アルペンボードでPOWDER

もう9月も後半だというのに東京はまだ暑い日が続きます。私は寒いのは全然問題ないのですが、暑いのは大の苦手で昔水泳をやっていたとは思えないほど暑いのは嫌いです。で、最近ではあと3ヶ月たてばまた雪がふるさという訳の分からないことを励みに生活しています。

何か涼しげなテーマはないかな?と考えていたらPOWDERという文字が目に入ったのでPOWDERをネタに書いてみようと思います。 それもアルペンボードでのPOWDERのススメなんてのを行ってみようと思います。

アルペンボードはPOWDERが苦手てな事をよく言いますよね。確かにフリースタイルボードに比べたらボードの接雪面積が小さいので沈みやすく結構難しいですね。かといってPOWDER用にボードを用意してなんてのは私の場合、お金がないのでやっていません。週末ライダーとしてはPOWDERに巡りあえる確率が低いのでそこまでしなくてもっていうのが本音です。

横乗り軍団の場合、ほぼ全員レースボードを使用しているのですが、滑りに行ったゲレンデでPOWDERを見つければ目ざとく喰らいに行きます。今まで一番凄かったのが3年前のニセコひらふで、前日の夜から降り続いた雪はもの凄い量で胸POWの深さでした。周りにいたソフトブーツライダー達は私らのことを”変な奴ら”を見るような目で見てましたよ。そんな彼らに負けないように攻めていた訳です。

そんなに深い雪は初体験だったのでアルペンボードでPOWDERを滑るために学んだ事がありますのでかきます。

・スピードが第一優先
アルペンボードの場合浮力が少し足りないので、その分をスピードで補ってあげます。  失速するとどうなるか?というと、TOPのキック部が雪を受け止められなくなりTOPが潜ります。TOPが潜ったら最後撃沈で一人パイルドライバーか一人DDTになって頭から雪に刺さります。(まぁこれも痛くないのでPOWDERならではで楽しいですが)
・フォールラインに対して横を向かない
POWDERの中で直滑降をするときには、後ろ足が斜面の山側になるので後ろ足に力を掛ければ、TOP部が浮きやすくなります。ところが横を向いてしまうとスピードも落ちるし、山側に体重をかけてもトップを浮かせることは出来ません。とすると当然浮力が低下して不安定な状態になるわけです。横を向いたあとターンの切り替え時に抜重をしなけりゃいけないので、雪に対するプレッシャーがなくなり浮力が低下する。これを避けるためには、いつもよりも浅いターンで滑って行くことが重要です。そうすれば下を向いている時間が長いのでスピードも出るし、浮力も得られるってこと。

・急な動作はしない。
 アルペンボードの場合、微妙なバランスで浮いているため、急な動作をするとバランスを崩しやすいです。ターンの切り替えも常にプレッシャーをかけながらやると浮力が安定します。立ち上がって抜いちゃうとそのあと荷重したときにバランスが崩れたら即OUTですからね。

・板が長いとちとつらい
一般にPOWDERでは板が長い方がいいなんて言いますが、レースボードの場合はちょっと当てはまらない。アルペンボードの場合、テールキックがないのでテールが若干長めということになります。GS用のボードだとそれが災いします。スピードをあげていくと テール側の浮力が大きくなりすぎていくら後ろ足に荷重しても追いつかなくなりTOPが下がってしまうことがあります。スタンス幅が狭い場合はより顕著に出てきます。 対策としては、スタンス幅を目一杯拡げる、セットバックを大きめにする、長い板も程々にってところですかねぇ。私が176cmで体験した事です。長い板の場合はSIMSのBURNERなんてスプリットテールだから意外と行けたりしてね。誰か試した人いないかなぁ??ん?でもあの板テールがめちゃ長だったなぁ。

・なるべく急斜面をえらんで滑る。
これはアルペンボードだからということではないですが、POWDERの場合、急斜面のほうがスピード出るし、浮力も得られます(前述の通り)。ハードパックとPOWDERを比べた場合、同じ斜度ならPOWDERの方が緩く感じます。これはテール側が沈む分ボードがフラットに近づくから。緩く感じるってことは恐怖感が薄れるってことでスピードも出せるし、積極的に滑れるわけです。緩斜面の場合は言わずもがなで撃沈の可能性は大きくなるし、撃沈したらリスタートするのに4,5分はかかるかも。急斜面でスプレーを飛ばして、緩斜面はひたすらスピードを維持することを心がけましょう。

・ブーツのセッティング
ハードパックに比べて微妙な操作を要求されるPOWDERですが、ハードブーツの場合微妙な操作というのが少し苦手ですね。特に堅いブーツの場合はなおさらです。 私は深いPOWDERを滑る場合は、後ろ足のロックを解除しちゃいます。(前足はそのまま)そうすることで、より自由に柔らかく動くことができます。


とまぁ、グチャグチャといろんな事を書きましたが、参考にしていただければ幸いです。最近ではハードブーツ+オールラウンドボードという選択肢もありますので自分の好みでチョイスできますしね。私は体重もあるし、堅めのバーンでバイクのように飛ばしたい方なのでGSボードというチョイスなんですけどね。最近のフリーのロングボードはかなりしっかりした作りなのでそういう板であればかなりハードバーンでもいけると思いますけど...実際にロシのライダーである松浦氏はレヴィテイションという太いロングボードにハードブーツですから。

うーむ、スノーボードは奥が深い...

あ、そうそう埋まったときの脱出方法ですが、焦ってもがくと無駄な体力を消耗するので焦らず、まず周りの雪をどかすことから考えましょう。(一度完全に埋まったことがあったけど、景色が見えないくらい怖いことはない)雪をどかしたら、起きあがるのですが、急斜面と緩斜面ではやり方が違います。

急斜面
頭を山側にねっころがります。そしてボードを上に振り上げ、テールを自分のお尻の下に突き刺すように振り下ろします。そうするとテールが刺さって起きあがることが出来ます。 (但し、結構雪がふかくないと出来ません)

緩斜面
これは地道に足場を確保するしかありませんね。自分の身体で一生懸命固めましょう。 そうすれば多分起きあがれると思います。(私の経験ではニセコの胸powで約5分で脱出出来ましたよ)


どこかでPOWDERに当たることを祈って

KEEP FUN RIDE!!

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