オーディオ日記 第50章 幸せのひと時(その4)2020年8月26日


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音の品評会:

さて、Bluesound Node 2iであれこれと遊んでおりBluOSとAmazon Music HDとの連携についても慣れてきた。この先このBLuOSを搭載したデジタルトランスポート専用機が出てこないだろうか、と密かに(大いに?)期待してしまう。それくらいNetwork Streamerとしての機能は優れていると思う。他社のAmazon Musicへの追随の仕方などを含めて、今後この分野のユーザビリティが益々向上すると思うとその動向にも目が離せない。

Amazon Music HDに関しては、おそらくAmazon側が提供しているAPIがあって、それに準じた対応しかできないかもしれないとの推測もある。とすれば、その部分は実装を何処まで取り込むかであって逆に差別化の要素にはなりにくい。従って、ポイントは複数のストリーミングサービスと自分のライブラリ音源全体を「同一に扱える」という機能が注目されるようになるかもしれない。BluOSは既にこれを実現しているが、Lumin辺りがどのような仕掛けでAmazon対応をしてくるのか興味津々である。

Bluesound Node 2iのデジタル出力(アナログ出力は全く試していない)の音についてであるが、音の厚みがあり芯があってやや太く感じる。バランス的には中庸と思うが、高域の突き抜け感はやや抑え気味なので、ストリーミングにて密林音楽を聴くには逆に相当適していると思う(そのようなチューニングが為されているのか?と思うくらい)。この辺りは電源環境を弄ってみなければ最終的なことは云えないかもしれないが、素の状態でもかなりイケてるので、電源対応の伸び代はあると思う。

電源環境を改善するため、換装可能な電源基板を英国Fidelity Audioに直接オーダーしたのだが、日本には発送できないと。しょぼん。仕方ないのでebay辺りで探してみようと考えている。従ってこの対応を行った上での評価は今少し時間が掛かりそう。ま、急ぐものでもないが可能性は追求したいと思う。

なお、一般論的な観点としては音の傾向が日頃聴いているSymphonic-MPDとはやや異なる感じが拭えない。そこで、我が家のPCオーディオ構成を総動員して音の傾向を比較してみようと(暇に任せて?)思い立った。我が家のデジタルトランスポート品評会である。Bluesound Node 2i、Symphonic-MPD、JPLAY FEMTO、lightMPD on PC、lightMPD on Raspi 4の5種類である。

プラットフォームとしてのBluesound Node 2iは専用機であるが、内部のプロセッサー(ARMの1GHz)から考えると、ラズパイの親戚とも云えそう。Symphonic-MPDとlightMPDも共にラズパイ4である。ここまでの3種類はいずれも直接S/PDIF出力するタイプ。残りのJPLAY FEMTOとlightMPD on PC(donuts_shop73バージョン)はAMD CPUベースのPCでインターフェースはUSB(Intona経由)。

ちょっと久々にJPLAY FEMTO(Single PC構成)を聴く。安定感があり緻密なのに繊細、過不足はない。lightMPD on PC、やはりPCベース、USBインターフェースということでJPLAY FEMTOと比較しても違和感が少なく、共通して鮮度感が高い。この2種類は意外に思えたのだが、Bluesound Node 2iに通じるようなバランスの良さ、云うなれば音の厚みというか安定感もある。総じて音楽に浸れる、と云えば良いのか。ラズパイ4ベースのlightMPD、Symphonic-MPDとはやや異なる傾向を感じさせるのだが、Symphonic-MPDにはさらに「個性」があることが改めて良く判る。これは単純な是非では無いのだが、高域感があってやや細身、S/N感としては抜きん出たものがある。故に音源との相関もある。このような比較試聴を行うに際しては、それがプラスファクターとして働く音源であるかどうかによって評価が分かれる可能性もあるのだ。

総じて、音楽をあまり選ばずにやや分厚く聴かせてくれる方向が好きなら、JPLAY FEMTO、lightMPD on PC、Bluesound Node 2iである。透明感の際立つ高域やエコー感を重視するなら再右翼はSymphonic-MPD、次点でlightMPD on Raspi 4だろうか。

このところ随分とSymphonic-MPDに入れ込んできたのだが、率直に云えばこの方向性が良いのかどうか、、、Symphonic-MPD自身も度重なるバージョンアップによる進化で大分音が変わってきたという経緯がありそれを実感することとなった。

いずれにしてもいずれ劣らぬデジタルトランスポートであることには変わりなく、音の好みや操作性の観点、自分の持っているハードウエア環境で選択すれば良いと思うのだが、何とも「贅沢な時代」になったんだな~と改めて感慨も深い。

さて、Bluesound Node 2iの話題に戻るが、これはdsd音源の再生をサポートしていない。フォーラム等に目を通した限りではdsd対応の予定も無さそう。これはこれでひとつの割り切りであるがちょっと癪ではある。さて、どうしたものかと、、、

Bluesound Node 2i以外の上記のデジタルトランスポート群はいずれもDSDtoPCMの対応が可能なのだ。基本はSoXを呼び出しての再生時のダイナミック変換。JPLAY FEMTOはminim serverにおけるトランスコード処理で変換。従って、ライブラリ上にdsf形式で音源を持つスタイルには手を付けたくないし、変更したくない。

dsd音源を別途PCM変換してライブラリに置くのならば対応自体は簡単なのだが、それではdsf形式のものとアルバムやタイトルがバッティングしてしまう(二重になる)ので面白くない。

そこでちょっと考えてみた。Bluesound Node 2iは音源ライブラリに置いてあるdsd音源は無視(読み飛ばされる)。なので、現在のdsd音源を含むライブラリ自体は現状のままで問題ない。BlueOSの特徴のひとつに「複数の音源ライブラリ対応」という機能がある。つまりNAS(サーバーPC)音源を複数設定でき、それらを区別無く全体の音源ライブラリとして管理できる。この点に注目した。(これが実装されているのは大変ありがたい)

実際には、サーバーPC上に、もうひとつ音源フォルダーを作成(共有設定が必要)する。そして、このフォルダーにDSDtoPCMを行った音源を置いておく。アルバム名やその他の一切のタグ情報は弄らない。ジャンルは「DSD Classical」というように元々PCM音源とは異なるもので管理しているので、それも弄らない。このライブラリをBluOS上で単純に追加すれば良い訳だ。

早速実験してみて、全くこのスタイルで良いことが確認できた。もちろん、Bluesound Node 2iでの再生は176.4K/24bitに変換しておいたFLAC形式の再生となるのだが、タグ情報を弄っていないので、他の環境の時と全く同じジャンルやアルバム名で選曲操作が可能。ちょっとほっとする。

もともとデジチャンにデジタルのまま送り込む、ということを指向しているためにいつもdsd音源に係わる課題にブチ当たるのだが、今回も何とかクリアーできた。ま、結局はDSD音源と云ってもPCM変換してしか聴けない構成、環境な訳で、意地を張ることは無いとも思うのだが、、、

だが、この実験の後には手持ちのDSD音源をすべてPCM変換しなければならない、という(やや苦痛の)作業が待っている。アルバム数も案外あるのでそこそこ時間と手間がかかりそう。なお、この変換作業は「Tunebrowser」で行うこととした。割と細かい変換時の設定が可能なこと、また音量を+6dBできるオプションがあることも大変ありがたい点である。


                 4way SUP-T11構成の設定備忘録(2020年6月17日更新)設定値
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 90 (+0) 110 (+17) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.0 +1.2 -10.0* +4.0
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -7.0 -6.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 90.0 85.2 85.0 80.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

224
180

800
800

3550
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 0.0 -30.0 +28.5 +32.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Rev Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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