オーディオ日記 第52章 目指す頂は見えてきたか(その21)2021年12月29日


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Bluesound NodeのUSB出力テスト:

アナウンス通りUSB出力対応のアップデートが行われたので確認を兼ねて早速テストしてみた。BluOSの今回のリリースノート(3.16.3)は こちら に。
(注記)Node 2iではUSB出力対応は実装されないので注意。

BlusOS Controllerの「設定(Setting)」から「オーディオ(Audio)」を選択すれば出力デバイスの設定状況を確認できる。USBデバイスを接続して使用可能となると自動的に切り替わる模様。なお、S/PDIF出力(当方の場合は同軸である)とUSBの両方に同時にデジタル出力を行うことはできないので、出力先を明示的に「デフォルト」に戻してあげないとS/PDIF出力はされない(併せてUSBケーブルも抜く)。またUSB出力では音量調節は不可(常に100%)である点注意が必要。

Windows用BlusOS Controllerでの設定画面:
Node USB Support

確認テストを行った構成は、NodeからINTONA USB Isolatorを経由してMUTEC MC3+USBであるがUSB出力デバイスとしてすんなり認識される。基本的にはUSB Audio Class 2.0対応であると思うが、出力サンプルレートも192K/24bitまで特段の問題なし。ただし、384Kは我が家では後段がS/PDIF入力のデジチャンなので未確認、他のUSBデバイスの接続テストはまだ行っていない。MQA Radio Paradiseも我が家の構成であればドロップアウトはない(Roonからの出力の場合は起こる可能性ありとのフォーラムコメント情報のため確認してみた)。

まだざっと聴いている状態なので音の評価は早計であるが、S/PDIF出力との差は大きくは感じない(かなりイケてるようにも思う)。この辺りは我が家の構成(MUTEC MC3+USBをUSB DDCとして使用)も含めて吟味しなければならないだろう。また、USB DACをお持ちの方の感想もほどなく出て来ると思うのでどのように受け止められるか興味のあるところ。

いずれにしても出力の選択肢が増えて、多様な使い方が可能となることは喜ばしくNode(新モデル)のユーザー拡大にも拍車が掛かるのではないだろうか。

(雑記)音のクオリティの判断

オーディオ趣味で目指すことは「良い音」への到達だと思う。もちろんオーディオの構成や規模(含む投入コスト)、そしてリスニングルームの有り様は人それぞれで千差万別。今までの経験から云えばひとつとして同じ音はない。同じ音源であっても聴こえ方の差が大きくて内心驚くこともある。これをどう理解したらいいのだろうか。各オーディオファイルのイメージする「良い音」は決して同じではなく皆それぞれが自分の心の中に持つ理想をターゲットのイメージして音の追求をされている、と解釈すれば良いのか。

では逆に「普遍的に良い音」は存在しないのかも? という疑問も頭をもたげるのだが、そもそも聴覚に依存することなので、音の判断自体を共通化できるのだろうか、とも考えてしまう。もちろん朧げにはある種の方向性もあるし、実際多くの人が良いと認める音も存在する。

オーディオの音の判断はまた経験値も物を云い、ある程度蓄積も必要と考えるのだが、それもまた本当に正しいことなのだろうか。つまりはオーディオ愛好家ではない普通の人が音楽を聴いて、あ~素晴らしい音楽(近似値として良い音)だなと思えば本来はそれが正解ではないのだろうか。

オーディオ的な見地から見れば、そこに周波数特性、指向性や低歪であること、また定位、音の広がりや抜け、充分な音量とダイナミックレンジ、など測定できること、測定が難しいことも含めて評価の要素が入り込む。しかし、どのファクターがどれくらいの判断ポイントとなるのか、その重要度を定量化することも案外難しい。また、評価自体は音源への依存度も高いので、音源とシステムのそれぞれの貢献度を推し量らねばならない。

スピーカーシステムに対する音質評価の新しい?メジャメントも一般化されつつあって、物差しとしてはなるほどと思える点もある。この辺りは技術的な観点だけではなお不足で心理的な要素の加味も必要なポイントなのだろう。決して否定している訳ではないのだが、やはり絶対的な音のクオリティに対する尺度、基準となるのかという疑問がなお残る。

翻って、自分のオーディオのクオリティは如何程だろうかとも訝しんでみる。良い音源であれば、余り拘らずに音楽に身を委ねられるとも云えるのだが、そうでない時もそこそこにある。絶対的な自己満足だけで良いとは決して思えないので、普遍性の観点から、客観的かつ冷静な評価もしければならない。

だが価値判断というのは、これはまた絶対的に自分自身のものでもあるので、人に判断を委ねることもできない。もちろん、聴いていただいて感想や評価をいただくことは極めて重要なことであるのだが、それは自分の中でいただいたコメントから具体的な自分のシステムの改善ポイントや対応策へと昇華されねばならない。

音楽自体に好み、好き嫌いがあるように、オーディオによって再生される音にも好みがあることは間違いないし、その好みが異なっていれば他のオーディオファイルの音を評価することは難しくもなり、そのようなケースでは逆に感想、アドバイスをもらうことが却って自分自身の尺度の混乱ともなり得るかもしれない。

結局、普遍性の中にあっても最終的な価値判断の基準は自分の中にしかないし、自分で行わざるを得ない。一方で自分自身だけが評価していれば、それで良い、とも思えない。ただ、「自分自身がある程度満足」していることが趣味という上でもかなり重要な要素だとも考える。つまりは自己満足は重要。だが一方で絶対的な尺度は存在しないのか?

いろいろな訪問記をネット上で拝見することも多いのだが、書かれたものから音を類推することは当方にはほとんどできない。冷徹に書くことの難しさもあるし、その方の評価判断の基準をある程度は理解できていないとそこから推し量ることも的を外してしまう可能性が高いように思える。

だが、経験値が蓄積されて評価判断のベースが出来てくることもまた事実。クラシック音楽などのコンテストにおける演奏者評価など到底自分にはできると思えないが、それはその素養や経験値がない故との理解もしている。審査員もまた永年の積み重ねがなければ基準を持ち得ないだろう。自らの経験値を蓄積し高めなければ、オーディオも高みには登れない。

ちょっと話は飛躍するが、オーディオ評論家というのは作文の名人かもしれないが、音の評価が必ずしもできているとは思えないことがある。書かれた文章も曖昧模糊として意味不明なことも多い。もちろん、自らがプロフェッショナルとして録音にもかかわっているような方は経験値も含めて別格であると思うが、そういう方は極少、、、言葉で音を語ることの難しさはこのようなブログを書いていても常に痛感する。

結局最終的には自分の「感性」がこれで良い、と判断を下してくれなればいくら測定などで良好な結果が出ても満足はできないということかも。真の満足に至る道、それはいたずらに費用投下することでもないし、ガラクタ遊び的な要素でも得られない。本当に好きな音楽を(良い録音の音源で)、不足の無い機器と構成、そして精緻な設定、充分な環境で歌わせてあげることでしか得られないんじゃないかと(今更ながら)思う。


                 4way MW16TX構成の設定暫定値(2021年10月6日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.7 +0.7 -10.5 +4.7
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -3.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.7 85.2 83.5 80.7
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

160
160

710
710

3550
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 +28.0 -37.0 +27.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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