ヘラクレス・ヘラクレスを求めて
ひで & magotaro

2001年早春(まだ冬の北海道から常夏カリブの島へ)

2/14
札幌-成田-ニューヨークへと乗り継ぎプエルトリコはサンファン空港へと到着した。 時間は、夜中の1時、あいにくの雨模様である。私ことひでとmagotaro氏は根っからの採集バカであるがゆえ当然のごとくホテルなどには泊まらずにレンタカーを借りて採集に行くことになった。不慣れな右側通行と初めての土地なのでなかなかたいへんである。 峠に入り、外灯があるところで止まっては虫を探すがなぜかなかなか見つからない。 拾ったのは、カメムシ2匹とゴミムシとカブトムシの羽らしきものだけである。蛾すら飛んでいないしいるのはプリンプリンと鳴くキリギリスの仲間だけである。とにかく異常にムシが少なく感じられた。

2/15
車内泊をして空港へ向かい、憧れのグアドループ行きのプロペラ機に乗り約50分程でグアドループへ到着した。すぐにシトロエンを借りて食料と水を買い込み出発する。 グアドループとは、現地の人間に言わせると7つの島からなるこの地域全体の総称らしい。 そのなかでも目立っておおきいのは、バセテール島とグランドテール島でヘラクレスの生息する島はバセテール島のみである。期待に胸を膨らませ、いざバセテールへ出陣じゃ! バセテールに着く前になぜかmagotaro氏は爆睡してしまった。(^^; 南のほうから攻めて山へと続く道を10本以上は入ったと思うが走れど走れどヘラクレスの姿は見えない。12時間ほど探したが本日はあえなくノックアウト!午前5時ごろ道の脇で車を止めて就寝。

2/16
午前8時半起床。やはり闇雲に探すのは効率が悪いということで今日は情報収集に徹することにした。何人かの人に声をかけ少しづつ情報が集まってきた時間は昼を過ぎた。 スーパーで買い物をしてちょっぴりだけ蝶を採集すると少しだけストレス解消になった。 住宅街で、一人の少年に会い、ヘラクレスの上手な絵?を見せると少年は採ったことがあるらしいようだ。そこの前の家に住んでいるおばさんもでてきて色々聞きたいことがあるが少年にしつこく食い下がりガイドをしてもらえることになり、午後5時半にその場所で待ち合わせをすることになった。

 午後5時頃、少し早めに待ち合わせ場所に着くと、おばさんがなにかを持って出てきた。 私達も降りてみるとなんと120ミリのヘラクレスのオスの死骸であった。やはりこの辺りにヘラクレスが生息しているのだ、もう少しで幼い頃からの夢であるヘラクレスオオカブトに出会えると思うと私とmagotaro氏は興奮を隠せなかった。  5時半に少年は現れた。名はファビアンといい年齢は19歳、スキンヘッドの黒人の少年である。ファビアンと翻訳機を使用してのコミュニケーションを若干とり、出発する。 日本でおなじみの懐中電灯を持っての外灯まわりで、ひとつひとつ丁寧に見て歩いてゆくとファビアンが突然走り出した。私達も足早に近づくとなにやら様子がおかしい、見ると 車に踏み潰されたばかりのオスのブルーヘラクレスだった、とっても残念!よく見るとまだかすかに生きている。一応ルアーケースにしまっておくことにする。早く完品のヘラクレスを見たい、そう思いながら先へ進んでいくと突然四輪駆動の白人男性が話しかけてきた。当然私達は言葉がわからないのでファビアンにまかせているとどうやら白人男性は怒っているらしく通報したとかしないとか言っているようだ、男性が走り去った後ファビアンに聞くと通報されたらしいとのこと。しぶしぶ車に戻ることにしたが、その時いきなりレンジャーが車で現れた。まずいことになったかもしれない。  レンジャーは、私達に執拗に何をしている?何処からきた?などと質問をしてきたので 私達は正直に昆虫採集と観光ですと答えた、すると採った虫を見せろ、と言われ見せた。当然、グアドループでのヘラクレスの採集は禁止である、しかし幸いなことに生きたヘラクレスはいなかった。だが、レンジャーは殺したのか?何のために採集しているのかなどと執拗に質問してくる。1時間ほどすったもんだの挙句、警察がきて署まで連行されることになってしまった。警察署でも同じようなことを延々と質問され、パスポートのコピーをとられてしまった。「もう一度やったら捕まえるぞ!」脅されやっと開放された。Magotaroさんに「ドミニカに行きましょう、ドミニカへ!」と言うと「そうするか!」とのこと。 くそ〜、意地でも絶対に捕まえてやる!私達はそう思っていた。とりあえず、空港へ戻り 今晩は、空港で泊まることにしたが、12時頃空港がクローズになってしまい、入り口の前で野宿することになってしまった。ひまつぶしに空港の周りで雑虫集めにはしる。転んでもただでは起きない二人であった・・・(^^;

2/17
なんとか今日は、ドミニカへ渡りたかったのだが不慣れゆえに悪戦苦闘のすえ次の日の飛行機の便のチケットをとっただけで終わってしまった。あ〜時間がもったいない、グアドループなんて嫌いだ〜!!!今晩も空港の外で野宿をすることになってしまった。そんでもって、またまた雑虫集めをして楽しんだ。(本当に楽しんでいるんですよ!)

つづく