世界中の都市で

イラク侵略と占領に反対する一千万人のあなたたち

占領やめよ!

自衛隊は撤退せよ!

あなたは、いま、芝公園にいるわたしたちだ

あなたは、いま、芝公園にいるわたしたちだ

あなたは、いま、芝公園にいるわたしたちだ

わたしたちはいま、マドリードの一千万人のあなたでもある

わたしたちはいま、平和であることで光っている

わたしたちはいま、戦争に反対することによって輝いている

わたしたちはいま、戦争に反対することによって輝いている

さあ

「戦争をする国」をつくろうとする人たちとたたかおう!

さあ

日本国憲法を変えようとする人たちとたたかおう!

さあ

花も 鳥も

水も 木も

虫も 土も

魚も 草も

ともに生きよう

世界は

戦争のない年月によって

ゆたかな未来をつくる

ゆたかな未来は

わたしとあなたがつくる

ゆたかな未来は

あなたとわたしがつくる



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