硬いバインディングの功罪

 なんだかヘンテコリンな題名なんですが、前回のINTECの話に引き続き、バインディングの話をしようと思います。INTECの話の最後の方で、BLAXのカーボンプレートINTEC(以下STEALTH)を入手したと書きました。これがカチカチなんですよね。

私のチタンベースの時のセッティングは何度も書いてますが以下の通り
・スタンス幅:52−53cm
・角度:前55deg、後ろ50deg(あくまでもその位)
・カント:前内側に3deg、後ろ0deg
・リフト:前トゥ5mm、後ろ底上げ5mm+ヒールアップ5mm
板は176cm、幅19.2cmのF2−SPEEDSTAR RSです。
幅は私の身長177cmからするとかなり広めですね。広い方が安定して踏ん張れるのでいいかなと思ってそうしています。かなり膝を曲げて腰を落としておかないと動けないのでいい鍛錬になってます。

自宅でSTEALTHを同じセッティングで装着してみました。ただし、スタンス幅だけはバインディングの調整幅が狭くなっているので、51cmとなりました。その結果は、チタンベースのものよりもかなり硬かった...それも硬さのイメージがちょっと違う感じ。
チタンの方は硬いんだけど、ネバァーっとした硬さ。一方STEALTHの方は曲がりはじめは同じなんだけど、戻そうとする力が強い感じ。判るかな???
例えるならチタンはバネ定数の低いバネに強いダンパーが入っている感じで、STEALTHの方はバネ定数の大きいバネに弱いダンパーが入っている感じですね。
思いっきりしゃがんだ状態を作ると、バインディングと一緒に板が撓んでしまいますね。これは自分で撓ませられると思いきやそんな上手くいくはずはない。結構しゃがんだり立ったりする動作自体に負荷がかかるようになってしまった。

とりあえず、一度雪の上で滑ってみないといかんということで、そのままのセッティングで滑ってみました。もう笑っちゃうほど硬くて、膝が動きましぇん!!特に緩斜面の低速時はパタっと倒れてしまいそうです。自宅でやった上下の動きがしにくいという結果がそのままでてしまいました。私はフロントサイドが苦手なのでフロントサイドが顕著にやりにくくなりました。バックサイドはバインディングが硬くなったおかげで、いままでよりも切れが鋭くなりましたね。(後ろ足のブーツの側面荷重という反則技です。)

フロントがどうにもこうにもだめなので、ゲレンデでバインディングのパーツ交換を実行しました。怪しいヘルメットを被ってなにやら弄くっているもんだから、皆見る見る!!恥ずかしい。
パーツを交換するといっても、後ろ足のリフトを変えただけですよ。後は全く同じまま。
ヒールリフトをメーカー純正の17mmに変更しました。これで膝の位置は疑似的にスタンスが狭くなったのと同じ効果がでます。実際に乗ってみたところ、かなり膝を使えるようになりました。ただ、いままでどちらかというと後ろに乗りやすいセッティングだったのですが、ヒールリフトを大きくしたことで、前に乗り込み気味になります。滑り方としては前後の動きを今まで以上にしっかりやるといい感じです。
フロントサイドはチタンベースの時と同じくらいのイメージで滑れるようになり、バックサイドはヒールリフトが大きくなったことも相まってより切れるようになりましたね。
これでしばらくの間は慣れるためにも乗っていこうと思ってます。最初にいい感じだったのでもう変えないとは思いますが....

さて、今回の一件で感じたことなんですが、ワイドスタンスでカントリフト多用するといい感じだなということ。最近ゴーさんという方にいろいろとアドバイスを貰うのですが、もっと横を向いたまま滑ったらいいんでない?なんですよね。無駄な身体のひねりは使わない方がいいと受け取っているのですが(ただしいですかね?ゴーさん)....
板の方もどんどん良くなっていて、板の起こし量と荷重調整で綺麗に曲がってくれると思うんですよね。レーサー達のセッティングをみると結構ワイドスタンスでカント・リフトを多用しているのがわかります。BURTONのプロ達は横向きどっしり乗りをかなり実践しているように見受けられます。
身体(腰・肩)を無理に前に向けないで乗るということは、両足の膝も内側に捻れながら曲がるという動きもしないで済むということになりますよね。(実際は多少あると思いますが)身体のひねりを大きく使うような滑りではスタンスを拡げてしまうと、かなり無理な動きになってしまう。まぁこれは私の考えであって他の人がなんというかは判りませんけど。この考え方によれば、踏ん張りやすくて、上下動、前後移動がやりやすいセッティングを詰めていけばいいと考えています。

バインディングの硬さに関しても、上の考え方に当てはめるとある程度納得がいくのかも。エッジグリップの効率を最優先にするとすれば当然板と一体化させた方がいいに決まってる。本当に一体化させるのは無理ですが...乗る方もそれに合わせたセッティングができるようになればいいのではないでしょうか?
ガチガチ道具でそれに合わせたセッティングをすると、ガタ・緩衝機がないことになるので無理な動きを続けていると、身体を壊したり、バインディングが割れたり、最悪ボードが折れるなんていうのも発生するんでしょうね。また私なんかは身体も大きく、体重もあるので硬い道具でもそれなりなんですが、小さい人や女性の方はかなり厳しいことになると思います。

またもや結論のない話で終わってしまいましたが、参考になれば幸いです。
シーズンが終わる頃、この話の後日談を書きたいと思います。今年はバインディングが壊れないことを祈っておりますが....

KEEP FUN RIDE!!

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