「被団協」1999.9月

1面 「今こそ つたえよう ヒロシマ ナガサキ」集会報告
2面  被爆者遊説団アメリカで大活躍 韓国で原爆犠牲者追悼式 北朝鮮で初の原爆展
3面 原爆展、各地で開かれる  
4面 相談のまど−介護保険と被爆者施策 原爆犠牲者肖像画展示


今こそ つたえよう ヒロシマ ナガサキ

 核兵器のない21世紀をめざして「今こそ つたえよう ヒロシマ ナガサキ '99」のつどいが8月8日、長崎市民会館文化ホールで開かれ、800人が参加しました。

 原爆投下日に合わせた日本被団協の集会は、これまで被爆地の被団協と共催で開いてきました。
 今年は、被爆の実相普及のためいっしょに運動している「つたえよう ヒロシマ ナガサキ」の事務局団体と日本被団協との共催となりました。
 このためつどいは、多彩な人びとによる進行となりました。司会は、日本青年団協議会の小川理津子女性社会部長と長崎被災協の山田拓民事務局長。開会あいさつは、全国地婦連の松下直子事務局長。主催者あいさつは日本被団協の山口仙二代表委員。世界のヒバクシャの訴えはカザフスタンのジャーナリスト。
 呼びかけに応えてがんばっている人たちを代表して、日本生協連の品川尚志常務理事、東京原水協の室喜代司事務局長、鳥取の青年団の森田誠一会長、長崎の高校生の松田芙佐子さん。
 決意表明をしたのは、長崎県地婦連の上田喜志子会長と長崎被災協の葉山利行会長。閉会あいさつは久保田満宏日本青年団協議会会長。長崎市長代理の出席もあり、まさに実相普及運動の広がりを示す顔ぶれでした。
 このうち、あいさつで山口代表委員が「原爆を投下したアメリカの片棒となって、日本政府が核戦争を起こしかねない道を歩んでいることは許せない。被爆の実相を語ることが人びとをどれほど反核平和への運動にかりたてるか、ハーグの集会が示した」とのべ、強い拍手をうけていました。

被爆者の証言に勇気
 これまでは集会の基調報告となっていた日本被団協事務局長の発言も、今回は「被爆者が次の世代に願うこと」と題して、参加者に分かりやすく訴える内容となりました。
 このなかで、藤平典事務局長は、広島の平和宣言で秋葉忠利市長が、被爆者の世界的な足跡にふれながら「核兵器廃絶への強い意志は真実から生まれる。意志さえあれば、道は必ず開ける」とのべたことを引用して、実相普及に全力をあげることを呼びかけました。
 つどいのよびものは構成劇。「原爆は人間に何をしたか、そして人間は原爆とどうたたかってきたか」と題して、被爆者の谷口稜曄、下平作江、松谷英子本人と、松谷訴訟弁護団の横山茂樹団長が、スライドをバックに生出演。参加者に強い感銘を残しました。つどいは最後5項目の「アピール」を採択しました。

採択されたアピール
(要旨)
@被爆者の体験を引き継ぎましょう
A原爆被害への国家補償を実現させる署名と、原爆松谷裁判の最高裁要請100万人署名を早期に達成し、国の上告棄却判決をかちとりましょう。
Bアメリカの核の傘から離脱し、核兵器廃絶国際条約締結の先頭に立つよう、日本の核政策を変えさせましょう。
C「原爆と人間展」パネルを活用し、原爆展を全国で開きましょう。
D核兵器廃絶を訴える代表団をアメリカはじめ核保有国に送りましょう。

参加者の感想から
*被爆者の方の命をかけた叫びを、次の世代へ語り継いでいく運動が今必要になっていると感じました。東京・男・28歳
*今世紀につくった核兵器は今世紀のうちに廃棄という考えに同調した。   宮城・男・36歳
*科学者の活動が運動を力強く支えているくださっていることに感動しました。福岡・女・48歳
*好きな人と結婚したくてもあきらめたり、体だけでなく心にまで深い傷をおい、今も残っていることが分かりました。これまで無関心でしたが、学んだことを伝えていくことができたらと思います。北海道・女・28歳  他の記事


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