B.1990年にWindowsが発表されたあと,「TAIPEI」「 MAHJNG 」といったソフトが米国で発表され,日本国内にも転載されました。これらは現在でも,Niftyサーブなどのパソコン通信で入手が出来ますし,米国の大手雑誌WindowsMagazineなどでも紹介されています。
C.「昆明」は1993年9月にリリースされましたが,Windows3.0(当時)というOSの上で動作するものでした。昆明はその後,OSの更新に合わせ,Windows3.1,Windows95に対応してきています。もちろん昆明の初期のものをWindows3.1やWindwos95といったOSで動かすことは可能です。
WindowsはOSの一種で,Windowsを実行出来るパソコンであれば,製造メーカーや機種を問わず,「昆明」を動かすことが出来ます。
D.アクティビジョン・ジャパン株式会社がWindows3.1用の「上海グレートモーメント」と称するソフトを,OEMその他の方法で日本国内で発売開始したのは,1995年になっての事です。
以上の点から,次の結論が導き出されます。
ア.「昆明」発表時点に於いて,「上海」はWindow3.0では動きませんし,「昆明」は「上海」の環境では動きません。従いまして,両社が競合することもありませんし,使用者が混同することもありませんでした。
イ.Windowsという複数の応用ソフトウェア同時に動かすことができ,グラフィカルユーザインタフェースを用いたOSの上で動く「上海グレートモーメント」をアクティビジョン・ジャパン株式会社が発売したのでは,「昆明」より後で,「昆明」以外にも複数の同様ソフトがそれ以前に公に発表されていました。従って,あたかも「上海」が先に発売されていたかのように通知書で述べているのは間違いです。
ハ.通知書では,「上海」シリーズと称して,あたかも全ての上海ソフトが同一であるかのように書いていますが,これは間違いです。「上海」と「上海グレートモーメント」は全く別機能のソフトで意図的に混用しては困ります。もし,同一機能で有れば,なぜ「上海グレートモーメント」を発売する必要があったのでしょうか。あるいは1989年当時に発売された「上海」をWindows上で動かして見せて頂けますでしょうか。
次に,機能面で使用者が混同するかという事ですが,
「昆明」は問題作成機能やタイルの作成機能,音声のユーザ登録機能など,「上海」シリーズにはない機能を有しています。また,Windowsでは左上から光が当たるよものとして設計する約束になっていますが,「上海グレートモーメント」は左下に影が付いているなど,約束を無視しています。これらの点で,「上海グレートモーメント」と「昆明」を,使用者が混同することはありません。
次に流通面における混同があるかどうかですが,
「上海グレートモーメント」はパソコンショップ,ソフトショップなどの店頭販売(現時点で店頭に置かれているかどうかは,定かではありませんが)であるのに対し,「昆明」(注:TAIPEIやMAHJNGもそうですが)はシェアウェアという流通形態で,これは大手パソコン通信にソフトを掲載し,使用者は試用の後,継続使用するときには送金して正式ユーザとなるものです。このように流通形態が全く違いますので,この点でも使用者が両者を混同する事はありません。
以下はある大手BBSのデータライブラリの抜粋です。ご参考までに掲げておきます。
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省略
2−4 雑誌に「上海」シリーズの一部であるかのように書いてあるという点
本件に関しては,アクティビジョン・ジャパン株式会社 営業部長 S野 宏氏に,既にFAXで回答してありますが,その内容を下記します。抗議は電子メールで3/30に行っています。
「当該雑誌に掲載することは,私が許可しましたが,原稿のチェックはありませんし,見本誌の提供もありませんでしたので,貴社よりご指摘のあるまで,このような記事が出ている事は知りませんでした。当該編集部は「昆明」を登録しているNiftyServeのFWINGフォーラムの基準で見本誌を提供するという内規に反しており,これ以降同社の雑誌への掲載は全てお断りしています。同編集部に対しては,添付のような注意を促すメールを送ってあります。」
抗議文の内容は,既にお送りしてありますので,添付は省略させて頂きます。
なお,この雑誌「HOME COMPUTING」は,私の抗議の後,1996年5月をもって休刊になっております。ご存じとは思いますが,休刊というのは,別の雑誌を出すための便法で,この雑誌が再び発刊されることはありません。
3.花雀の取る処置
A.2でご説明いたしましたように,通知書の内容は根幹の部分で事実誤認があります。
B.アクティビジョン・ジャパン株式会社 営業部長 S野 宏氏とのFAX,電子メールでの意見交換で,当初,アクティビジョン・ジャパン株式会社社長ビル・シュワーツ氏が,ニフティ株式会社 サービスプロダクト部 T田和彦しに対して,著作権侵害であるとの申し立てをしたにも関わらず,その後のやりとりで,アクティビジョン・ジャパン株式会社 営業部長 S野 宏から,著作権侵害で争うつもりはない旨,FAXを頂いております。もともと,著作権侵害に対する抗議でありましたので,本件は既に決着済みと考えてます。
以上の観点から,花雀とアクティビジョン・ジャパン株式会社の間には何の係争関係も無いことを確認願います。
なお,頒布の停止を求められていますが,今後の成り行きによっては,「商品」としてではなく,無償のフリーソフトウェアとして広く配布することもあり得ることを,申し上げておきます。
特に,英語版に関しては,英語版開発者がソースコードも含めた,フリーソフト化,もしくは著作権を放棄したPDS化を強く主張していることを合わせて申し述べておきます。
本通知書に於いて「本書面到着後7日以内に」回答するように求められていますが,3/29日のアクティビジョン・ジャパン株式会社 営業部長 S野 宏氏のFAXにおいて,花雀のそれ以前のFAXで回答期限を付けたのに対し,「問題の解決に何ら有益でない」と述べられております。主旨が一貫しないのは甚だ遺憾に存じます。今後このようなことがないようお願いいたします。
以上
私は法律の専門家ではありませんので,書式等に不都合な点があるかと思いますが,その点はご容赦下さい。