オーディオ日記 第52章 目指す頂は見えてきたか(その4)2021年7月22日


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永遠の、、、、

モーツアルトの音楽は何故このように自分にとって限り無く優しいのか、それを自分で分析することは能わない。メロディーなのか、ハーモニーなのか、瞬間瞬間の音楽のフレーズや流れが心に染み入ってきて、それに浸っているだけで茫洋と時は過ぎていく。「All Mozart」というような数千曲のプレイリストを作り、それをランダム再生で延々と流していれば飽きることがなく、時に昼間であっても居眠りしてしまうことがある。

モーツアルトの楽曲には(あくまでも当方にとってではあるが)極めて強い「モーツアルトの個性(モールアルト節?と云えるかも)」があり、他の作曲家の音楽とは曲の特徴というか、雰囲気という点で案外明確に一線を画した部分がある。云い代えれば、あまり馴染みの無い曲の場合でも一聴してモーツアルトの音楽であることが理解できてしまうように思う。

音楽としてはそれほど深刻な印象はなく、軽いものかもしれない。眉間にしわを寄せて音楽を聴くなんて、お馬鹿なことですよ、と云わんばかりのモーツアルトの表情が浮かぶ。それは多分に映画アマデウスでのモーツアルト役のイメージに繋がるものかもしれない。敢えて云えば人生の深刻さとは距離を感じてしまうような音楽、、、それでいて心は限りなく優しく揺さぶられる。

これらの音楽で日々を満たしたいが為にオーディオを続けてきた部分も多分にあると思う。もちろんそれ以外の素敵な音楽だってあるし、機械弄りだって存外に楽しい。

だが、このところは再生環境がそこそこに落ち着いてきたこともあって、聴くことに没頭していると云えばいいのだろうか。コロナ渦もあるし、夏の暑さもあって適度にクールな部屋に籠もって音楽を聴いてばかりいる。ストリーミングによって手に出来るほぼ無限とも考えられる音源、それを聴いている時間はもしかしたら阿片中毒かとも思って仕舞うほどの愉悦にもなる。

求めてきたのは多分このように音楽を聴くことに専念できるオーディオなんだろうと今更ながら思う。でもそのような日々が続けば、またぞろあれこれとアイデア(あるいは妄想?)も生まれてはくる。転がり続ける石には苔は生えないの所以だろうけれど、もう既に充分に苔が生え始めている訳だ。

現状の構成や機器について、ここは何とかしなければならない、と強く思う部分は実のところもうあまり無い。ある程度の整備は出来てきたと思える部分もあり、結果としての音楽再生に自己採点ではかろうじての及第点はつけられる。(コロナ渦で刺激を受けることもオーディオ仲間に評価していただくこともここしばらく出来ていないので随分と甘くなっている?のかも)

もちろん、ストリーミングがほぼ主流となってきた現状でもその送り出しとなる機器については、求めてきた「究極のデジタルトランスポート」とは未だ遠いところにあることは事実。だが、逆に密林音楽をメインとする現状の環境では更にベターと思える機器が見当たらない。Bluesoundの新モデル(日本ではまだ未発表で購入できない)も音として大きくブレークスルーすることが期待できるような構成の変化がないことは少々残念ではある。

4way構成のスピーカーユニット達もホーンの構成、セラミックドームの構成いずれもそれぞれの個性を残しながらも纏まってきたようには思う。ミッドローユニットの低域側クロスオーバー周波数(ならびに中低域の帯域の音楽的充実度)については微妙に悩むところは残っているのだが、設定等で何とかカバーできているようにも感じられる。

この先、スピーカー周りでやりたいことは、やっつけで作ったミッドロー、ミッドハイ用のエンクロージャの最終化。無垢材あるいはフィンランドバーチの良質な合板などをNCルータ等で望む形に加工したエンクロージャが是非とも欲しく思う。構成、設定が定まってきたのでここはそろそろ始動しても良いタイミングだろうと考えている。この部分は多分音の変化(改善)を求めるというよりは自分なりの納得感が欲しいということだと自覚している。

そして更に手をつけねばならないのが室内の音響調整なのだが、専用リスニングルームはギブアップしてしまっている現状なので、家族からの反対意見が出ない程度には何とか音響調整部材を導入したいと思う。ただし、部屋の佇まいを変えてしまうほどの量の導入はおそらく不許可なので、部屋の見栄えをあまり変えないような最小限のレベルとならざるを得ないだろうと思う。対応したい狙いの基本は音の拡散である。集合住宅故にスピーカーの設置してある部屋は前面、後面がコンクリート壁である。また天井高も理想と云える程の高さがないのだ。この部分はなかなか課題が多い、、、

現状大幅に悪い状況ということは無いとも思うのだが、ある程度の定在波の発生がある。厳密には把握仕切れていないが、サウンドジェネレータ等によって周波数を連続的に変えてサインウェーブを出すと、特定の周波数の時にレスポンスが盛り上がる。これが前述のような拡散を狙った音響調整部材で対応、解決可能なのか、まだ良くわかってはいないがやはり挑戦してみたい。見栄えに留意するとすればAGSなどの導入なのかな~とも思案しているのだが、少量の導入設置程度で想定の効果が得られるか未知数なので、実験なども含めた改善プロセスに着手しなければならないだろう。

いつかは音楽を聴くことだけに専念できる枯淡の境地のようなオーディオシステムに辿り着きたいとは思う。僅かにはそれに近づけたのではとも思うのだが、実態はまだまだゴールには遠い地点にいるのであろう。そうこうしている内に、我が身には永遠の静寂が訪れる。それはもう遠い日ではないと自覚せざるを得ない。


                 4way MW16TX構成の設定暫定値(2021年6月23日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.7 +0.7 -10.5 +4.7
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -3.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.7 85.2 83.5 80.7
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

200
200

800
800

3550
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-96 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 +28.0 -37.0 +27.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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