初夏というには爽やか過ぎる風が通り抜けている。マウンテンバイクでひとしきり汗を流したこんな日の午後は心に染みるボーカルを聴くに限る。本日は
Eva Cassidy
。本当に好きな女性ボーカリストというのはやはりある程度限られてしまうのであるが、その中でも格別・特別な存在でもある。Eva Cassidyを聴き始めたのはそんなに昔のことではない。後から知ったことであるが、最初に聴いた時点ではもう既に亡くなっていた。33歳という若さであったとのこと。初夏のこの気候にマッチする曲は、「What A Wonderful World」であろうか。一時間ほど田園の中を、風を切って走ってきた身に何とも心地良い歌声である。心に染みる、とは正にこういうことを云うのであろうかと。Evaの歌を聴いているとオーディオのありがたさをしみじみと思うし、また音楽なくして装置だけでは成り立たないことも当然ながら痛感する。いろいろなアーチストとの出会いは偶然であり、どんなに素敵な人であっても互いにすれ違い、出会えぬ不幸もある。Eva Cassidyはそれほどメジャーとは云えないので、もしかしたらその歌声を聴くことなく過ぎてしまうこともあったかもしれないが、今日はただこの歌声に出会えた奇跡を素直に喜ぼうと思う。今日の風とこの歌声が何とも気持ちよい。
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