旅ノート グアテマラ・ホンジュラスの旅(1997年12月3日〜12月15日)
 |
|
◎旅の日程◎ |
1.成田 〜 ロサンゼルス 〜 |
2.〜 グアテマラシティ 〜 リオ・オンド |
3.リオ・オンド 〜 コパン遺跡 〜 グァテマラシティ |
4.グアテマラシティ 〜 チチカステナンゴ |
5.チチカステナンゴ 〜 パナハッチェル |
6.パナハッチェル 〜 アンティグア |
7.アンティグア 〜 フローレス |
8.フローレス滞在(セイバル遺跡観光) |
9.フローレス 〜 ティカル遺跡 〜 グアテマラシティ |
10.グアテマラシティ滞在 |
11.グアテマラシティ 〜 ロサンゼルス |
12.ロサンゼルス〜 |
13.〜成田 |
グアテマラシティへ
日本からグアテマラへは直行便がないのでまずロサンゼルスに行きます。そこで12時間のトランジットの後、サンサルバドル(エルサルバドル)経由でやっとグアテマラシティに着きます。日本を出発してから、約35時間くらいでしょうか。
2日目 (〜 グァテマラシティ 〜 リオ・オンド) |
国立博物館
グァテマラシティには朝の9時頃に着いて、午前中は国立博物館を訪ねました。これから訪ねるマヤの遺跡から発見されたステラ(石碑)や出土品などを説明してもらって、”謎のマヤ”の遺跡について予習しました。
キリグア遺跡
午後からは約200kmはなれたキリグア遺跡に向かいました。着いたときには夕方になっていて、蚊がブンブン纏わりついてきます。この遺跡の特徴は、原っぱに巨大なステラ(石碑)がいくつか建っていて、それぞれに草葺きの屋根がついています。一番奥には、マヤの遺跡によくある石積みの神殿もありました。
ホンジュラスへ
国境を越えてホンジュラスのコパン遺跡に向かいます。この辺りの道は良くないと聞いていましたが、ほんとに埃っぽくてガタガタです。その上、道路工事で通行止めとなり1時間も立ち往生してしまいました。その間、コーラを山積みにした車の人たちと親睦を深めていたら、コーラを1ケース貰っちゃいました。
コパン遺跡
これといったチェックもないのどかな国境を越えて、ホンジュラスのコパンの遺跡に着きました。ここは8世紀頃栄えたマヤ文明の遺跡で、細かい彫刻の施されたステラ(石碑)やピラミッドのような石積みの神殿があるかなり大規模な遺跡です。ステラの彫刻は王の顔などがモチーフとなっていますが、コパン王朝はウサギ王やヘビ王といった動物の名前が王名とされているのがユニークです。
4日目 (グァテマラシティ 〜 チチカステナンゴ) |
イシムチェ遺跡
15世紀頃カクチケル族という部族の首都だったところで、小さいピラミッドのような神殿と競技場、住居跡などが残っています。遺跡は芝生を敷き詰めた公園のようで、近所の子供たちが遠足で来ていて、サッカーをしていました。そんなほのぼのとした遺跡でした。
 |
|
 |
イシムチェ遺跡 |
|
イシムチェ遺跡 |
 |
|
 |
遺跡に遊びに来ていた子ども |
|
近所の子ども |
チチカステナンゴ
標高2000メートルの高地に位置する、インディオの市で有名なチチカステナンゴに着いて、早速市の開かれるサント・トマス教会の辺りに行きました。今日は土曜なので、ほとんどのお店は準備中でした。市は日曜と木曜に開かれます。夜になると冷え込んできたので暖炉をつけてセーターを着て寝ました。熱帯夜だった2日前とはえらい違いです。
マヤの祭壇
日曜市で賑わうチチカステナンゴから約1.5kmの小高い丘の上に、今でも地元の人によって信仰の儀式が行われているマヤの祭壇、パスカル・アバフがあります。登ってみると、お香を焚いて神に祈りを捧げる儀式の真っ最中でした。ここは大変神聖な場所なので、見学中は絶対声を出さないようにと注意を受けました。
チチカステナンゴの日曜市
チチカステナンゴに戻ると、日曜市は人でごったがえしていました。カラフルな織物や民芸品は見ているだけでも楽しくなりますが、気をつけなければならないのは、地元の人の写真を撮ることです。きれいな民族衣装を着ているのでつい写真を撮りたくなりますが、インディオの人達は写真に撮られる事を嫌います。撮るとお金を要求してくるそうなのですが、観光化のために素朴な人々がそのようになってしまったのは残念なことだと思いました。
ソロラ
午後からはアティトラン湖のリゾート、パナハッチェルに向かいます。途中、ソロラの町に寄りますが、ここは男性も民族衣装を着ていることで有名です。ここでも市が開かれていて、細かい柄の織り込まれた民族衣装を着た男性が野菜や果物を売っていました。
 |
ソロラの町にて |
アティトラン湖
標高約1500m、周りを3000m級の火山に囲まれたアティトラン湖は、世界で最も美しい湖などと賞賛されています。世界一というほどではないけど確かに風光明媚なところです。それは湖を囲む3つの火山、サン・ペドロ山・トリマン山・アティトラン山の稜線の美しさと、湖畔ののどかな風景が良くマッチしているからだと思います。
 |
|
 |
アティトラン湖の朝 |
|
アティトラン湖 |
周辺の村
観光船でアティトラン湖を横断し、対岸のサンチャゴ・アティトラン村を訪ねました。ここでも女性たちは、細かい柄の織り込まれたウイピルという美しい民族衣装に身を包んでいます。教会までの道には、土産物屋や出店が続いていて、織物や素朴画などを売っています。パナハッチェルからは重なって1つの山に見えたトリマン山、アティトラン山ですが、サンチャゴ・アティトラン村の方まで来ると、シルエットが分かれて2つの山だということが判ります。
 |
|
 |
サンチャゴ・アティトラン村の教会 |
|
サンアントニオ・パロポ村 |
アンティグア
グアテマラには富士山のような形の山がたくさんあります。中でもアンティグアから見えるアグア火山は均整の取れた形で、石畳の残るコロニアル調の町並みに調和しています。この町はかつては首都でしたが、1773年の大地震で壊滅的な被害を受けました。町のあちこちには、そのとき崩壊した建物が今でも廃虚となって残っていて、独特な町の雰囲気を醸し出しています。
フローレスへ
フローレスへは、グァテマラシティから飛行機で50分くらいですが、3時間も前に空港に着いてしまいました。暇を持て余していると、民族楽器を持ったミュージシャンが現れ、空港ロビーでいきなりライブが始まりました。ペルーのフォルクローレのような音楽でした。
謎の遺跡セイバルへ
フローレスから埃の舞うデコボコ道をバスで2時間、さらにボートでパシオン川を上ること1時間半。さらにジャングルを20分くらい歩いて、やっと謎の遺跡セイバルに着きます。途中のパシオン川の両岸は熱帯雨林そのもので、木の枝のてっぺんにはイグアナの姿も見えました。
 |
|
 |
セイバルへジャングルクルーズ |
|
木の上のイグアナ |
セイバル遺跡
遺跡入口の船着き場に降りた途端に、信じられないほど多くの蚊の集中砲火が始まります。全身に虫除けを撒いて、蚊取り線香をモクモク焚いてもものともしません。遺跡には小さな神殿と細かい彫刻の施されたステラが何本かありましたが、説明を聞いてる間もちょっと油断すると蚊にやられてしまいます。でもジャングル探検のようで面白かったけど。
 |
|
 |
セイバル遺跡 |
|
セイバル遺跡のステラ |
ティカル遺跡
グアテマラ観光のハイライト、ティカルの遺跡に来ました。8世紀頃栄えたマヤ文明最大の都市遺跡です。緑の樹海に青い空、所々に顔を出すマヤの神殿、そんな風景を期待してきましたが、あいにく天気はうす曇りでした。でも熱帯雨林のこの地方は12月でも気温30度以上で神殿に登ると全身汗だくです。遺跡は公園のようになっていますが、遺跡内の移動はジャングルを歩くこともあり、そこには猿などの野生動物もいてまさに大自然の中の遺跡という感じです。
カミナルフユ遺跡
グアテマラシティにある遺跡で、原っぱのようなところでした。ここは他のマヤ遺跡と違って、ステラや石積みの神殿などはなく、建物は土でできていたので、今や土の固まりがあるだけです。日本の企業が発掘に協力したそうですが、見栄えがしないのでよほどの遺跡マニアでないと楽しめないと思います。
再びアンティグアへ
午後からは自由時間だったので、3日前後ろ髪を引かれる思いで後にした、アンティグアを再び訪れました。グアテマラシティからタクシーで一時間ぐらいです。今日は子供たちのお祭りらしく、教会の前には露店が出て、通りは山車や楽団のパレードで大賑わいです。町のはずれにある、地震で倒壊した跡が生々しいラ・レクレコシオン教会に行きました。ここでは、お祭りの喧騒も聞こえず、廃虚の静寂が時を超えて地震の恐ろしさを伝えていました。
スーツケースが行方不明
サンサルバドルでユナイテッド航空に乗り込むと、にこやかなスチュワーデスが「あなたたちの荷物は来ていません」とショックなことを言いました。グアテマラのタカ航空の手違えで積み残したらしいのですが、なんとも無責任な航空会社でなかなか探してくれませんでした。
帰国
結局荷物が見つからないまま帰国することになりました。12月だというのに上着はスーツケースの中に入っていたので、ロサンゼルスの免税店でセーターを買うはめになりました。ツアーの中には半袖姿で、現金もスーツケースに入れていて何も買えず怒りまくっている人もいました(それって自業自得)。でも、荷物はユナイテッド航空が探して翌日に宅配までしてくれて、おまけにPIAに乗ったときに付けられた傷まで無料で修理してくれたので、ちょっとラッキーでした。
●参考にさせていただいたもの●
地球の歩き方・中米(ダイヤモンド社)
マヤ文明(クロード・ボーデ、シドニー・ピカソ著
創元社)
古代文明と遺跡の謎(自由国民社)
旅のメモ(ユーラシア旅行社 添乗員さん)
このページの先頭へ
Copyright (C) 2006 All rights reserved by Noriko Yamaya
|