5月11日にインドが行なった核実験に対し、日本被団協は以下の抗議文をインド大使館を通じて送るとともに13日、インド大使館前において抗議行動を行ない、職員に抗議文を手渡しました。
1998年5月12日
インド首相
アタル・ビハリ・バジパイ殿
日本原水爆被害者団体協議会
代表委員 伊東 壮
代表委員 伊藤 サカエ
代表委員 山口 仙二
事務局長 藤平 典
核実験に対する抗議文
私どもは、貴殿が新政権の樹立にあたり、「核兵器導入の選択肢を行使す る」ことを明らかにしたことについて、3月31日付けをもってこの方針を再 検討し、核兵器廃絶をめざしてきた従来の政策を推し進められるよう要請し ました。ところが、貴殿は5月11日地下核実験を強行しました。
私ども世界最初の核戦争被害者である広島、長崎の原爆被害者は、貴国の 今回の核実験に強く抗議します。
これは核兵器の廃絶を求める国際世論に対する重大な挑戦であります。
私たちは自らの被爆体験から、核兵器が残虐かつ非人道性の兵器であるこ と、核兵器は人類と共存できない「悪魔の兵器」であることを世界に訴えて きました。
「ふたたび被爆者をつくらない」ためには、核抑止カに頼ろうとする貴国 の防衛政策を速やかに変更することを強く要望します。
広島、長崎で被爆し、その後遺に53年にわたって苦しんでいる原爆被爆者 は、インドを含む核保有国に要求します。
1.ヒロシマ・ナガサキの被爆者の声に耳をかたむけ、核戦争被害の実相 を各国の国民に知らせること。
2.核兵器廃絶条約をただちに締結すること。 13日の実験に対する抗議