秘境の旅 写真館
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旅ノート エジプトの旅(1998年9月19日〜9月28日)

◎旅の日程◎
1.成田 〜 イスラマバード 〜 アブダビ 〜 
2.〜 カイロ(エジプト博物館など)
3.カイロ 〜 アレキサンドリア 〜 カイロ
4.カイロ 〜 アブシンベル 〜 アスワン(市内観光)
5.アスワン 〜 コム・オンボ 〜 エドフ 〜 エスナ 〜 ルクソール
6.ルクソール滞在 (ナイル東岸、西岸観光)
7.ルクソール 〜 カイロ(ギザのピラミッド)
8.カイロ滞在  〜 (メンフィス・サッカラ・ダハシュール)
9.カイロ 〜 アブダビ 〜 カラチ
10.カラチ 〜 成田



1日目 (成田 〜 イスラマバード 〜 アブダビ 〜)

前日のニュース
明日エジプトへ旅立つというその日、衝撃的なニュースが入ってきました。”カイロ博物館の前で観光バスが襲撃され、ドイツ人が亡くなった”ということです。今更キャンセルすることもできないし、何も起こらないことを祈って出発しましたが、なんと同行の友2人は成田へ向かう電車ではじめてこのニュースを知ったのでした。日本人が犠牲にならなかったので、このニュースはあまり大きく取り上げられなかったのです。

2日目 (〜 カイロ)

モハメッド・アリ・モスク
エジプトでの最初の観光は、カイロ3大のモスクの一つ、モハメッド・アリ・モスクを訪ねました。外観といい内部のシャンデリアといい、イスタンブールのブルー・モスクに似ていると思ったら、やはりブルーモスクを手本にして造られたそうです。モスクは丘の上にあり、カイロの街が一望できます。遠くにギザのピラミッドもかすかに見えました。

モハメド・アリ・モスク モハメド・アリ・モスクの内部(写真館I)


エジプト博物館
2日前にバス襲撃事件があったエジプト博物館に来ました。厳戒体制かと思ったら、表面上は平静を保っていました。館内には相変わらず多くの観光客がいましたが、ツタンカーメンの黄金のマスクの部屋は、8年前に来たときは長蛇の列で落ち着いて見る余裕がなかったのに、今回は見学者が少なくじっくり見ることができました。やはり治安の悪化で観光客が減っているのかもしれません。

ツタンカーメンの黄金のマスク ツタンカーメンの後姿(写真館H)
アヌビスの犬 カノポス容器


3日目 (カイロ 〜 アレキサンドリア 〜 カイロ)

グレコ・ローマン博物館
今日はカイロから約220キロ離れたアレキサンドリアへ日帰り観光です。この町はプトレマイオス朝の都として栄えた町なので、博物館にはクレオパトラの頭像やグレコローマン時代のギリシャ彫刻が数多く展示してあります。アレキサンドリアは気候も地中海性なので、エジプトにいる気がしません。

カイト・ベイの要塞
かつて世界の7不思議に数えられたファロス灯台があった所に、15世紀のマムルーク朝時代に建てられた要塞です。海につきでたところにあるので、要塞からは美しい地中海とアレキサンドリアの町が見渡せます。地元のデートスポットになっているらしく、海を見ながら語り合うカップルがあちこちにいました。写真のポイントを探すため彼らの周りをうろちょろしてお邪魔虫になっていました。

カイト・ベイの要塞 カイト・ベイの周りは地中海


4日目 (カイロ 〜 アブシンベル 〜 アスワン)

アブシンベル神殿
エジプトのほぼ最南端に位置するアブシンベル神殿は、アスワン・ハイ・ダム建設に際してナセル湖に沈む場所にありましたが、ユネスコが3900万ドルをかけて移築したそうです。岩山を削るように造られていた神殿は、四角いブロックに分けて切って運ばれたので、今でもつなぎ目の線がうっすらと見えます。高さ約22mの4体のラムセスU世像を見ると、これを造ったり移築したりした人間のパワーを感じます。

アブ・シンベル大神殿(写真館C) アブ・シンベル大神殿内部(写真館D)
アブ・シンベル小神殿 アブ・シンベル小神殿内部


アスワン
アブシンベル神殿観光後、飛行機でアスワンに向かいました。アスワンといえばアスワン・ハイ・ダムが有名ですが、町の印象としては、ナイル川のブルーとそこに浮かぶ白い帆掛け舟、周辺の緑が美しいリゾートという感じでした。でも、日中は40℃を越える暑さでとてもリゾート気分ではありません。

切りかけのオベリスク ナイル川の夕暮れ


5日目 (アスワン 〜 コム・オンボ 〜 エドフ 〜 エスナ〜 ルクソール)

ルクソールへ
エジプト南部は観光客を狙ったゲリラ事件が多いようで、観光バスは観光警察の先導の下、列をなしてルクソールに向かいます。そのため、どのツアーでもこの日の観光コースは同じようです。

コム・オンボ神殿
ナイル川のほとりにあるコム・オンボ神殿は、ワニの頭を持つセベク神と隼の頭を持つハロエリス神に捧げられた神殿なので、二重構造になっているのが特徴です。全体としての保存状態はあまり良くありませんが、柱や壁のいたるところに細かいレリーフが残っていて見ごたえがあります。

コム・オンボ神殿壁画(写真館B) コム・オンボ神殿


ホルス神殿
隼の姿をしたホルス神が入口に鎮座しているホルス神殿は、保存状態が良く、当時の神殿本来の姿を今に伝えています。この神殿もプトレマイオス時代に造られたもので、塔門には巨大な王の戦う姿が描かれています。

ホルス神殿(写真館F) ホルス神殿


クヌム神殿
エスナにあるクヌム神殿もプトレマイオス朝時代に建てられた神殿ですが、現在残っているのは第一列柱室のみです。神殿はエスナの町から階段を9メートル下りたところにあり、紀元前3世紀の創建時から現在までそれだけの土が堆積したことが判ります。

クヌム神殿内部 移動中の車窓より


6日目 (ルクソール滞在)

カルナック神殿
午前中はルクソール東岸の観光です。最初に訪れたカルナック神殿は、あの自己顕示欲の強いラムセスU世をはじめ、歴代の王によって増改築が繰り返されたので、現存する神殿の中では最大の規模を誇っています。中でも目を引くのは巨大な石柱が林立する大列柱室と、高さ30mのハトシェプスト女王のオベリスクです。池の近くにあるスカラベの周りを3回廻ると幸運が訪れるそうですが、未だに効果は現れていないような気がします。

ルクソール神殿
ルクソールの町の中心部にあるルクソール神殿は、カルナック神殿の副神殿でオペトの祭りが行われた所でした。神殿の壁にはその様子のレリーフが刻まれています。人々が体操のブリッジのような格好をしているのが、どことなくユーモラスでした。

カルナック神殿(写真館G) ルクソール神殿


王家の谷
午後からはナイル川西岸にある王家の谷を訪れました。ここは一見何の変哲もない岩山のように見えますが、この山の中に無数の古代エジプトの王墓が彫られています。墓の内部は見事な彩色壁画やヒエログリフが描かれています。有名なツタンカーメン王の墓に入りましたが、この王は古代エジプトにおいてはマイナーな王だったので墓は小さめでした。隣にあるラムセスY世の墓の壁画の方が細かくて目を奪われました。

ハトシェプスト女王葬祭殿
’98年11月の悲惨な事件以来、すっかり有名になってしまった遺跡ですが、私たちが訪れたときは夕方に近く、他に見学者もなくて静かな雰囲気で、2ヶ月後にそんな恐ろしい事が起きるとは思いもしませんでした。雄大な岩山をバックに造られた3層のテラスと列柱で構成された葬祭殿は、周囲の景色に非常によくマッチしています。列柱の奥には彩色壁画がはっきり残っていて3500年も前に造られたものとは思えません。

ラムセスY世の墓内部(写真館E) ハトシェプスト女王葬祭殿


ルクソールの夜の町
昼間には古代エジプトの遺跡を十分堪能したので、夜は現代のエジプトを見ようとバザールに出かけました。香辛料を山盛りにした店や道端で果物や揚げ物など売る地元の人向けのお店の他に、観光地だけあって土産物屋も軒を連ねていました。

ルクソールのバザール ルクソールのバザール


7日目 (ルクソール 〜 カイロ)

ギザの3大ピラミッド
エジプトに来てから6日目にしてピラミッドの前に立ちました。あまり近づくと全体が見えないほど巨大なものです。後ずさりして全体を写真に撮ろうとしていると、”らくだ屋”が纏わりついてきて邪魔くさいったらありません。一番大きいクフ王のピラミッドの内部に入ってみました。初めは天井が低く腰をかがめて歩きますが、大回廊という所まで来ると天井が高くなります。そして最後の玄室には石棺のようなものが1つあるだけです。ピラミッドの内部は蒸し風呂状態で、生きた人間が入るところではないと思いました。

ピラミッドとスフィンクス(写真館@) クフ王のピラミッドの内部


8日目 (カイロ滞在)

ダハシュール
屈折ピラミッドや赤ピラミッドのあるダハシュールは、近くに軍事施設があったため、’96年にようやく観光客に公開されました。屈折ピラミッドには化粧石が残っていて、表面が滑らかに見えます。もう一つの赤ピラミッドは、内部に入ることができます(ちょっと臭かったけど)。この辺りはピラミッド以外何もない砂漠でした。

赤ピラミッド 屈折ピラミッド


メンフィス
古王国時代に首都だったメンフィスは、今はカイロ郊外の長閑な農村です。ラムセスU世の巨像と、小さなスフィンクスがありますが、どちらも端正な顔立ちの、保存状態の良い彫刻でした。

サッカラ
階段ピラミッドで有名なサッカラに来ました。これは古代エジプトで最初に造られたピラミッドだと言われています。ジョセル王の墓として造られたマスタバ墳(長方形の墓)に、増築を重ね最終的にこの形になったそうです。ここも周りが砂漠で、あいにくの風で目があまり開けられなかったのですが、遠くにギザのピラミッドやダハシュールのピラミッドを見ることができました。

メンフィス・ラムセスU世の巨像 階段ピラミッド(写真館A)


ハーン・アル・ハリーリ
午後からはカイロ一のスーク(市場)、ハーン・アル・ハリーリでお買い物です。ずっと古代エジプトの遺跡の観光だったので、現代のエジプトを覗く数少ないチャンスでした。最初は、土産物屋が続いていましたが、少し奥に入ると日用品のスークが延々と続いていて、行けども行けども続くので途中で引き返しました。こんなに大きなスークは初めてだったので、やっぱりカイロは大都会だとつくづく感じました。

9日目 (カイロ 〜 アブダビ 〜 カラチ)

トランジット・ホテル
帰国時はパキスタン航空を乗り継いで、約28時間の長旅です。カラチには夜の8時に着いて出発は朝5時頃なのでパキスタン航空のトランジットホテルに案内されました。「屋根があればいいか」程度に思っていたら、以外にもお湯のシャワーが使えて私は満足でした。でも友人Tは埃だらけのバスルーム恐れおののいていました。

10日目 (カラチ 〜 成田)

遊覧飛行のはずが...
エジプトに行くのにパキスタン航空を利用したのは、この帰国便から見るカラコルムやヒマラヤの眺めを期待したからです。どうにか窓際の席を確保して、睡魔にもめげずにその瞬間を待ったのですが、あいにく雲に覆われていて、ほんの少しだけ白い山が見えただけでした。うー残念!



●参考にさせていただいたもの●
エアリアガイド・エジプトの旅(昭文社)
歴史読本ワールド・ピラミッドの謎(新人物往来社)
古代文明と遺跡の謎(自由国民社)
旅のメモ(ユーラシア旅行社 添乗員さん)


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