Germany and Switzerland(1-6, Oct., 2004)

3日目(10月3日)

朝は8時半起きで朝食後すぐに街へ。午前中は旧市街地をうろつきまわって緑化の現状の見学。街路樹はトチノキアカシア類プラタナス、イチョウなど。辻にはボダイジュ?もある。
旧市街地のちょっと外側にある Colombipark でバードウオッチング。クロウタドリ、アカゲラ、クロジョウビタキ、シジュウカラ、アオガラ、タンシキバシリ、ズアオアトリ、イエスズメなど。カラ類は旧市街地内にもいるようだ。近くに山が迫っていることも一因かもしれない。クロウタドリは公園のブドウやイチイの実などを食べていた。ここにもトチノキがあるが、あの大きな実を食べる鳥はなかなかいない。しかし、樹洞を提供するのでカラ類などにとっては重要だろう。
大学の前を通って Allee Garten を外から眺めてから旧市街に入る。街には新しいビルもあるが、高さと通りに面した壁の位置は揃えて歴史的な町並みに配慮しているようだ。旧市街地内は自動車乗り入れが規制されているので市電か自転車が交通手段。道路上に電線はないが市電のケーブルは走る。
ミュンスター(大聖堂)に入って日曜礼拝のパイプオルガンの演奏の最後の方を聴く。塔には平日は9時半から17時まで登れるようだが、金曜と日曜は午後からなので今日はお預け。最終日にまた来よう。
次は旧市街の北東にある Stadtgarten へ。いわゆる公園で子供用の遊具や芝生広場、バラ園、音楽堂などがある。鳥もそこそこいるようで、入口にばねのような物がついた奇妙な形の巣箱が架けられていた。給餌内容の確認には良いかもしれない。
昼食場所を求めて大聖堂周辺に戻る。イタリア料理店に入りピザを食べてから、13時に旧市街の北東角の駐車場へ。
学会のエクスカーションに参加し、マイクロバスで出かける。総勢15名程度。参加者はドイツのほか、ノルウェーから数名、スイス、カナダ、オーストラリア、ポーランドなど。学生はほとんどおらず、最初だけフライブルグ大の博士課程に留学中の中国人女性がいたくらいか。
最初の訪問地は有名なブラックフォレスト(黒い森)の中でフライブルグ大チームが航空機LSの実験をしているサイト。ヨーロッパブナやモミ?(Abies alba)、アッシュ(シナノキ?)などからなるほぼ天然の林。しかしドイツの森の多くは Black Spruce の人工林やカナダから導入されたダグラスファーの人工林だそうだ。ここでは航空機LSによるDSMやDTM、樹冠の抽出結果を見せてもらう。
次はラインバレーのナラの平地林へ。ここはライン川の旧河道で既に河道は直線化されたため森林化しているという特殊な立地の林だそうだ。北ヨーロッパの林は氷河の影響で下草が少ないと言われるが、ササはないものの低木などでそれなりに藪もある。ここでは地上LSの実演をしてもらう。レンズが垂直方向に回転しつつ、本体が三脚上を水平方向に回転し、測定器の真下を除く全方位が数分間で計測されてしまう。
最後はラインバレーの農村地帯を通ってカイザーシュトゥールへ。途中、コウノトリ用の巣棚のある建物があるが、コウノトリ自体は見られず。ノスリが空を舞う。カイザーシュトゥールは自然保護区となっている丘陵地で、オーク類の里山乾性草地およびブドウ畑からなるランドスケープ。ここはマグマが隆起してできた土地だそうだ。
草地(dry grassland)の管理について説明を受ける。ラン科植物も多く生育する貴重な草地だそうだ。チョウやバッタのために30%残して刈っているそうだが、鳥には狭い。自然保護区の設定においてまずは観光客の行動観察を行って、どのようにして踏み跡ができるのかを調べ、サインポストばかりにせずに観光客を誘導することを考えたそうだ。
別の丘にはいわゆる里山林が見えた。ここもエージェンシーが管理に関わっているが、所有者が細かく分かれているので大変だそうだ。林は3種のオークからなるそうで、ワイン樽の材料としてフランスに輸出もされているそうだ。日本と違って用材林として里山林が利用できているのはいいことだ。
丘のふもとのワイナリーで夕食とワイン・テイスティング。1種類につき3分の1杯くらいだが、6種類もあると日頃アルコールを飲みなれていない自分は全部を飲み干せない。6種類の試飲といっても、1種試飲するごとにワインやこの地方の解説が入るのでペースは非常にゆっくり。乾燥した夏の年はブドウの糖度が上がると聞いて、すらすらと乾燥した年がいつだったか出てくるのは、さずが林業家たちだ。土産用にワインを2本購入。
22時フライブルグで解散。ホテルの戻って洗濯などしてメール、日記等で結局1時過ぎまで。そろそろ自分の発表練習や論文執筆もしなくてはならないのだが。。。

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