オーディオ日記 第54章 今は空も飛べるはず(その13)2022年12月15日


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旅の終わりに:

先週、今年最後の旅を終えて帰ってきた。ここ数年の自粛の反動だろうか、今年は宮崎、北海道、長野、草津、伊豆下田、鹿児島と日程的にはのんびりしつつではあるが、それぞれの拠点に滞在してその近郊を巡る「冒険の旅」を楽しんできた。日数をカウントしてみるとこの一年の合計は45日、一月半ほどは旅をしてたということになる。

観光地も多少は巡るけれど、どちらかと云えば自然の景色を堪能しつつ歩くことが好きで、所謂自然探勝路などというものがあればとにかく歩いてみる。素敵な景観や自然(時に案外と寂れていたりするのだけれど)なのに歩いている人(特に若い人)はあまり多くないかな、という印象も受ける。

日本の自然や景色は海外に比較すればスケールが小さいことは否めないが、それでも素敵な場所ではしばし足を止め見とれてしまうことも多い。特に行ったことのない場所を初めて訪れる時、期待以上の景観に出会えたらそれこそ感動然りでここまで来た甲斐があったな~と素直に思ってしまう。もちろん温泉やおいしい料理は旅のセットなので必須でもある。

旅から帰る道すがら、次はどこへ行こう、という話題になることが多い。今年はこれで一旦終わりだが、来年もこの冬の峠を越えたらまた旅の草鞋を履きたいと思う、、、

元より登山も大好きなのだが、ここに来て年齢から来る衰えを意識することも多くなってきた。先週、鹿児島へ行った際は高千穂ビジターセンターよりお鉢を目指し馬の背という火口の淵を歩いたのだが、季節は12月。天気は快晴であったが気温はかなり低い。登り、下りは溶岩で足場のかなり悪いところもあって多少難儀し汗もかく。

良好なコンディションではあったがやはり12月の山登り、じっとしていれば体温は奪われる。おそらくこのせいでもあろうと思うが、下りの途中で家内の体調が悪くなってしまった。

トレーニング不足も否めないが、本格的登山とは云えないほどのコースなのでちょっと気が緩んでいたかもしれない。急に風が強まったりすれば夏の時期とは異なるので、低体温症となる危険もある。旅もトレッキングも山歩きも楽しいのだが、やはり体調が万全であってこそ。この年齢ともなれば体力、脚力は自分で思う以上に落ちているので無理は禁物、12月の山では下手をすれば命も落としかねないと反省も大。

そういう意味では年齢(体力、脚力)に相応な旅へと徐々に変えていかねばならないのだろう。いつまでも昔日の自分をイメージして行動することは多分だんだんとできなくなる。現実の時計は、自分で思っている以上にきっちりと進んでいく、という事実は変えられない。それを実感させられた次第でもあった。

馬の背からお鉢を望む:
Ohachi

さて、我がオーディオにおける巡礼の道にもいつか旅の終わりがやってくるのだろうか。闇雲に良い音にしなければ、と足掻いていた少し前の自分を今は僅かではあるが冷静に見られるようになってきたと思う。当然ながら自らの理想のイメージには届いていないし、まだやるべきことは多いとも自覚している。一方でオーディオは永遠の無いものねだりというような達観、あるいは諦観?が心の中では徐々に大きくなってきていることはもう自分でも隠しようがない。

最低限やらねばならないだろうと思ってきた機器整備は最上流となるデジタルトランスポート部分を除いて一旦は着地点となっていると思う。(理想的な専用リスニングルーム構築については、自分の心の中で折り合いをつけてしまったが、、、)

オーディオが良い音探しの旅とすれば、この旅もまたどこかで、例えそれが道の半ば、途中であったとしてもやはり終わっていくことは必定。だから、今は少しでも多くの音楽を、日々楽しんでいたい。機器弄りも喜びがあるのだけれど、音楽を聴くこと自体が楽しくなければオーディオを愛する甲斐も無い。新しい音楽にも出会いたい。今まで知らなかった、聴いてこなかった音楽、演奏に触れて感動したい。

これは多分、知らない土地を巡る旅とも通じるところがあると思う。そこに音楽との出会いがあって、心が豊かになる。オーディオとしての音を誰かと競う必要も無い。もちろん、音楽を充分楽しめるくらいには自分のシステムの「出音」に納得できることが条件なんだろうけれど。これを最低条件とすれば、そこには「まだちょっと」というキャップがあることもまた事実で、心から満足するオーディオに調律できたとは云えない。

これをどう埋めていくか。それがこれからの命題だと思う。ストリーミングによって限りない音楽との出会いの場は確保できたとも考えて良いだろう。そして、それを「最上(に近い)の音」にどのように仕立てていくか。単なる機器の選択、調達でそれが実現できるだろうか。究極のデジタルトランスポート探しはストリーミング対応を必須条件として、また振り出しに近いところへ戻ってしまったようにも感じている。

だが、オーディオの本流は音源の選択という点において、デジタルメディア(NASなどのライブラリ音源を含む)からストリーミングに流れを変えてしまっていることはもう否めない。アナログディスクはレガシーとして根強い支持を受けると思うが、これからマジョリティにはなり得ない。だからこの本流の流れの中から中から、多分、きっと(これは強い願望でもあるが)「絶対に欲しい!」と心底思える機器が出てくるはず。音については独りよがりの評価であってももう構わないと思う。自分が納得さえできれば、、、

そして、そのような機器が手に出来た時、我がオーディオの旅の終わりとなるのだろうか。あるいはそれでも尚、より良い音を渇望して、探し廻るのだろうか。未だそのような機器を手にできていない現状では、こんな予測をしてみても無意味なのは判っているのだが。あるいは自分でも「終わることのない旅」を望んでいるのだろうか。現実においては、旅に行けなくなることなど考えたこともないし、自分自身の旅路がいつ、どこに果てるのか、全く分かってさえいないのに。

人生が終わる時にならなければ、またオーディオの道も果てない、やはりそういうことなんだろうか。率直に云えばオーディオ機器に対する物欲はかなり減少している。今敢えて欲しいものといえば現実には難しいけれど、共に空を駆ける愛機、、、

Super Dimona HK36:
Super Dimona HK36


                 4way MW16TX構成の設定値(2022年1月3日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.0 +1.0 -9.0 +4.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.0 86.5 86.0 85.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

140
140

710
710

4000
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 -37.0 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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