秘境の旅 写真館
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旅ノート レバノンの旅(1997年7月16日〜7月25日)

◎旅の日程◎
1.成田 〜 クアラルンプール
2.〜 ベイルート(犬の川、ジェイタ洞窟)
3.ベイルート 〜 (ハリッサ)〜 (ビブロス)〜ブシャーレ地区
4.ブシャーレ地区 〜(レバノン杉)〜(トリポリ)〜ベイルート
5.ベイルート 〜 スール(ティルス)〜サイダ(シドン)〜チューフ
6.チューフ 〜 バールベック
7.バールベック(遺跡観光) 〜(アンジャール)〜ベイルート
8.ベイルート 〜(アフカ)〜(ファクラ)〜 ベイルート
9.ベイルート 〜
10.〜クアラルンプール〜成田


1日目 (成田 〜 クアラルンプール)

クアラルンプール
成田からマレーシア航空でクアラルンプールへ。そこからドゥバイ経由でベイルートへ向かったのですが、クアラルンプールでは7時間のトランジットでやることもなく、仕方なく空港のベンチで寝てしまいました。

2日目 (〜 ベイルート)

ベイルートに到着
朝の6時半にベイルートに到着、市内のホテルに向かいます。いきなり町なかに装甲車がいるのを見て、寝ぼけて幻を見たのかと思いましたが本物でした。ベイルートの町は、15年にわたる内戦で廃虚になった建物や砲弾の跡が生々しく残る建物がそのまま放置されていました。

犬の川
ベイルートの郊外にある”犬の川”の岸の崖には、4000年にわたって歴史上重要な碑文が刻まれています。古くは、ラムセス2世やアッシリア王のものもありましたが、すぐ下が高速道路になっていたので、こんなに排気ガスや振動にさらされていいものかと心配になりました。

ラムセスU世とアッシリア時代の碑文 ナポレオンV世の碑文


ジェイタ洞窟
あまり写真を見かけないので期待していませんでしたが、かなり大きな鍾乳洞でした。洞窟は上と下の2つに分かれていて、下の方は洞窟内を舟に乗って見物するので、探検気分でわくわくしました。
観光後、ベイルートに戻り「鳩の岩」や復興の工事現場で見つかったローマ時代の遺跡などを見学しました。昼食にはダイナミックな生野菜のてんこ盛りと、それに付ける何種類かの「ごまペースト」がでました。あっさりした食事に、いい気になって食べていたら、後でとんでもない事になってしまったのでした。

ベイルート・鳩の岩 野菜のてんこ盛り


3日目 (ベイルート 〜 ブシャーレ地区)

ハリッサ
レバノンは人口の45%がキリスト教徒で、ハリッサの丘の上には、キリスト教マロン派の教会があり、白亜の女神像が立っています。麓のジェニエからにゴンドラに乗って登っていると、途中の斜面に建っているマンションから手を振っている人が見えました。丘からは地中海のパノラマが見渡せます。

丘に登るロープウェイ 丘の上の女神像


ビブロス遺跡

ビブロスのギリシャ名はパピルス、すなわち書物を表し、バイブル(聖書)の語源ともなった町です。ここは世界で最も歴史の古い都市国家が存在していたことでも有名で、紀元前3500年頃の住居跡も発見されています。フェニキア時代の神殿、ローマ時代の遺跡、十字軍の要塞などが発見されていて、遺跡に立つと地中海からの潮風を感じます。

十字軍の要塞 バーラッド・ゲバル神殿(写真館10)
オベリスク神殿(フェニキア時代) ローマ時代の列柱


地中海クルーズ

ビブロスの近くから遊覧船に乗って、海から遺跡を見ることができるというので、思いがけず”地中海クルーズ”をすることになりました。海上からは十字軍時代の要塞や、ローマ時代の列柱も小さく見えました。夏だったので、近くのビーチは海水浴客で賑わっていました。
この後、バスで2時間くらいで標高1500mのブシャーレ地区のホテルに着きました。

地中海リゾート ブシャーレ地区



4日目 (ブシャーレ地区 〜 ベイルート)

レバノン杉の森
約5000年前、この地方に繁栄をもたらした最も重要な交易品がレバノン杉でした。エジプトやメソポタミアの国家に輸出され、宮殿や神殿の天井などに使われていました。その頃の乱伐がたたって現在では1200本までに減少し保護地区に指定されています。

レバノン杉(写真館3) レバノン杉の土産物屋


トリポリ
レバノン杉のある標高2000mの山から、2時間くらいで地中海沿岸のトリポリに着きました。この町はイスラム色が強く、スークを歩いているとアザーンが聞こえてきました。十字軍の建てたサン・ジル要塞からはトリポリの町のパノラマが見られます。

サン・ジル要塞 タイナル・モスク(トリポリ)



5日目 (ベイルート 〜 チューフ)

ティルス遺跡
今日はベイルートから南へ向かいます。まずはイスラエルにほど近いスールへ。ここには、かつてティルスと呼ばれていたフェニキア人の都市がありました。紀元前11世紀頃、海上貿易と特産の紫の染料で最も栄えました。遺跡は”島だった部分”と”陸だった部分”に分かれていますが、現在残っている遺構は、どちらもローマ時代のものでした。

島の遺跡の入口(写真館4) 島の遺跡 ローマ時代の列柱(写真館5)
陸の遺跡 凱旋門
凱旋門 違う写真(写真館9)
陸の遺跡 競技場の観客席


サイダ

サイダもシドンと呼ばれるフェニキア人の都市国家でした。ここで有名なのは、海に突き出たところに建っている”海の城”です。13世紀に十字軍によって島の上に建てられたものですが、後世に石橋が造られ陸続きになっています。建築材料にローマ時代の円柱が使われているのは、ビブロスにあった城塞と同じでした。

サイダ・海の城 サイダのスークにて(写真館6)



6日目 (チューフ 〜 バールベック)

予定変更
今日はアンジャール遺跡を観光する予定でしたが、私も含めて食中りで動けなくなった人が何人かいたので、予定を変更して早めにバールベックのホテルに向かいました。レバノンは岐阜県と同じくらいの面積なので、一日の移動距離が少なく、日程にも余裕があったので助かりました。

7日目 (バールベック 〜 ベイルート)

バールベック遺跡
レバノンで最も有名なバールベックの遺跡は、ベカー高原のほぼ中央にあり、シリアのダマスカスからも日帰りで行くことができます。有名な6本の円柱は、直径でさえも人の背丈よりも高い2.2mもあって、高さは20m以上あり実際に見ると、巨大さに圧倒されます。もう一つの象徴的な建物、バッカス神殿の柱廊の天井には、細かい彫刻が残っています。この彫刻は神々や歴代の皇帝の妃をモチーフにしているそうです。クレオパトラのものといわれる彫刻が下に落ちていました。

バッカス神殿(写真館1) 柱上の彫刻 クレオパトラ?
ジュピター神殿(写真館7) 柱上の装飾(写真館8)
中庭の貯水槽 ヴィーナス神殿(非公開)



アンジャール遺跡

8世紀にウマイヤ朝によって造られた城塞都市で、石で組まれたアーチが印象的でした。ベカー高原の中ほどにあり、糸杉の林や、なだらかな山に囲まれて、静かで落ち着いた雰囲気のある遺跡でした。

宮殿跡(写真館2) 住居跡



8日目 (ベイルート 〜 アフカ 〜 ファクラ 〜 ベイルート)

アフカ
今日はフェニキア時代の巡礼ルートを辿ります。ベイルートから北に向かい、ビブロスの手前で山の方へ入り”マシュナカ”へ。ここにはローマ時代の神殿の一部が残っていました。さらに山道を進み、”ヤヌハ”へ。ここにもフェニキア時代とローマ時代の神殿がありました。そして最後に”アフカ”へ。ここは巡礼ルートの終着地で、岩山の洞窟から水が湧き出ていて、それが滝となって落ちている滝壷はエメラルド色に輝き、いかにも聖地にふさわしい所でした。これらの遺跡はガイドブックに載っていないので、訪れる人も少ないようです。

聖水の湧く洞窟(右上) 聖水の滝


ファクラ

この遺跡も日本のガイドブックには出ていないマイナーな遺跡です。山奥にローマ時代とフェニキア時代の神殿がひっそりと佇んでいました。石がゴロゴロしていてあまり修復されていませんが、かなり大きな神殿でした。

ローマ時代の神殿 フェニキア時代の神殿


9、10日目 (ベイルート 〜 クアラルンプール 〜 成田)

ベイルートの下町
ホテルから歩いて5分くらいのところにベイルート一の繁華街があって、何度か行きましたが都会すぎて今一つでした。最後の日に時間があったので、それとは反対側の方へ歩いていき、大通りから一歩入ると、魚や野菜などを売っていて庶民の生活の場という感じでした。悲惨な建物ばかり見てきたので、市場の陽気な人々に会えてほっとしました。



●参考にさせていただいたもの●
地球の歩き方 ヨルダン・シリア・レバノン(ダイヤモンド社)
世界遺産3 西アジア(講談社)
古代文明と遺跡の謎(自由国民社)
旅のメモ(ユーラシア旅行社 添乗員さん)


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