2002年1月23日
日本原水爆被害者団体協議会
声 明
ブッシュ政権の「核戦略見直し」構想に断固抗議する

 米国ブッシュ政権は1月8日、議会に対し、テロや「ならず者国家」の脅威に対処するためと称して、「新たな核戦略総合見直し計画」を報告した。
 翌9日国防総省は、一部を国家機密として秘匿しながら、「@核および通常兵器の攻撃システム、Aミサイル防衛など防衛システム、B新たな脅威への即応能力を高める防衛基盤の再活性化」を三本柱とする「新たな核戦略」を発表した。そこには、2年後にネヴァダで地下核実験を再開する可能性が示唆されているという。これは新型核兵器の開発宣言というべきものである。
 ブッシュ政権のこの態度は、ABM条約廃棄、CTBT批准棚上げ、ミサイル防衛計画推進の一連の行動とともに、核兵器による一国世界支配の姿勢をいっそう露骨におしすすめるものであって、2000年5月にクリントン大統領(当時)も同意したNPT再検討会議の最終確認文書に代表される核兵器廃絶の世界の潮流と世論に対する真っ向からの挑戦である。
 われわれ被爆者は、あらたな核軍拡競争時代をまねくおそれのある、ブッシュ政権の危険な企てに対し、平和を愛する世界の良心とともに厳しく抗議し糾弾する。

 われわれは米国政府に要求する。
1.「新たな核戦略総合見直し計画」をただちに廃棄すること。
2.ABM(弾道弾迎撃ミサイル制限)条約離脱を撤回すること。
3.CTBT(包括的核実験禁止条約)をただちに批准し、臨界前核実験をふくむすべての核実験計画を永久に放棄すること。
4.核兵器廃絶の明確な約束をただちに実行にうつし、核兵器廃絶国際条約締結のための国際会議の早期開催をただちに呼びかけること。


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