旅ノート オマーンの旅(2012年9月17日〜9月23日)
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◎旅の日程◎ |
1.成田 〜 アブダビ |
2.アブダビ 〜 アルアイン(らくだ市) 〜 国境 〜 ソハール(魚市場・ソハール城) |
3.ソハール 〜 アイン・カスファ 〜 ルスタク城 〜 ナハル城 〜 マスカット |
4.マスカット滞在 (グランドモスク、マトラ・スーク、オールドマスカット・ダウ船クルーズ) |
5.マスカット 〜 ジャブリン城 〜 アル・ハムラ村 〜 ニズワ(ニズワスーク) |
6.ニズワ(ニズワ城) 〜 国境 〜 アブダビ |
7.アブダビ〜成田 |
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エティハド航空
今回の旅はエティハド航空のキャンペーンツアーで、7日間でUAEから陸路オマーンへ入りオマーンの主な見所を周るツアーでした。7日では物足りないかもと思いつつ、ずっと行きたかったオマーンにお手ごろ価格で行けるのと、訪問地にシンドバッド縁の地、ソハールが含まれていたので参加することにしました。初めて利用したエティハド航空の印象は、エミレーツ、カタール航空と機内エンターテインメントやアメニティセットなどのサービスはほぼ同じだと思いましたが、機内食はご飯に甘栗が入っているような不思議なものでした。
アブダビに到着
到着予定時刻は朝4:35でしたが、1時間以上早い3:30頃に到着。空港のターミナルを出た途端にもわ〜とした蒸し暑さでメガネが曇って視界が真っ白に。これでも真夜中なので昼間より涼しいとのことでした。ここからバスに乗って陸路オマーンを目指します。
アル・アイン
オマーンとの国境近くの町、アル・アインへ。「泉」という意味のこの町は古くから砂漠のオアシスとして栄えてきましたが、現在は巨大なショッピングモールが建つ近代的な町になっていました。ホテルで朝食後、ラクダ市場を見学。スーダンで見た、砂漠にラクダが集められるだけの市場とは違って、こちらは小奇麗な檻の中にラクダが入れられていて餌を食べています。ラクダはスーダンやサウジアラビアから連れてこられたもので、1頭10万円ほどで取引されているそうです。
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餌を食べているラクダ |
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売られていくラクダ |
ソハールの魚市場
国境を越えてオマーンに入国。シンドバッドが船出したといわれる町、ソハールへ。初めに魚市場を見学しました。訪れた時間が遅かったので少し活気に欠けていましたが、水揚げされた魚や魚を捌く様子を見学できました。隣接している港は小さな漁船が停泊しているだけののどかなもので、シンドバッドの時代を髣髴させるものではありませんでした。
ソハールの市内
ソハールの町には高層ビルはなく、均整の取れた白い建物が建ち並び、青い空と海にとてもよく調和しています。この町の建物は伝統建築で建てなければならないと決められているそうです。フォート(城砦)も白亜のお城でしたが、残念ながら修復中で内部は見学できませんでした。その後、果物と野菜の市場へ。生のナツメヤシやバナナ、巨大なスイカなどが売られていました。
ソハール・ビーチ・ホテル
午後からはソハール・ビーチ・ホテルにチェックインし休憩タイム。ホテルにはプライベートビーチもプールがありますが、あまりにも暑いせいか誰も泳いでいません。誰もいない海を歩いていくと隣にモスクがあり、ちょうど礼拝を終えた人たちが出てきました。カメラを向けては悪いと思って挨拶だけすると、「俺の写真を撮ってくれ」と自らポーズをとってくれました。
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ホテルの部屋からの眺め |
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ホテルの隣のモスクにて |
3日目 (ソハール 〜 ルスタク 〜 ナハル 〜 マスカット) |
オマーン2日目はソハールを出発し、内陸部のハジャール山地の麓の村ハナルや古都ルスタクの城砦を見学しつつ首都マスカットへ向かいます。
アイン・アル・カスファ
ルスタク・フォート近くにあるこの泉はお湯が湧き出ていて足湯ができるときいていましたが、お湯の温度が48度もあり、足を浸けるには熱すぎました。丸い池の底の方からボコボコと沫が上がってきてお湯が湧いているのが分かります。私たちが去った後、地元の人がお湯を汲みに来ていました。
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お湯が湧く泉 |
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お湯を汲む人 |
ルスタク・フォート
ルスタクは、かつて首都として栄えたところで、17世紀には、現王家の祖先に当たるイマーム・アフメド・ビン・サイードが統治者としてルスタク城に居城していました。修復作業中だったのでお城の内部の見学はできませんでしたが、城壁の内部に入ることを特別に許可してもらえました。
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ルスタク・フォート |
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なつめやしの林と遠くの山々 |
アイン・アットワラ
アイン・アル・カスファでは足湯をする気になれなかったので、ガイド氏のオススメでもう1箇所、足湯体験ができる所に来ました。渓谷の澄んだ流れには小魚が泳ぐ様子が見られ、温泉が流れ込んでいる水は程よい加減で温かく、足を浸してじっとしていると小魚が寄ってきます。ここの魚はドクターフィッシュで足の角質を食べてくれるそうです。
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アイン・アットワラの渓谷 |
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家族連れの憩いの場 |
ナハル・フォート
ハジャール山地の麓のナハルの地には、5世紀頃に町が建設され6世紀にイマームが移り住んで城の基盤が建設されたそうです。その後、代々の地方領主によって利用され、19世紀になると特徴的な円筒形の塔や城壁が建設されました。冬と夏の謁見の間、なつめやしの倉庫、牢獄、執務室などを見学しました。入り口の門には侵入した敵の首を斬るための小さな扉があったり、内部の造りも敵を寄せ付けない工夫がされています。
屋上からの眺望も素晴らしく、内部も時間をかけてゆっくり見学することができたので、今回の旅行では一番見応えのある城砦でした。
スルタン・カブース・グランドモスク
カブース国王が6年の歳月をかけて2001年に完成した壮大なモスクです。内装は世界の一流品を取り寄せて施されており、ため息が出るほどの美しさです。イタリアの大理石、トルコのタイル、フランスのステンドグラス、スワロフスキー社製の巨大なシャンデリア、世界で2番目に大きいペルシャ絨毯、等々。
礼拝所の建物や回廊は純白の大理石で、壁にはコーランや幾何学模様の細かい彫刻がさりげなく施されています。金曜、土曜を除く午前8時〜11時の間だけ異教徒が入場が許可されていますが、見学者は多くなく静かで厳かな雰囲気に包まれていました。
マスカットの町並み
マスカットの商業地区には近代的なビルもありますがUAEのような高層ビルはなく、白い建物が背景の岩山と調和して美しい町並みです。国旗が立つ庁舎と思われる白い建物は皆美しいデザインであったり、かわいいモスクやモニュメントなどを見るたびに、ついつい写真を撮りたくなってしまいます。
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マスカットの建物 |
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車窓から見たモスク |
マトラ地区
マトラ地区はオマーン湾に面していて交通量も多く賑やかなところですが、海岸通から見る景色は、青い海とごつごつした岩山、マトラ・フォート、青いドームの美しいモスクといった、オマーンらしさを象徴するものを全て見ることができます。近くのマトラスークでは、乳香が焚かれハンジャルなどの土産物が売られていましたが地元の人が買い物をする姿も見られました。
オールド・マスカット
マトラ地区からオールドマスカットへ。ここには、かつての王宮で現在は迎賓館となっているアラム・パレスと16世紀のポルトガル統治時代に建設されたミラニ・フォート、ジャラリ・フォートがあります。何れも内部の見学は許可されていないので外観のみの見学です。フォートの近くには行けなくてあまりよく見えませんでしたが、後でダウ船に乗って海側から見ることができました。
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アラム・パレス(迎賓館) |
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ミラニ・フォート |
ダウ船クルーズ
夕刻、ダウ船に乗ってオマーン湾のクルーズへ。マスカットの東南部より出発し、シャングリラホテル沖まで南下した後、折り返してオールドマスカット沖まで北上し、港に戻る約2時間のクルーズです。切り立った岩山が海に迫り出している景色は中東のフィヨルドとも言われているので、ぜひ海上から見たいと思っていました。トンネルのように浸食された岩、顔のように見える岩など奇岩の数々が夕日に映えます。途中で日没となり、オールドマスカットではフォートだライトアップされていました。
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マリーナ |
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猿のような岩 |
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浸食された岩 |
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ライトアップされたジャラリ・フォート |
マスカットからニズワへ
シャングリラホテルに連泊したにもかかわらずリゾート施設を何一つ利用できなかった事に未練を残しつつ、マスカットを後にして内陸部のニズワに向かいました。車窓には岩山とナツメヤシの林、ワジ(枯れ川)の景色が広がります。山岳地帯に入るとダイナミックな地層が剥き出しになった切り立った山々が現れます。
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車窓からの景色 |
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車窓からの景色 |
ジャブリン城
岩山のつづく景色から何もない平坦なところに出ると荒野にポツンとジャブリン城が建っています。1671年、オマーンをポルトガルの支配から奪還したヤアルビー朝の時代に築かれました。この城の見所は天井の細かい装飾です。屋上からは周りの砂漠や遠くの山々が一望できます。
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ジャブリン城 |
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ジャブリン城 |
バフラ城
バフラ城は世界遺産に登録されていますが、崩壊の危機があるということで1996年から修復作業が行われていて入場することができません。少し前の写真では修復用の足場に覆われていたようですが、現在は足場はなく外観はスッキリしていました。
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バフラ城 |
アル・ハムラ村
300年以上も前から続く伝統的な泥と藁で造られたの住居で今も人々が生活しているというアル・ハムラ村に立ち寄りました。伝統的な村ということでロバ車に乗った村人の登場を期待しましたが、バイクや車が走っていました。しかしながら、土壁の家々の前にはファラジ(水路)が通り、緑の農園が広がっていて古の農村の雰囲気を味わえました。
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アル・ハムラ村 |
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アル・ハムラ村 |
ファラジ・ダリス
ファラジとは地下水路を利用した灌漑システムのことで、オマーンには4000以上ものファラジがあるそうです。5つが世界遺産に登録されていますが、その1つがファラジ・ダリスです。賑やかな声がすると思ったら、4,5人の男性が水浴びをしていました。彼らはUAEから来た人とのこと。オマーンの人はこんなふうに騒ぐことがないそうです。
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ファラジ・ダリス |
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世界遺産で水浴びをする人 |
ニズワのスーク
午後、ニズワに到着し夕方スークに出かけました。既に暗くなっていたので、写真も撮らずに買い物に専念しました。オマーンの銀製品や手工芸品はニズワで製作されているそうで、マスカットのマトラスークより品揃えが豊富でした。銀製品を買うならニズワがオススメです。
6、7日目 (ニズワ 〜 アル・アイン 〜 アブダビ 〜 成田) |
ニズワ・フォート
オマーンの3大フォートの1つであるニズワ・フォートは17世紀に築城されました。煮えたぎったナツメヤシの油を天井から落とす装置や、カモフラージュの扉など内部には敵の侵入を防ぐための様々な仕掛けが施されています。隣接するモスクのドームは、オマーンを象徴する写真としてよくパンフレットで使用されています。この青いメッシュの入った装飾ののドームを間近で見てみたいと期待していたのですが、残念なことに修復中で青い色が取り除かれていました。
国境を越えてアブダビへ
ニズワからハジャール山地の西側を走り、国境を越えてアブダビへ。ごつごつした岩山の景色から、UAEに入るとさらさらの砂丘が現れたり近代的な高層ビルが立ち並び、景色が一変しました。7つ星ホテルや奇抜なデザインの高層ビルが立ち並ぶ景色はオイルマネーの凄まじさを感じます。シェイク・ザイード・モスクは、バスから見えたときに幻かと思うほど巨大で威容を誇っています。オマーンのグランドモスクのペルシャ絨毯は世界で2番目の大きさでしたが、世界最大のものはこちらのシェイク・ザイード・モスクにあるそうです。
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砂丘 |
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アブダビの海岸にて |
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7つ星ホテル・エミレーツパレス |
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シェイク・ザイード・モスク |
帰国
やはり7日間はあっという間でしたが、思っていたより見所が多く充実した旅でした。だた、ようやく暑さにも慣れてきて、「さあ、これから」とういう時に帰国となってしまった感じは否めないので、次回はワヒバ砂漠やサラーラなどをじっくり周る旅ができればと思います。
●参考にさせていただいたもの●
地球の歩き方 アラビア半島(ダイヤモンド社)
旅のルートマップ(ワールド航空サービス 添乗員さん)
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