初代 Think Pad 535 (KF8)の
メモリ72MB改造をしてみました

DIMMソケット周辺

初代TP535(KF8)のメモリは最大40MBです。これは、内蔵8MBと増設32MBの組み合わせですが、64MBのDIMMは使用することができません。しかし、DIMMソケットのすぐ側にコネクタを取り付けるパターンがありました。このパターンにコネクタを取り付け、TP535E用のドーターボードを使うことで72MBまで増設可能ということで、早速試してみることにしました。

1998.4.5 de JS1RSV

1998.6.8 追記


この改造方法も、クロックアップと同じホームページに書かれていました。この改造のポイントは、如何にマザーボード側に取り付けるコネクタを入手するかに掛かっています。私の場合は幸にも、WTKグループのJR1PEQ/OMにお願いしてサンプルを取り寄せて頂いたので入手することができ、改造に踏み切れました。

DIMMアダプタこのコネクタはモレックスの「52760-1509(LCP)」という形式で取り寄せ可能なようです。この他に、IBM「部品センタ・部品販売部(03-5445-0365)」からTP535E用のDIMMアダプタ(12J2534)を取り寄せます。税金・送料・振り込み料込みで5000円ほど必要です。私の場合送金後5日間くらいで来ました、TP535本体が入っているのでは無いかと思うほどデカイ箱に入って送られてきます(^^;)

改造の手順

コネクタ取り付け後部品が揃えばコネクタの取り付けです。ちょっと見た感じは大変そうですが、やってみると意外に簡単でした。参考までに、私が行った手順を紹介しましょう。

まず、基板のコネクタの空きパターンのうち、コネクタ両サイドのコネクタ支持用のパターンに残ったハンダをハンダ吸い取り線で吸い取ります。次に、コネクタを乗せ、この2つのパターンだけハンダ付けします。この時、押さえつけるようにしっかりと取り付けます。

残った端子部分は、基板に残ったハンダを暖めて、軽く端子をコテ先で押してやれば、ハンダブリッジも無くくっつきます。上手く付いていないと思われる部分は、後からハンダを追加しますが、端子間隔が非常に狭いので、すぐブリッジしてしまうから注意が必要です。

最後は、アルコールで拭いて、歯ブラシの先ででも擦って掃除しておきます。とにかく目視で十分確認してください。怪しいと思ったら1ピンずつテスターで確認しても良いでしょう。

最後の通電テストは、1ステップずつやってゆきましょう。まず、改造前の状態(増設部には何も付けない)で起動試験です。次はDIMMアダプタだけつけて、メモリを乗せずに起動試験。そして、最初に入っていたメモリを抜いて、DIMMアダプタの方に付け替えて起動試験、2枚のDIMMをつけての起動試験は最後にしましょう。

こう書くと、なにもトラブルが無かったように見えますが、実は2枚目のDIMMを新規購入後、さっそくテストしようと、挿してみると95が上手く動かない! DIMMを1枚だけにしてもエラーが出るので、前に買ったDIMMに変更してもNG! げげ、壊したかな?と思い再度新しいDIMMを挿したら、今度はOK! どうやらDIMMの接触不良だったようです。2枚のDIMMを挿してメモリテストさせると、ちゃんと72MBを認識するようです。

改造の結果

150MHzクロックアップと、72MB改造で、TP535E並みの仕様になりました。あとは、L2キャッシュの搭載と、MMX−CPU換装が残っていますが、どっちも難易度の高い改造です。私の場合、HDDは購入時そのままの800MBが乗っていますので、まずは、先にHDDの取り替えですね。今ではお金さえ出せば6GBも手に入るようですが、現実的には3GB(38K)が良さそうです。でも、安くなったIBMの2.1GB(23K)も魅力的です。

DIMMの取り付け前 1枚目のDIMMを取り付け 2枚目のDIMMも取り付け

メモリ増設改造のその後(6/2)

改造してから、2ヶ月経ちました。最近、なんだかTP535が不安定です。最初はLANカードを抜き差しすると不安定になってたので、ネットワークのせいかなあ?なんて思っていましたが、今日はシリアルケーブルの抜き差しでも突然ハングしてしまいました。これは、もしかしてと思って、増設したメモリがあるあたりを、トントンと叩いてみると、やっぱりハングしました(^^;)

うーん、コネクタのハンダ付けが不完全だったのかなあ??? そっと起動させれば、ちゃんと動くのでDIMMの接触不良とかかもしれませんが、なんだかなあ・・・自分で改造すると、なんかトラブった時に、疑心暗鬼になってしまいます。

とりあえず、分解してDIMMをアルコールで掃除してみたところ、今のところハングしなくなりました。上の方のメモリ?なので、単にアクセスされないからハングしないだけかもしれませんが、もう少し様子を見てみます・・・

今度、蓋を開ける時は、HDDを取り替える時だと思っていたけど、思わぬトラブルに見回れました(^^;)

そういや、IBMの2.1GBのHDDは生産中止なのか、市場に出回らなくなりました。3GBはぐっと高くなるので買いにくいです。東芝の3GBは適価(30K)なので良いですが、やっぱりIBMを入れたい気がします。

メモリ増設改造の、その後のその後(6/8)

再びハングしたので、蓋を開けてメモリ周辺を調べてみました。半田付けしたコネクタの足(ピン)をハリでつっついて調べてみると、ちゃんと基板についていないピンが3本もありました。初めから付いてなかったのか、振動で外れたかは定かではありません(^^;)

外れていた3本のうち1本は、なかなかハンダが乗りません。グランドや電源周りのピンは、熱が基板に逃げやすく、ハンダが付きにくいので要注意ですね。これで、安定して動くようになってくれると良いのですが・・・