オーディオ日記 第52章 目指す頂は見えてきたか(その19)2021年12月23日


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Bluesound NodeのUSB出力対応:

国内でもやっとBluesoundの新モデルである Node が販売開始となるが、この新モデル(のみ)にて対応するとしていたUSBデジタル出力が本年12月28日より利用可能となるとの正式コメメントがBluesoundのフォーラムにあった。(内容は こちら に)

当初よりこの対応を「年内を目途に」としていたがタイミングとしてはギリギリでちょっと遅いクリスマスプレゼントというところだと思う。ファームウェアアップデートによってこの対応がなされるものと推測しているが楽しみである。

我が家ではNodeからRCA同軸にてMUCTEC MC-3+USBにS/PDIF信号インプットしているが、これと並行してUSBでも使えるようになる。USB出力の場合はNodeから一旦 Intona USB Isolator を経由させてUSB DDCとなるMUTECへのインプットを想定している。RCA同軸のS/PDIFとUSB経由での音の違いはあるか、あるとすればどの程度か、など興味津々でもある。MUTECサイドでの入力切替のみで比較試聴が可能となるので案外とやり易いだろうと思う。なお、USB経由であっても従来通りBluesound NodeではDSD音源はサポートしないのでこの点は留意が必要。

もちろん微細な音の差があるとしても、どちらのスタイルを取るかは機器や用法の考え方で変わってくると思う。S/PDIFは192KHzまでのサンプリングレートが上限というやや旧態依然の仕様ではあるが、対応する機器の間口の広さや安定性は申し分ない。しかしながら、USB DACも広くPCオーディオに係わる機器として普及しているので、新たにBluesound Nodeユーザーとなる方にはお持ちのUSB DACを利用できることはアドバンテージにもなる。

当方の現状のケースでは後段となるデジチャンがUSB入力を受け付けてくれないので、いずれにせよMUTEC MC-3+USBで最終的にはS/PDIFとして出力する必要がある。ただし、来年にはUSB入力を受け付けるデジチャン( DEQX Pre-8 HD-Acitive )が登場となる想定もあり、構成をシンプルにしていく上でも上流がUSB出力対応となっていることは選択肢が増える点で意義があると考えている。

極力シンプルに、と考えればこのNodeのようなネットワークストリーマー(あるいはデジタルトランスポート)から、ケーブル一本でデジチャンと接続できることが理想である。接続自体は同軸でもUSBでも構わないが、192KHzを超えるサンプルレートを考えてしまうとS/PDIFという訳には行かなくもなる。現実にはほとんどが192KHz以下の音源なので(ストリーミングでは今のところ192KがMAXだし)実用上は問題ないのだが、、、

一方で、間にリクロック処理を絡ませたり、USBであればUSB Isolatorを挿入したりと、やはり音質の観点から見るとどうしても何らかの向上施策が必要となってしまってなかなかSimple is the Bestには到達できない。この辺りは音を考えてしまうと妥協できないこともあって気持ち的にはよりシンプルに、なのではあるが悩ましいところでもある。そのように考えるとデジチャンとはLAN接続が望ましいな~とも考えてしまう。

話は少し変わるが、ストリーミング音源と自分のライブラリ音源をそれぞれ出力する機器構成と併せて対比させてみると、CD品質音源(44.1KHz/16bit)であれば自分のライブラリ音源をAoE Symphonic-MPDで再生するやり方にアドバンテージがある。だが、ストリーミングではCD品質を上回るハイレゾ音源が結構あって、自分ではCDからリッピングしたものしか持っていない、ということがほとんど。当方がサブスクしているのは密林音楽であるが、所謂名盤とも云われている音源などは案外とハイレゾのものもあり、これをBluesound Nodeからのデジタル出力で聴くとちょっと悔しいのだがやはりストリーミングのハイレゾ音源に軍配が上がってしまうのだ。(なお、Nodeはスィッチング電源からの 換装 を推奨しておきたい)

一つの例であるが、希代の名盤としても名高く自分でも大好きなLeopold StokowskiのRhapsodiesであるが、これも密林では24bit/96KHzの音源である。ここで聴ける温度感、密度感の高さには自分のCDリッピング音源は敵わない。

Stokowski Rhapsodies

素晴らしいアナログ音源がそのままハイレゾ化されたものがストリーミング音源としてこのように提供されるのならば、リッピングやタグ管理の苦労も敢えてする必要がないし、費用的には論を待たぬほどにリーズナブルである。もちろんこのような名盤には高品質のアナログディスクやSACD、CDでもHQ盤などさまざまなソースが存在するし、コレクションとして所有する喜びもある。だが、音楽再生においてこの音源に係わる部分はストリーミングが急速に追い上げ、ほどなく追い抜いて行ってしまうのだろうと思う。

MQAというテクノロジーも「不可逆的圧縮」ということでアンチ派も存在していたと思うが、高圧縮され効率的なデータ量でハイレゾをストリーミングすることが可能というもうひとつの絶対的な優位もある。MQAのソフトウェアデコードもだんだん一般的になってきているし、DACでの対応も当たり前となれば、インターネットラジオを含むほとんどのストリーミングはMQA化されて行くかもしれない。実際、MQA Radio Paradiseを良く聴いているのだがネットラジオだから、という音質に係わるビハインド感は全く無い。

音源は「自分で持っていなくても良い」という感覚にはまだ当方はなり切れないのだが、遠からず常識は変わってしまうのだろうと推測する。ネットワークストリーマ―があれば上流としての音源と機器は事足りる。要はこの大量かつ優れたデジタル音源をどのように自分の部屋で再生させるのか、自分のオーディオとして主眼はこの先はそちらに比重が移っていくのだろうか、とつらつら考えてもいる。そのような観点からは「究極のデジタルトランスポート探し」はBluesound Nodeで一応の目的を達成できた? と云えるのかもしれない。


                 4way MW16TX構成の設定暫定値(2021年10月6日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.7 +0.7 -10.5 +4.7
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -3.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.7 85.2 83.5 80.7
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

160
160

710
710

3550
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 +28.0 -37.0 +27.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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