エステルランド北方で
エステ・ブレタの一部が激突

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エステルランド北方でエステ・ブレタの一部が激突
スペシャルインタビュー"竜伯"リザベート=バーマイスター
「ブレタ王」の実力や如何に?(工事中)

年の遺恨はその日人々の最も望まない形で爆発した。
エステルランド王国とブレタ王国は長年にわたるライバル関係といえる国同士である。
長年の小競り合いの結果ゆがみつづけてきた国境線は彼らの歴史を示すものとしては象徴的だ。
拮抗した両国はこれまで幾度となく小規模の衝突を続けてきた、猜疑心を元にした軍事行動は互いの国力を疲弊させても、互いになにかを得させることはなかった。

それは最悪の形で現実のものとなった。

ところがここで両国の力関係が大きく変わるかもしれない。
1つはブレタ王国を長年苦しめてきた北荻(蛮族)の一大部族の1つオクタールとブレタ王国の間で同盟が結ばれたことだ。これによりこれまで辺境へと向けられていた軍の大部分が動かせることになる。
これらの部隊は現在首都で休養中だが、ブレタ王国はこれらの部隊の再編と装備の刷新に力を注いでおり、この軍団が近日中にも新たな配置をされるのは確実だ。
エステルランドではこういった動きに懸念を募らせていたが、ついに先日それは最悪の形で現実のものとなった。
エステルランドの発表ではブレタ王国側の「挑発」で、ブレタ王国側の発表では彼らの「卑怯」が再び両国の衝突の火種となった。
エステルランド王国の北方の村と小さな砦がブレタ王国の国境警備隊によって奪い取られた。
事件の発端は定かではないが、ブレタ王国側の発表によれば、「エステルランド王国の兵士数名が国境線を越えた場所で狩りを行っていた」ことが直接の原因であるらしい。
真相はさておき、現在は両国ともこの問題に関しては沈黙を守っている。
エステルランド王国では「この問題に関してはより良い解決についての手を尽くしているところ、長年の紛争を治めた直後のブレタ王国もこの時期での本格的な戦争は避けたいだろう。」との見解を出し、外交ルートを尽くしての解決を目指していることを示した。
対してブレタ王国は「なにも答えることはできない、この問題に関しては、彼らに全ての責任がある、彼らの謝罪が先だ。」と強気の姿勢を崩していない。
この問題が大規模な戦闘に結びつく可能性は現在のところ決して高いとは言えないだろう。しかし、この問題は近年中に必ず再噴することになる、そして、その結果がどう言ったものになるにせよその代償は非常に高いものになる。

ケルバーの繁栄に翳りがさすことも考えられる。

ブレタ王国は現在エステルランド王国の交易の12%を占める巨大市場でもある。
もしもこの問題に決着がつかなければブレタ王国はエステルランド王国及びケルバーの商人の自国領での商売を認めなくなるかもしれない。
そこまで行かなくても、エステルランド、ケルバーの商人の貿易には多額の関税が掛けられるようになるかもしれない。
この問題はケルバーにとっても小さな問題ではなくなるわけだ。
もともとケルバーはこの2国間の係争に翻弄されてきた歴史がある。今回の問題にも内心おだやかではいられないはずだ。
ケルバーの領主であるリザベート=バーマイスターも「この問題については現在ブレタ・エステルランド両国に働きかけているところだ」と答えている(関連記事)。

ブレタ王国には有利な材料がもう1つある。長年の懸案だったエクセター王国との通商が始まったことだ。
現在までエクセター王国はエステルランド王国との関係を考慮してブレタ王国との直接的で大規模な通商を行っていなかった(ただし後述のハインリヒ商会だけは別だったが)、近年のケルバー商人の躍進がエクセター王国の商業へ少なくないダメージを与えている。通常なら巨大な農業国家でもあるエクセター王国は商業の衰退も意に介さないところがあったが現在エクセター王国にはハインリヒ=マンフリートが居る。
ハインリヒ商会の持つ力を考えれば、趣味人のクリストファーU世と言えども政治的な後押しを考えなくてはならなくなったのだろう。
これによってブレタ王国は強力な友人を敵の背後に持ったことになる。
今回の事件に対するエクセター王国の反応は現在のところ不明だが、少なくとも今回の事件でエクセター王国がどちらかに協力的な立場をとることは考えにくい。

とはいえ現在でもエステルランド王国の圧倒的優位は揺るがない、兵力ではおよそ倍、装備の充足率も比較にならない。しかし商業の天才であった古代グリーグ人が言ったように「戦争には金がかかる。」
問題はこの問題でエステルランド王国の財政がさらに圧迫されることだ。
エステルランド王国は経済的な問題に関しては当然ケルバーに『相談』してくる。
ケルバーもこの『相談』には応じざるをえない。グリーグ人の言葉はこのように続く「戦争には金がかかる、しかし戦争をしなければもっと金がかかる。」
問題はこの件でかかる金がいくらになるか、そしていつまで払わなくてはならないかだ。


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