スレーシュバラ・アーチャーリアや他の弟子に伴われて、シャンカラは今や南へと向かいました。そのうち、彼らはアンドラプラデシュにあるスリサイラム丘陵地帯に到着しました。その当時、かの地には、カパリカとういう狂信的な宗派が存在し、人身御供を行っていました。ある日シャンカラは、瞑想に座し、深く没入してました。その時です。カパリカがシャンカラの前に現れたのです。彼はシャンカラを瞑想から呼び覚ますと次のように言いました。「皇帝か偉大なサンヤーシンの首を捧げれば、カパリ神が現れてくれるのだ。」シャンカラはその話を聞いて、興味を持ちました。彼は微笑みながら語りました。「私の首を差し出すことに何の差し障りはありません」と。カパリカは、夜中になると、弟子達に知られること無くカパリ神の寺院にやって来ました。カパリカは、彼の願いがかなうのでとても喜び、人身御供を執り行うための準備の儀式にいそしんでいました。
人は様々な計画をたてますが、それを成就させるのは神です。シャンカラは真夜中になると起き上がり、カパリ神の寺院に向かいました。パドマパーダは、師の身に何か危険が迫っているのを感じました。彼は真剣に、ナラシンハ神(ヴィシュヌの化身である人獅子)に、師をお守りくださるように祈りを捧げました。願いは聞き届けられ、ナラシンハ神は、パドマパーダの肉体に入り込みました。
狂信者カパリカ
パドマパーダはその場に駆けつけると、獅子の力強さでカパリカの手から刀剣を奪い取りました。それから彼はカパリカに踊りかかると、彼をズタズタに引き裂きました。シャンカラは目の前に立っているナラシンハ神をみて喜びにあふれ、すぐさま、ナラシンハ神を讃えるぞくぞくするような賛歌を作り、捧げました。