鉋から鉛筆に@

私は今から4年前まである機関誌に【建具屋の独り言】という連載を書いていたが、
突然 連載中止となり自然に書く事から遠のいていた。
今回、日本建材新聞社 編集者から誘いを受け再び鉛筆を研ぎ、文章を考えている。
それがタイトルを『鉋から鉛筆に』とした意味だ。連載は既に始まっている。

今回は、価格について考えたい。先日突然一棟分の建具工事がキャンセルになった。
突然だったのでボーゼンとなりつつも現場に向かい棟梁と話をしようとしたが、忙しいの
一点張りだ。社員によくよく事情を聞くと今すぐ現場に来いと言う電話にすぐに行けない
と答え、棟梁がへそを曲げたらしい。私もすぐに謝りを入れたが、他の建材店に発注し
てしまったと言うばかりだ。価格もうちの店より3ポイントも安いとのこと。今回の物件は
諦めるとして次回はとお願いして現場を後にした。

ユニット建具はどこで買っても同じ商品である以上価格の勝負しかないのか?半値八掛
の世界には、つくづく嫌気がさしたのが5年前。いかにユニット建具を買ってもらうか研
究をしてきたのだが・・・

今回の件【工務店】にはほとほと困ったもんだ。考えれば、私が価格競争に勝ってこの
工務店に入ったのだから価格で負けるのは仕方ないことだが・・・・

【価格競争は価格で負ける】どこの世界にカタログから選んだ商品が信じられない価格
になるのだろうか、不思議な業界だ。今以上に淘汰される建具業界・建材業界・・・
ふと見渡すと町では建具屋が高齢で店を閉め、材木屋がひっそりと更地になりそして
マンションに・・・
ホームセンターで建具を買う時代が、足下に来ている。
 もう価格競争には、飲み込まれないぞ・・・・

『 鉋から鉛筆へ A 』