モーターのブラシの接触面積を求めてみようの巻

ある日、僕は思った。
ブラシってコミュ直径とかレイダウン、スタンドアップの違いで接触面積に違いが出るはずなんだが、一体どのくらいの違いがあるんですかね?さあ、どうなんでしょう?
と、言う疑問を持ってしまって、知りたくてしょうがない状態になった僕は、ブラシの接触面積を求める事にした。



まず、説明を分かりやすくするために左の絵を書きました。(本当は最初に計算したが説明がしずらい事に気づき後からこの絵を書いた)

絵の赤い線のところがブラシとコミュの接触している所で、この絵はエンドベル側からモーターを見たところです。(別に缶側と書いても良い・・・)
そして、黄色いのがブラシで、その下のデッカイ円がコミュです。
ちなみに、下側のブラシは式には必要ないので書いていません。(後で2倍するだけですからね〜)

じゃあ求めてみましょう。
まず、接触円弧(赤い線)の長さを求めます。ここでは分かりやすく線の長さをx(エックス)と置きます。(は不定の数って言う様な意味だったような気がする・・・)

円弧xの長さを求めるには、ブラシの幅の長さを2a(半分の長さはa)として図のように青い三角形を作ります。(ブラシの幅は、あえて2aにして置く)

三角形の辺の長さは、それぞれarとなり、中心の角度をθとする。

コミュの円周の長さはπd(円周率×直径)なので、の半分の扇形の中心角が求まれば、比率での値は求まるので、まずθを求めます。


三角関数(sin)を利用すると、  となり、これをθ=の形に変えるとと表す事ができます。
この式のaはブラシの半分の長さなので、計測し値を入れることが出来ます、さらにrはコミュ半径なのでコレもまた計測により値を入れることが出来ます。つまり、これでθは求める事が出来るわけです。

これで準備が出来たので、次に円弧の長さを求める事にしましょう。
円弧の中心角はθ×2、これを360(一周の角度)で割ってコミュの円周をかけてやると、円弧の長さを求める事が出来ます。
と、言う事で  これに円周をかけた答えがxの値と言う事で、  となります。
θarを使った形に戻すと、となります。

この式が円弧の長さを求める公式です。ただ代入するだけなので、ここは良く見れば簡単です。

はい!それじゃあ続きをやりましょう!!!!!
次は本題のブラシの接触面積の求め方を公式にしましょう。(ってこれは小学生の面積の問題だから簡単!!!!)
ブラシを断面から見ると、長方形になっています、短い方(スタンドアップにした時に円弧xになる方)をα、長い方(レイダウンにした時に円弧になる方)をβと置きます。一般的ブラシの場合α=3.8mm β=4.8mmです(good light調べ)

そうすると、ブラシ一個の接触面積Sは、
S(スタンドアップ)=x×β、 S(レイダウン)=X×αになります。

モーター単体で考えると、当然ブラシは反対側にもあるので、上の式の面積を二倍します。
Ss (スタンドアップ) = x×β×2   (2βx)
Sr (レイダウン)= x×α×2   (2αx)

と、なりこれでモーターに当たるブラシの接触面積を求める事が出来ます。ちなみに、この上の式を全て合体させると、下のようになります。

スタンドアップ レイダウン


上の式の(直径)とαβに数字を代入して計算すれば、自分のモーターブラシの接触面積が求まります。αβは上にも書いたと思いますが、
α=3.8mm β=4.8mmなので、後はコミュ直径を計測して代入して計算してください。
ちなみに、アークサインは関数電卓もしくはパソコンの電卓機能で計算できます。Exelだと、ラジアン入力になってしまうみたいなので計算できないと思います。注意として、カッコの付け方(計算の順番)を間違えると、全然違う値が出てしまいますので、よく見てね。

※1
うえの式で求められるのは、あくまでも近似値です。(ブラシの面取り部やコミュの切れ間部分も含んでいる等・・・その他もろもろ)
完全に回転している状態の接触面積を求める事は相当困難を極めます。(多分・・・そのような気がする)
なので、ここで求めるのは、ここまでにしておきます。
また、注意して欲しいのは、接触面積が大きいからといって、速いわけでも無いですし、転がりも良くなるとは限りません。
何故なら、ブラシは回転している面に押し付けられているとき、トレーリングになっている所とリーディングになっている所があり(一般的にはチョウド半分の所aずつで分かれる)接触圧力(面圧)は一定でないのです。(トレーリングとリーディングとは、食い込む側とナゾル側みたいなもので、ブレーキの構造とかを良く知っている人は分かると思うんだけど・・・)
面圧が一定でないと言う事は、摩擦係数をかけてもシッカリと計算できているかは、クエスチョンマークなんです。
さらに、コミュの径が変わると、状況がまた変わってきます。(コレもブレーキの構造を知っている人なら分かるんですが・・・)

まあ、ここで色々書いても多分意味無いので最後に・・・
上の式は、僕が暇つぶしの為に導いたものです。合ってると思います。(多分・・・)
あと、この式を作った理由は、『暇だったから』と『多分、誰もこんな事やっていないだろう・・・』だからです。
もっと簡単に求める方法もあると思いますが、まあ、暇つぶしに使ってみてください。アークサインだから・・・とか思わないで!!!!さあ!!!

ちなみに言っておきますが、ブラシの接触面積だけではモーターの速さは語れませんよ!!!!
この式は遊ぶための物ですからね。

上の式を使って計算してみました。それが↓コレです。
 
今回の計算で、同じコミュ直径の場合レイダウンの方が接触面積は大きく、コミュが小さくなった時の増え方も大きい事がわかりました。
別にソレが速さに直結する訳ではないですが、今までこんなグラフは無かったと思いますので、コレ見て『ふ〜ん』って思う人が1人でもいてくれたら、それでいいんです。 たまにはこんなのもいいんじゃないかい??
印刷用の大きいグラフはココをクリック。