秘境の旅 写真館
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旅ノート トルコ西部の旅(2000年4月11日〜4月23日)

◎旅の日程◎
1.成田 〜 イスタンブール
2.イスタンブール 〜 チャナッカレ
3.チャナッカレ 〜 トロイ 〜 ベルガマ 〜イズミール
4.イズミール〜エフェス〜イズミール
5.イズミール 〜 パムッカレ
6.パムッカレ 〜 アフロディシアス〜 アンタルヤ
7.アンタルヤ 〜 ファセリス 〜 アンタルヤ
8.アンタルヤ〜ペルゲ〜アスペンドス〜コンヤ
9.コンヤ 〜 カッパドキア
10.カッパドキア 〜 カイセリ 〜 イスタンブール
11.イスタンブール滞在
12.イスタンブール 〜
13.〜 成田


1日目 (成田 〜 イスタンブール)

トルコ航空
イスタンブールへは成田からトルコ航空で13時間。4月初旬で旅行シーズンにはまだ少し早いのに機内は満席でした。地震の影響で観光客が少なくなったのかなと思っていたけど、トルコ人気は衰えていないようです。

2日目 (イスタンブール 〜 チャナッカレ)

ブルーモスク
真っ先に観光したのはイスタンブールの象徴的な建物、ブルーモスクでした。高さ43mもある巨大なドームの内部の壁は、2万枚以上の花柄やアラビア文字をモチーフにしたタイルで飾られ、260枚もの細かいステンドグラスともマッチして、美しさに目を奪われます。模様が施されているのは上部の方なので、絨毯の上に座って首が痛くなるまで上を見ていました。

ブルーモスク ブルーモスク(写真館1)


トプカプ宮殿

オスマン帝国のスルタンの宮殿として400年あまり使われていたトプカプ宮殿は、広大な土地に4つの庭園、ハーレム、宝物殿、謁見の間、数々のあずまや等があり、すべてを見学するには時間も体力も使います。ハーレムは別料金ですが、ステンドグラスとタイルで飾られた、いかにも宮殿らしい豪華な部屋があるので見る価値はあります。

トプカプ宮殿 トプカプ宮殿


ダーダネルス海峡
午後3時頃イスタンブールを出発しマルマラ海のヨーロッパ側をひたすら南下して、半島の先端近くキュルデルバヒルで8時発のフェリーに乗りました。薄暗い海に不気味な潜水艦を見ながらダーダネルス海峡を渡り、30分後対岸のチャナッカレに着きました。

3日目 (チャナッカレ 〜 トロイ 〜 ベルガマ 〜 イズミール)

トロイの遺跡
トロイの木馬で有名なトロイの遺跡に着くと、いきなり木馬のレプリカが現れます。いつもは中に入れるのに、数日前の強風で破損してしまったようで、立入禁止になっていました。遺跡の方は9つの時代の遺構が重なり合っていて、遺物の前に時代を表す看板が立っています。遺跡の丘を囲む立派な城壁は紀元前1800〜1200年頃のY市の遺構です。トロイの木馬もY市の西門から運び込まれたと考えられています。

トロイの聖域(写真館5) トロイ(Y市の城壁)


ペルガモンの遺跡
トロイからエーゲ海沿いの山道を南下してベルガマに来ました。ここにはヘレニズム時代に栄えたペルガモン王国の遺跡があります。遺跡は町の南西にある医療施設跡・アスクレピオンと町の北側に聳える丘の上のアクロポリスに分かれます。アクロポリスの大劇場は丘の斜面を利用して観客席が造られていて、かなりの急勾配で下に降りるのに足が竦みそうです。でも、この観客席から見るベルガマの町のパノラマは必見です。

アクロポリス(写真館6) アスクレピオン

※ペルガモンのアクロポリスは1994年4月に撮影


4日目 (イズミール 〜 エフェス 〜 イズミール)

エフェス(エフェソス)の遺跡
ほとんどのトルコのツアーで訪れることになっている遺跡だけあって、たいへん見所の多い遺跡です。ファザードの美しいケルスス図書館や大劇場、床にモザイク画が残っている通りや数々のローマ風呂、音楽堂などがあります。ローマ時代のトイレや大理石に彫られた娼婦の館の看板などは当時の暮らしぶりを垣間見ることができて興味深いです。エフェスはキリスト教ゆかりの地でもあり、聖母マリアが晩年を過ごしたという家が、エフェス近郊の山の上にあります。

ケルスス図書館(写真館4) ハドリアヌス神殿
モザイクの床 ローマ劇場



5日目 (イズミール 〜 パムッカレ)

ヒエラポリスの遺跡
パムッカレの石灰棚のすぐ後ろには、ヒエラポリスの遺跡が広がっています。ここはペルガモン王国の時代に造られた都市で、パムッカレの温泉の効能は当時から学者によって研究されていたので、ローマの時代には温泉地として繁栄しました。現在の遺跡は、トルコの遺跡の中で最も大きいネクロポリス(墓地)があるのが特徴的です。

ヒエラポリス ヒエラポリス


パムッカレ
パムッカレに着く前にガイド氏がしきりに「見るとがっかりするよ」という話をしていました。たしかに6年前に来たときは、石灰棚にかろうじてブルーの水がたまっていたのに、今はすっかり干上がってしまい、水のある所といえば上から水を流している部分だけなのですから。’97年から入場禁止にして保護に乗り出したようだけど、もっと早くすべきだったのではないでしょうか。

干上がったパムッカレ(写真館10) パムッカレの夕景(写真館11)
パムッカレ(2000年4月) パムッカレ(1994年4月)



6日目 (パムッカレ 〜 アフロディシアス 〜 アンタルヤ)

アフロディシアスの遺跡
エフェスとパムッカレの間の内陸部にあるアフロディシアスの遺跡は、あまり有名ではありませんが遺跡フリークには断然おすすめの遺跡です。ここには他のローマ遺跡では見られない完璧で巨大な競技場があります。この他、保存状態の良い大劇場、アフロディーテ神殿、オデオンなどがあり、かなり見応えのある遺跡です。ここは1960年代になってからトルコの学者の手によって発掘が始められたので、出土品を持ち去られたり遺跡を荒らされることなく、発掘がすすめられているそうです。

アフロディーテ神殿 ローマ劇場
競技場(写真館7) アゴラ


7日目 (アンタルヤ 〜 ファセリス 〜 アンタルヤ)

ファセリスの遺跡
アンタルヤから南に50km、地中海沿いの松林の中に隠れるように点在する静かな雰囲気の遺跡です。ここはアンタルヤの西側に広がる古代リキア地方の都市の遺跡ですが、現在残っているのはローマ時代の遺物です。リキアの遺跡のせいか生い茂る松林のせいか、これまで見たトルコの遺跡とは違う独特の雰囲気でした。

ファセリス・水道橋 ファセリス・ローマ劇場


アンタルヤの町

地中海リゾートとして栄えるアンタルヤは、紀元前3世紀のペルガモン王国の時代に築かれたたいへん歴史のある町です。ローマ時代には既に城壁に囲まれた港町となっていました。旧市街は今も城壁に囲まれていて、高台からは美しい地中海やヨットハーバーが見られ、路地裏の家並みも南欧の雰囲気が漂っています。

8日目 (アンタルヤ 〜 ペルゲ 〜 アスペンドス 〜 コンヤ)

ペルゲの遺跡
オスマン帝国やイスラムのモスクの印象が強いトルコですが、南西部のエーゲ海沿岸には本家のギリシャ顔負けなほど多くのヘレニズム・ローマ時代の都市遺跡が残っています。ペルゲもその1つで野外劇場に競技場、ヘレニズム門、ローマ浴場などがある広大な都市遺跡です。きれいに修復されている建物こそありませんが、噴水から続く水路のある街路を歩いていると、当時の町並みが想像できます。

ペルゲの遺跡・ヘレニズム門(写真館8) ペルゲの遺跡・街区


アスペンドスの劇場
ヘレニズム〜ローマ時代の遺跡・アスペンドスの見所は、ほぼ完璧に近い保存状態のローマ劇場です。ここは舞台側の壁や楽屋、観客席最上部の柱廊も、ほんとうに良く残っているので、当時のままのような錯覚さえ覚えます。現在でも演劇フェスティバルに使われているそうですが、石の席に座って劇を見ているとおしりが痛くなりそうです。

アスペンドスの劇場(写真館9) アスペンドスの劇場


マナブガットの滝
ごうごうという音が聞こえるものの、土産物屋やレストランが並びどこに滝があるの?と思っているとそのレストランのすぐ脇に、流れてくる水の一部はレストランの下を通って、かなりの水量の滝がうねっていました。この滝は崖から水が落ちるタイプではなく、幅の広い川の段差の部分が滝となっているので、勢いが強くて吸い込まれそうでした。

マナブガットの滝 マナブガットの滝



9日目 (コンヤ 〜 カッパドキア)

コンヤ
トルコに来てからエーゲ海やローマの遺跡ばかり見てきたので、イスラムの国という事をあまり感じませんでしたが、コンヤに着いて町を歩く女性が皆スカーフを被っていたり、夜中に大音量のアザーンで起こされたりして、なんだか懐かしいような気分になりました。コンヤはイスラム神秘主義のメヴラーナ教団が興ったところでもあり、トルコで最もイスラムの影響の強い町です。

カラタイ神学校の内部 メヴラーナの踊り


メヴラーナの霊廟
13世紀頃はじまったメヴラーナ教団の創始者メヴラーナの墓です。この教団の特徴は旋舞の儀式です。音楽に合わせて旋回しトランス状態になることによって、死んだときと同じような状態になり神に続く”線”ができると考えられています。白いスカートは「無罪」を、手をあげるポーズは「神への理解」を表しているそうです。

メヴラーナの霊廟(写真館2) メヴラーナの霊廟



10日目 (カッパドキア 〜 カイセリ 〜 イスタンブール)

ウチヒサール
巨大な一枚岩に穴を掘って造られた城塞が聳え、ギョレメの谷の雄大な景観も見られる絶好の観光ポイントです。ギョレメの谷側は円錐形の岩と、柔らかそうな白い岩の組み合わせが果てしなく続いています。城塞をはさんで反対側には、ソフトクリームのようなとってもおいしそうな岩もありました。

ギョレメ野外博物館
ギョレメの谷には、美しい壁画が描かれている岩窟教会がたくさんあり、野外博物館になっています。フレスコ画は、いかにも素人が描いた素朴なものから、鮮やかな色彩の細密なものまで30あまり発見されているそうです。教会の内部だけでなく、谷あいの奇岩の風景もキノコ型の岩とは違う面白さがあります。

ゼルヴェの谷
せっかくカッパドキアに来たのに、とうとう雨が降り出しました。360度奇岩の景色の真っ只中というのに、窓ガラスに雨があたって見えません。でも、きのこの岩が連なる景色で有名なゼルヴェの谷に着くと、天の恵みか、一瞬雨が止んで雲の間から一筋の光がさしてきました。

アクテペ(写真館12) ゼルヴェの谷(写真館13)
ウチヒサール(写真館14) ゼルヴェの谷(写真館15)

※カッパドキアの写真は全て1994年4月に撮影

11日目 (イスタンブール滞在)

地下宮殿
4世紀〜6世紀に造られたイスタンブールの貯水池で、336本ものコリント式の円柱で支えられている様子から地下宮殿といわれています。ぽたぽたと水が滴る宮殿内の一番奥に、メドゥーサの首の彫刻がついた柱が妖しくライトアップされています。貯水池の水のなかには、なぜか太った魚が泳いでいました。

地下宮殿 地下宮殿


アヤソフィヤ
325年にギリシャ正教の総本山として建てられたアヤソフィアは、1453年にコンスタンティノープルがオスマン軍に陥落されたときに、イスラム教のモスクに変えられ、モザイク画が漆喰で塗りつぶされたり、ミナレット(尖塔)が付けられたりしました。現在では漆喰が取り除かれたため、ギリシャ正教のモザイク画と、アッラーやムハンマドと書かれたイスラム教の看板が、同時に見られる不思議な建物になっています。

アヤソフィア内部 アヤソフィアのモザイク画


12日目、13日目 (イスタンブール 〜 成田)

リュステム・パシャ・モスク
イスタンブールのフリータイムはイズニックタイルが美しいというリュステム・パシャ・モスクに行きました。
新市街のタクスィム広場からアンティークな路面電車に乗り、終点で世界一短い地下鉄に乗り換えて3分でガラタ橋へ。釣り人を見ながら橋を渡り、エジプシャン・バザールの横の問屋街を人に流されて歩くこと数分、目立たない小さな階段がそのモスクの入口でした。階段を登って入ってみたものの管理人の姿はなく、モスクには鍵がかかっていて入れません。格子窓から覗くと壁一面のブルーの美しいタイルが見えるというのに!でも管理人の姿を探してうろうろしているとすぐに、西洋人のツアー客とともに管理人が来て、内部に入ることができました。小さいモスクなので、ブルーモスクよりも明るく、隙間なく張り巡らされたイズニックタイルを間近に見る事ができました。観光客もあまり来ないので、静かに落ち着いてモスクの雰囲気を楽しめるのも気に入りました。

リュステム・パシャ・モスク(写真館2) リュステム・パシャ・モスク
リュステム・パシャ・モスク リュステム・パシャ・モスク


●参考にさせていただいたもの●
地球の歩き方 イスタンブールとトルコの大地(ダイヤモンド社)
JTBのポケットガイド・トルコ(JTB)
古代文明と遺跡の謎(自由国民社)


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