『憲法9条とともに』パンフより作品紹介 作品へリンク
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旗をふって 日ノ丸をふって だまって だまって 兄をおくりだしてしまった日 日ノ丸があんまりぎょうさんで 兄の顔も義姉の姿も埋もれて 見あげた空はその日 きょうのように まっさおだった 何か言えばよかった 何を言えばよかった |
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母の胸には細い川が流れる イラクへ派兵された息子を思い流れる川だ 川は遥かに空を越え星の光りの中を巡り 砂漠の息子へと流れ続ける たえまなく優しい瀬音をたてて 命をだいじにせよと響くのだ むかし、母の川は深い森の中を流れていた 川辺にはカッコウと呼ぶ山百合が咲き 一日の終わりには立派な角を持つ鹿が佇ち 山々に沈んでいく夕日を見ていたりした きょうも息子よ息子よと祈りながら 母の川は流れる 押し殺した涙を流す川だ
わたしのなかに住むあなた いつも人を愛するように呼びかけるあなた 世界は あなたがいることによって かがやく 距離を 時間をこえ そこに あなたがいることによってかがやく だからいつもたしかめる あなたのなかにいるわたしを あなたが目だとしたら わたしは口だ |
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ほほえみの 遠藤智与子
美しいものだけがあるとしたら それは まやかし 修羅を噛み 噛んで噛んで噛みくだき からだので 愛という滋養に変えていこうとする者たちの その ほほえみの 発信
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